英語の助動詞とは|15種類の役割・使い方を一覧表で確認&覚え方のコツまで解説
この記事では英語の助動詞の基本について解説しています。
助動詞を本格的に勉強する前に確認しておきたい内容をまとめています。
英語の助動詞の役割
英語の助動詞の役割
英語の助動詞は、主に話し手の気持ちや判断を表すために使われます。
つまり、文に主観的な要素を加える役割を果たしています。
次の例文を見てみましょう。
(1) He is an artist.
彼は芸術家だ。(単なる事実)
(2) He may be an artist.
彼は芸術家かもしれない。(推量:~かもしれない)
(3) He must be an artist.
彼は芸術家に違いない。(確信:~に違いない)
(1)の文では「彼が芸術家である」という事実が述べられています。
それに対し、(2)では話し手の「推量」が、(3)では話し手の「確信」が述べられています。
このように、助動詞を使うと、事実そのものではなく、「~かもしれない/~に違いない」という話し手の考えを表すことができるのです。
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英語の助動詞一覧
英語の助動詞一覧
以下の表は、英語の助動詞を一覧にしたものです。青字のものは、詳しい説明とリンクしているので、ぜひ確認してみてください。
助動詞 | コアイメージ | 主な訳 | 重要度 |
---|---|---|---|
can | 能力、可能性、許可 | ~できる ~はあり得る ~してもよい |
★★★ |
could | 過去の能力、可能性、許可 | ~できた ~はあり得る ~してもよい |
★★★ |
must | 義務、確信 | ~しなければならない ~に違いない |
★★★ |
may | 許可、推量 | ~してもよい ~かもしれない |
★★ |
might | 容認、推量 | ~してもよい ~かもしれない |
★★ |
will | 未来、意志 | ~だろう ~するつもりだ |
★★★ |
would | 推量、過去の意志、過去の習慣 | ~だろう ~するつもりだ よく~したものだ |
★★★ |
shall | 申し出、提案 | ~しましょうか | ★★ |
should | 義務、推量 | ~すべきだ ~のはずだ |
★★★ |
ought to | 義務、推量 | ~すべきだ ~のはずだ |
★ |
have to | 義務、確信 | ~しなければならない ~に違いない |
★★★ |
had better | 忠告 命令 |
~すべきだ ~しなさい |
★★ |
used to | 過去の習慣、過去の状態 | よく~したものだ 以前は~であった |
★★ |
dare | 勇気、ずうずうしさ | ~する勇気(ずうずうしさ)がある | ★ |
need | 必要性 | ~する必要がある | ★ |
助動詞の使い方
助動詞の使い方
助動詞の後ろは動詞の原形
助動詞を使った文は通常〈主語 + 助動詞 + 動詞の原形〉の形をとります。
(4) I will be back soon.
すぐに戻ってくるよ。
(5) He can play the piano.
彼はピアノが弾ける。
be動詞は、助動詞の後では必ず be となります。また、主語が三人称単数の場合でも動詞に s や es はつけません。
過去の表し方
下の文は、(5)の文を過去形にしたものです。
(6) He could play the piano at five.
彼は5歳でピアノが弾けた。
一般に、助動詞を含む過去形の文は、助動詞のみを過去形にし、動詞は原形を使います。
助動詞 + have + 過去分詞
「助動詞 + have + 過去分詞」を使うと、「過去のことについて今思っていること」を表すことができます。
(7) He may have lied.
彼はうそをついたのかもしれない。
(8) He must have got lost.
彼は道に迷ったに違いない。
(7)は、「以前にうそをついた」かもしれないと「今思っている」ことを表し、(8)は、「すでに道に迷った」に違いないと「今思っている」ことを表します。
なお、この形の表現については以下の記事で詳しく解説しています。
助動詞を2つ続けてはいけない
(9) × He will can play the piano soon.
(10) 〇 He will be able to play the piano soon.
彼はすぐにピアノが弾けるようになるだろう。
(9)のように、1つの動詞に複数の助動詞を続けて用いることはできません。(10)では、助動詞の can と同じ意味の be able to を用いることで、助動詞が重ならないようにしています。
否定形
助動詞の否定形は、直後に not をつけます。
(11) I cannot do that.
私にはそれはできない。
(12) You must not do that.
あなたはそれをしてはいけない。
cannot は1語で用いられますが、他の助動詞の場合は、must not のように2語となります。
また、会話やインフォーマルな文章などでは以下のような短縮形もよく用いられます。
- will not → won’t
- cannot → can’t
- would not → wouldn’t
- could not → couldn’t
- should not → shouldn’t
疑問文
助動詞を含む疑問文は、<助動詞 + 主語 + 動詞の原形>の語順になります。
(13) Can he play the piano?
彼はピアノが弾けますか?
(14) Must I go to the party?
私はパーティーに行かなければならないのですか?
助動詞の覚え方
助動詞の覚え方
英語の助動詞は文脈によって意味が変わることが多く、単純にすべての意味を覚えようとする方法には限界があります。
以下では、助動詞を学習する際の注意点を紹介します。
日本語訳に極力頼らないようにする
日本語訳は助動詞を知る際の導入には役立ちますが、英語のスキルを根本的に伸ばすことにはつながりません。英会話や長文読解などでは瞬時に英語の意味を理解する必要があり、その際に日本語に訳す作業を挟む余裕はないからです。
このサイトでも各用法の日本語訳を紹介してはいますが、それに頼りすぎず、英語を英語のまま理解する意識を持つと学習効率が上がります。
コアイメージに焦点を当てる
助動詞のもつ様々な意味はコアイメージから派生したものです。したがって、それぞれの意味をコアイメージと結びつけて感覚的に覚えていくことが助動詞を理解する近道です。
このサイトでは各助動詞のコアイメージを最初に紹介しています。そのイメージを、用例ごとの意味と結びつけながら学んでいくことが大切です。
できるだけ多くの例文を見る
このサイトにも多くの例文が掲載されていますが、これは、英文法を知識として頭に詰め込むためではなく、例文を大量に消化することで、英語の感覚を身につけてもらうためです。
日頃から英文を読み、その中で過去に学習した表現に出会う体験を繰り返すことで英語は次第に身についていきます。
短い時間でも構わないので、なるべく毎日英語に触れる機会を設けるようにしましょう。
助動詞の学習に限らず、なるべく多くの英語に触れることが、英語力を伸ばす最適の方法です。