助動詞will|意味・用法による使い方の違いから英語表現まで例文・問題付きで解説

will は助動詞の仲間です。

英語では、助動詞を使って話し手の判断や様々な気持ちを表します。

助動詞の基本的なルールについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

will のコアイメージは「~だろう」と「~するつもりだ」

助動詞 will のコアイメージは、
「~だろう」と「~するつもりだ」 です。

このイメージから派生した用法が、

  • 単純未来
  • 意志
  • 強い主張・拒絶
  • 依頼
  • 推量
  • 習性・習慣

になります。文脈によって will の意味は多様だということがわかります。

以上のことを念頭に、それぞれの用法を確認していきましょう。

will の用法

単純未来

(1) It will rain this afternoon.
今日の午後は雨が降るだろう。

(2) Tom will be eighteen next month.
トムは来月で18歳になる。

(1)の will は、話し手による未来の予測を、(2)の will は、時間の経過により自然に起こる事柄を表します。これらの用法は「単純未来」と呼ばれ、日本語では主に「~だろう」と訳されます。

意志

(3) I 'll call you this evening.
今晩あなたに電話します。

(4) I 'll do anything for him.
私は彼のために何でもするつもりだ。

(3)、(4)の will は、話し手の意志を表します。この用法は「意志未来」と呼ばれ、「~する / ~するつもりだ」という意味になります。

なお、単純未来や意志未来に限らず、I、You、He などの代名詞の後では、will の代わりに短縮形の 'll が多く使われます。

強い主張・拒絶

(5) He will have his own way.
彼はどうしても自分のやり方を通そうとする。

(6) This door will not [won’t] open.
このドアはどうしても開かない。

(7) Mary would not [wouldn’t] eat carrots when she was little.
メアリーは小さいころ、どうしてもニンジンを食べようとしなかった。

(5)の will は、「どうしても~しようとする」という強い主張を表します。この場合、will は強く発音され、短縮形にはなりません。

この用法が(6)のように否定文で使われると、「どうしても~しようとしない」という拒絶の意味になります。will の否定文では、will not の代わりに、短縮形の won’t がしばしば使われます。

また(7)のように、will not の過去形の would not [wouldn’t] を用いることで「どうしても~しようとしなかった」という過去における拒絶を表すことができます。

依頼

(8) Will [Would] you open the window? 
窓を開けてくれますか [いただけますか]?

(9) Will [Would] you help me find my keys?
鍵を探すのを手伝ってくれますか [いただけますか]?

(8)、(9)の Will you ~? という構文は「~してくれますか」 という依頼を表します。また、過去形を使った Would you ~? は、Will you ~? よりも丁寧な依頼を表します

なお、助動詞の can / couldwill / would と同じように依頼の場面で使うことができます。依頼の丁寧さの度合いは、Could you ~? > Would you ~? > Can you ~? > Will you ~? の順に低くなります。

実際の会話では、最も丁寧な Could you ~? を使うのが一番無難です。Will you ~? は、上司が部下に用事を頼む場合のように、相手が依頼内容を断らないことがほぼ確実な状況で使われます。

can についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

推量

(10) He will be in Nagoya by now.
彼は今ごろ名古屋にいるだろう。

(11) That would the best solution.
それが一番の解決策だろう。

(10)の will は「おそらく~だろう」という推量を表します。また、(11)の would は、will よりも控えめな推量を表します

なお、will は「推量」の意味を表す類似の語句と比べて、確信度は強めです。一般に、 could < might < may < can < should ≦ ought to < would < will < must の順に確信度が強くなります

習性・習慣

(12) Oil will float on water.
油は水に浮くものだ。

(13) My grandmother will sit staring out of the window for hours.
祖母はよく何時間も座って窓の外を眺めている。

(14) We would often go to the movies on weekends.
私たちは週末によく映画を見に行ったものだ。

(12)の will は「~するものだ」という習性を、(13)の will は「よく~する」という習慣を表します。

また(14)のように、過去形の would を用いることで「よく~したものだ」という過去の習慣を表すことができます。

習慣を表す will / would は、oftensometimes などの頻度を表す副詞をしばしば伴います。

なお、「過去の習慣」は used to を使って表すこともできます。詳しい説明についてはこちらの記事をご覧ください。

will の疑問文

will を使った疑問文は 〈Will + 主語 + 動詞の原形〉 の語順になります。

(15) “Will he be at home this evening?” - “Yes, he will.”
「今晩彼は家にいますか?」「はい、います。」

(16) “Will you go to the meeting?” - “No, I won’t.”
「あなたは会議に出るつもりですか?」「いいえ、出るつもりはありません。」

(17) “Will you pass me the salt?” - “Here you are.”
「塩を取ってくれますか?」「はい、どうぞ。」

(15)は「単純未来」、(16)は「意志未来」、(17)は「依頼」を表す疑問文の例です。

Won’t you〜?(勧誘)

Won’t you〜? という否定疑問文は勧誘の意味を表します。

(18) Won’t you come over to my place tonight?
今晩うちに来ない?

Won’t you ~? は、相手が Yes と答えることを予想している場合に使うので、押しつけがましく聞こえたり、相手を非難しているように響くこともあるので、注意が必要です。

will と be going to の違い

will と同じく未来を表す表現に be going to がありますが、両者には次のような違いがあります。

単純未来の用法において、目に見える原因がある場合は、will ではなく be going to を使います

(19) It’s getting dark. It’s going to rain soon.
暗くなってきたぞ。もうすぐ雨になりそうだ。

意志未来の用法において、その場でなされた決心を表す場合は、be going to ではなく will を使います

(20) OK, OK, I’ll do it later!
わかったわかった、後でやるから!

なお、be going to に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

would を使った定型表現

ここでは、would を使った定型表現をいくつか紹介します。

would like / 'd like

~が欲しい」という意味の定型表現です。want より控えめで丁寧な言い方になります。

(21) I 'd like two tickets.
チケットを2枚欲しいのですが。

(22) “Would you like a cup of coffee?”
“Yes, please.” / “No, thanks.”
「コーヒーを1杯いかがですか?」
「はい、お願いします。」/ 「いいえ、結構です。」

(22)の Would you like ~? は「~はいかがですか?」という意味になり、相手に丁寧に物を勧める際に使用します。

would like to do / 'd like to do

~したい」という意味の定型表現です。do の部分には動詞の原形が入ります。

want to do より控えめで丁寧な言い方になります。

(23) I 'd like to make a reservation.
予約をしたいのですが。

(24) Would you like to come with me?
一緒においでになりますか?

(24)の Would you like to ~? は「~するのはいかがですか?」という意味になり、相手の意向を尋ねたり、何かを勧める際に使用します。

would ['d] rather do ~ (than do …)

(どちらかと言えば)~したい」という意味の定型表現です。than do が続くと「…するよりはむしろ~したい」という意味になります。do の部分には動詞の原形が入ります。

(25) I 'd rather stay home (than go out).
私は(外出するよりも)むしろ家にいたい。

(26) I 'd rather not go out today.
どちらかと言えば今日は外出したくない。

(26)のように would ['d] rather not do とすると「どちらかと言えば~したくない」という意味になります。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

問1 次の文を英訳しなさい。
彼はどうしても私の助言を聞こうとしない。

問2 次の文を英訳しなさい。
日曜日に父はよく私を動物園に連れて行ってくれたものでした。

問3 次の文を和訳しなさい。
I’d rather say nothing than tell a lie.

解答

問1
He will not [won’t] listen to our advice.
(解説)
「拒絶」を表す will not [won’t] を使います。

問2
My father would often take me to the zoo on Sundays.
(解説)過去の習慣を表す would を使います。

問3
私はうそをつくよりは何も言わないでいたい。

will が表すのは未来とは限らない点に注意しましょう。