助動詞+have+過去分詞|使い方や意味、助動詞を用いて過去を表現する方法を解説
英語では、助動詞を使って話し手の判断や様々な気持ちを表します。
助動詞の基本的なルールについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
以下の記事では、〈助動詞 + have + 過去分詞〉 という形の表現について解説します。
〈助動詞 + have + 過去分詞〉の用法
〈助動詞 + have + 過去分詞〉の用法
〈助動詞 + have + 過去分詞〉には主に次の2つの用法があります。
1)過去に関する推量(~したかもしれない、~したに違いない、~したはずだ、~したはずがない)
2)過去に関する後悔・非難(~すべきだったのに、~する必要はなかったのに)
以上のことを念頭に、それぞれの用法を確認していきましょう。
この記事に関連するQ&A
過去に関する推量
過去に関する推量
〈may [might] + have + 過去分詞〉
(1) I may [might] have left my keys at home.
[ひょっとしたら] 私は家にカギを置き忘れたのかもしれない。
(2) He may [might] not have known about it.
[ひょっとしたら] 彼はそのことについて知らなかったのかもしれない。
〈may + have + 過去分詞〉 は「~したかもしれない」「~だったかもしれない」という意味を表します。
〈might + have + 過去分詞〉 は「ひょっとしたら~したかもしれない」「ひょっとしたら~だったかもしれない」という意味になり、may を使った場合より確信度が弱まります。
(2)のように否定文を使うと「~しなかったかもしれない」「~でなかったかもしれない」という意味になります。
なお、仮定法における〈might + have + 過去分詞〉の用法については、こちらの記事をご覧ください。
〈could + have + 過去分詞〉
(3) He could have made a mistake.
彼は間違ったかもしれない。
〈could + have + 過去分詞〉 は「~したかもしれない」「~だったかもしれない」という意味を表します。
この表現は「~した可能性もないとは言えない」というニュアンスで、確信度は〈might + have + 過去分詞〉よりさらに低くなります。
この用法では、could の代わりに can を使うことはできませんが、疑問文では can も使用可能です。この場合は、「~した [だった] 可能性はあるだろうか?」という意味になります。
(4) Could [Can] my sister have done such a thing?
姉がそんなことをした可能性があるだろうか?
なお、仮定法における〈could + have + 過去分詞〉の用法については、こちらの記事をご覧ください。
〈must + have + 過去分詞〉
(5) He must have had a good rest.
彼は十分な休息をとったに違いない。
(6) She must not [mustn’t] have been sick.
彼女が病気であったはずがない。
〈must + have + 過去分詞〉 は「~したに違いない」「~だったに違いない」という意味になり、過去の事柄に関する確信を表します。
(6)のように否定文を使うと「~したはずがない」「~だったはずがない」という意味になります。
〈should [ought to] + have + 過去分詞〉
(7) He should [ought to] have arrived home by now.
彼は今ごろ家についているはずだ。
〈should [ought to] + have + 過去分詞〉 は「~したはずだ」「~だったはずだ」という意味になります。should と ought to はほぼ同じ意味で使われます。
この用法は、話し手が「実際にはそうではなかった可能性も認めている」場合に使われるので、確信度は〈must + have + 過去分詞〉より低くなります。
なお、この用法が否定文で使われることはほとんどありません。
過去に関する後悔・非難を表す〈should [ought to] + have + 過去分詞〉については、別の項で説明します。
〈cannot [couldn’t] + have + 過去分詞〉
(8) She cannot [couldn’t] have made such a mistake.
彼女がそんな間違いをしたはずがない。
〈cannot [couldn’t] + have + 過去分詞〉 は「~したはずがない」「~だったはずがない」という意味を表します。couldn’t は cannot より強い否定を表します。
過去に関する後悔・非難
過去に関する後悔・非難
〈should [ought to] + have + 過去分詞〉
(9) I should [ought to] have taken his advice.
私は彼の忠告を聞くべきだったのに。
(10) They should not [ought not to] have bought that house.
彼らはあの家を買うべきではなかったのに。
〈should [ought to] + have + 過去分詞〉 は「~すべきだったのに(実際はしなかった)」という意味になり、過去において実行されなかった事柄に対する後悔や非難の気持ちを表します。
(10)のように否定文を使うと「~すべきではなかったのに(実際はしてしまった)」という意味になります。ought to の否定形は ought not to という語順になることに注意してください。
〈need not [needn’t] + have + 過去分詞〉
(11) We need not [needn’t] have hurried.
私たちは急ぐ必要はなかったのに。
〈need not [needn’t] + have + 過去分詞〉 は「~する必要はなかったのに(実際はしてしまった)」という意味になり、必要がないことを行ってしまったことに対する後悔や非難の気持ちを表します。
need not have と didn’t need to の違い
didn’t need to は「必要がなかった」という事実のみを述べる表現で、その行為が実際に行われたかどうかはわかりません。
- We need not have hurried.
私たちは急ぐ必要はなかったのに(急いでしまった)。 - We didn’t need to hurry.
私たちは急ぐ必要はなかった。[実際に急いだかどうかは不明]
この2つの表現は混同されがちなので、違いをしっかり理解しておきましょう。また、次のような間違いにも注意しましょう。
× You need not to have hurried.(need not の後に to は不要)
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
問1 次の文を和訳しなさい。
Could they have mistaken you for someone else?
問2 次の文を和訳しなさい。
He couldn’t have seen her yesterday.
問3 次の文を英訳しなさい。
あなたはあんなにたくさん食べるべきではなかった。
問1
彼らがあなたを他の人と間違えた可能性はありますか?
問2
彼が昨日彼女に会ったはずがない。
問3
You should not [shouldn’t] have eaten so much. / You ought not to have eaten so much.
〈助動詞 + have + 過去分詞〉は、過去の事柄に対する考えや気持ちを表すことができる便利な表現です。英会話や英作文で使いこなせるように頑張ってみてください。