助動詞may|コアイメージから派生する意味や用法、使い方を例文・問題付きで解説
may は助動詞の仲間です。
英語では、助動詞を使って話し手の判断や様々な気持ちを表します。
助動詞の基本的なルールについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
may のコアイメージは「~してもよい」と「~かもしれない」
may のコアイメージは「~してもよい」と「~かもしれない」
助動詞 may のコアイメージは、
「~してもよい」と「~かもしれない」
です。
このイメージから派生した用法が、
- 許可
- 推量
- 譲歩
- 祈願
になります。文脈によって may の意味は多様だということがわかります。
以上のことを念頭に、それぞれの用法を確認していきましょう。
may の用法
may の用法
許可
(1) You may come in.
中に入ってよろしい。
(2) You may not come in.
中に入ってはいけません。
(1)の may は
「~してもよい」
という許可の意味を表します。
(2)のように否定文で用いると
「~してはいけない」
という不許可の意味になります。(強く禁止する場合は must not を使います。)
なお、(1)や(2)の may には「権威者による許可・不許可」というニュアンスがあるので、一般には can の方がよく使われます。
can についての詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。
推量
(3) He may [might] be at home.
彼は家にいるかもしれない。
(4) He may [might] not be at home.
彼は家にいないかもしれない。
(3)の may は
「~かもしれない」
という推量の意味を表します。
(4)のように否定文で用いると
「~でないかもしれない」
という否定推量の意味になります。
may はおよそ50%ぐらいの可能性があることを示しますが、might は may よりも控えめなニュアンスで、「ひょっとしたら~かもしれない」という意味になります。
cannot [can’t] による否定推量
否定推量で使われる cannot [can’t] は「~のはずがない」という意味になり、 may not よりも強い否定を表します。
(5) He cannot [can’t] be at home.
彼は家にいるはずがない。
譲歩
譲歩を表す may には、次の2つの用法があります。
1)may ~ but …で「~かもしれないが…」という意味を表す。
2)副詞節内で「たとえ~であっても」という意味を表す。
どちらの用法も、コアイメージの「~かもしれない」から派生したものです。
(6) He may be poor, but he is kind.
彼は貧乏かもしれないが、優しい。
(7) Whatever you may say, I think she is wrong.
たとえあなたが何を言っても、私は彼女が間違っていると思う。
祈願
may が 〈May + S + V〉 という特殊な構文で使われる場合、「S が V しますように」 という祈願の意味になります。
(8) May he live long!
彼が長生きしますように!
(9) May your dream come true!
あなたの夢がかないますように。
may の疑問形
may の疑問形
may を使って「~してもよろしいですか?」と相手の許可を求める場合、〈May I ~?〉 という構文を使います。
なお、これはやや堅苦しい言い方なので、一般には 〈Can I ~?〉 の方がよく使われます。
(10) May I come in?
中に入ってもよろしいですか?
(11) May I use this phone?
この電話を使ってもよろしいですか?
返答としては、
Sure. / No problem. / Certainly. / Why not? / Yes, of course.
など様々な言い方が可能です。
なお、返答に Yes, you may. や No, you may not. を使うと、「権威者による許可・不許可」というニュアンスになるので注意しましょう。
この記事に関連するQ&A
might の使い方
might の使い方
might には、may の過去形として使われる場合と、may の控えめな表現として使われる場合があります。
(12) He said to me that she might be wrong.
彼女が間違っているかもしれない、と彼は私に言った。
(13) He might be at home.
彼はひょっとしたら家にいるかもしれない。
may の過去形としての might は、(12)のように、主節の動詞が過去形のときの従属節内で用いられます。(これを「時制の一致」と言います。)
may の控えめな表現としての might は「ひょっとしたら~かもしれない」という意味を表し、(13)のように、過去ではなく現在の場面で使われます。
過去の推量の表し方
might は「時制の一致」以外では現在の場面で使われます。したがって、「~だったかもしれない / ~したかもしれない」という過去の推量を表すことはできません。
may や might を使って過去の推量を表す場合は、〈may [might] + have + 過去分詞〉 という構文を使います。
(14) He may [might] have lied.
彼はうそをついたのかもしれない。
(15) It may [might] have been the cause of the accident.
それが事故の原因だったかもしれない。
上で述べたように、might は may よりも控えめなニュアンスで、「ひょっとしたら~だったかもしれない」という意味になります。
may / might を用いた慣用表現
may / might を用いた慣用表現
ここでは、may / might を使った慣用表現をいくつか紹介します。
may well
「たぶん~だろう」「~するのも当然だ」という意味の慣用表現です。may 単独よりも確信度の高い推量を意味します。
(16) It may well snow tonight.
今夜はたぶん雪だろう。
(17) You may well be surprised at the news.
あなたがそのニュースを聞いて驚くのも当然だ。
might [may] as well
「~した方がいいのでは」「~でもしようかな」「それも悪くない」などを意味する慣用表現です。
この表現には「してもしなくてもどちらでもいい」というニュアンスが含まれています。
may も使えますが、might の方が好まれます。
(18) You might [may] as well wait for her.
彼女を待った方がいいんじゃないかな。
(19) I might [may] as well go home. I have nothing to do at school.
家に帰ろうかな。学校でやることもないし。
(20) “Shall we go to the movies?” “Might [may] as well.”
「映画を観に行こうか?」「それも悪くないね。」
(20)のように、返答においては主語と動詞がしばしば省略されます。
might [may] as well V₁ as V₂
「V₁するのはV₂するようなものだ」「「V₂するくらいならV₁した方がましだ」という意味の慣用表現です。
(21) I might [may] as well walk from here as wait for the bus for a long time.
長い時間バスを待つくらいならここから歩いたほうがましだ。
(22) You might as well throw money away as lend it to him.
彼にお金を貸すくらいなら捨てた方がましだ。
(22)のように現実性がうすい内容を表す場合、may は使えません。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
問1 次の英文を和訳しなさい。
You might as well die as marry such a person.
問2 次の英文を和訳しなさい。
She might not have known the truth.
問3 次の和文を英訳しなさい。
私は彼が来るかもしれないと思った。
問1
あんな人と結婚するくらいなら死んだほうがましだ。
(解説)
might as well V₁ as V₂ の訳を今一度確認しておきましょう。
問2
ひょっとしたら彼女は真相を知らなかったのかもしれない。
(解説)
〈might not + have + 過去分詞〉で「ひょっとしたら~ではなかったのかもしれない」という意味になります。
問3
I thought he might come.
(解説)
「来るかもしれない」の部分は、時制の一致で might come になります。
might は may の遠回しな言い方です。この場合、過去形は過去のことを表すのではなく、現実との「距離感」を表しています。