助動詞shall|意味・用法・訳し方をわかりやすくまとめて例文・問題付きで解説
shall は助動詞の仲間です。
英語では、助動詞を使って話し手の判断や様々な気持ちを表します。
助動詞の基本的なルールについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
shall のコアイメージは「~しましょうか」と「~だろう」
shall のコアイメージは「~しましょうか」と「~だろう」
助動詞 shall のコアイメージは、
「~しましょうか」と「~だろう」
です。
このイメージから派生した用法が、
- 申し出
- 提案
- 単純未来
- 意志
- 義務・命令
になります。文脈によって shall の意味は多様だということがわかります。
以上のことを念頭に、それぞれの用法を確認していきましょう。
この記事に関連するQ&A
shall の用法
shall の用法
申し出
よく使われる shall の用法の一つが「申し出」です。まずは例文を見てみましょう。
(1) “Shall I open the window?”
“Yes, please. / No, thank you.”
「窓を開けましょうか。」
「はい、お願いします。/ いいえ、結構です。」
(1)のように 〈Shall I ~ ?〉 の形で
「(私が)~しましょうか?」
という相手への申し出の意味を表します。
なお、申し出の場面では、次のような表現もよく使われます。上のものほど直接的な言い方になります。
- I’ll [Let me] open the window.
- Can [Could] I open the window (for you)?
- Shall I open the window?
- Do you want me to open the window?
- Would you like me to open the window?
提案
「提案」も shall の頻出用法です。
(2) Shall we go to a movie next Sunday?
次の日曜日に映画に行きませんか?
(2)のように 〈Shall we ~〉 の形で
「(一緒に)~しませんか?」
という相手への提案の意味を表します。
返答は、文法的には “Yes, let’s.” / “No, let’s not.” ですが、使用頻度は高くありません。
提案に応じる場合は、“Sure.” (もちろん)、“That sounds good.” (いいね)、“I’d love to.” (ぜひそうしたいです) などがよく使われます。
断る場合は、“Sorry, but …” などと謝ったり、“That’s a good idea, but …”、“I’d like to, but …” などと同意の気持ちを述べてから断る理由(“I already have plans.” など)を伝えるのが普通です。
なお、提案の場面では、次のような表現もよく使われます。上のものほど直接的な言い方になります。
- Let’s go to a movie.
- How about going to a movie?
- Why don’t we go to a movie?
- Shall we go to a movie?
- Do you want to go to a movie?
- Would you like to go to a movie?
付加疑問の shall we?
“shall we?” は、Let’s … の付加疑問として使うことができます。
(3) Let’s hurry, shall we?
急ごうよ。
なお、アメリカ英語では、くだけたニュアンスの “Let’s” と堅苦しいニュアンスの “shall we?” との組み合わせを避けるために、
“Let’s hurry, okay?”
のように、“okay?” がしばしば使われます。
単純未来
(3) I shall be 20 next month.
私は来月で20歳になる。
(4) We shall be sick if we eat any more.
これ以上食べたら私たちは具合が悪くなるだろう。
(3)の shall は、時間の経過により自然に起こる事柄を、(4)の shall は、話し手による未来の予測を表します。これらの用法は「単純未来」と呼ばれ、日本語では主に「~だろう」と訳されます。
単純未来の shall は、主にイギリス英語の用法で、アメリカ英語では shall の代わりに will が使われます。
意志
(5) I shall be with you as soon as possible.
できるだけ早くあなたのところへ行くつもりです。
(6) I shall inform you if the situation should change.
万が一状況が変わったらお知らせします。
(5)、(6)の shall は、話し手の意志を表します。この用法は「意志未来」と呼ばれ、「~する / ~するつもりだ」という意味になります。
話し手の意志(主語が二人称・三人称の場合)
(7) You shall have a new bicycle.
= I will give you a new bicycle.
あなたに新しい自転車を持たせよう。(= 新しい自転車を買ってあげよう。)
(8) He shall die.
= I will kill him.
彼は死ぬことになるだろう。(= 彼を生かしておけない。)
(7)、(8)の shall も「話し手の意志」を表しますが、このように主語が二人称・三人称の場合は、「~させよう」「~することになるだろう」という意味になります。ニュアンスとしてはかなり古風な感じになります。
意志未来の shall も、主にイギリス英語の用法で、アメリカ英語では shall の代わりに will が使われます。
なお、will についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「意志未来」の shall は、「強い決意」を表すのにも使われます。以下は、この shall を使った有名な言葉です。
- We shall never surrender.
我々は決して降伏しない。(英国の首相チャーチルの言葉) - I shall return.
私は必ず戻ってくる。(米国の元帥マッカーサーの言葉) - We shall overcome.
勝利をわれらに。(政治的抗議運動などで歌われるフォークソングの題名)
義務・命令
(9) All students shall be present at the meeting.
すべての学生はその会議に出席すること。
(10) Passengers shall not converse with the driver while the bus is moving.
乗客は、バスの運行中運転士に話しかけないこと。
(9)の shall は「~しなければならない」「~すること」という義務・命令の意味を表します。
(10)のように、否定形の shall not を使うと「~してはならない」「~しないこと」という意味になります。
これらの表現は聖書によく見られるもので、現在では主に規則や法律文書などで使われます。
(11) You shall love your neighbor as yourself.
あなた自身のようにあなたの隣人を愛さなければならない。(新約聖書の言葉)
shall の過去形 should
shall の過去形 should
文法上、shall の過去形は should とされますが、should が shall の過去形の意味で用いられることはほとんどありません。
should は shall とは全く別の助動詞と考えて構わないでしょう。
なお、should についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
問1 次の英文の空所にあてはまる語句を答えなさい。
“( )go for a drink?” “Yes, let’s.”
1. Will we
2. May we
3. Shall we
4. Must we
問2 次の英文を和訳しなさい。
You shall have my answer tomorrow.
問3 次の英文を和訳しなさい。
The gates shall be locked at 11 p.m.
問1
3. Shall we
(訳)
「飲みに行きませんか?」「はい、行きましょう。」
問2
君には明日返事をしよう。
(解説)
三人称を主語にして話し手の意志を表す用法です。“I will give you my answer tomorrow.” と同じ意味になります。
問3
ゲートは午後11時に施錠のこと。
(解説)
「~すること」という規則を表す用法です。
あなたは “Shall we dance?” と言われたらどのように答えますか?