have toとは|意味や使い方、助動詞mustとの違いや使い分けまで例文で解説

この記事では have to の意味と用法について、豊富な例文を交えて詳しく解説します。また、must との使い分けや、need tohave got to などの類似表現も紹介します。

have to の用法

have to には、「義務・必要」「不必要」「確信」の3つの用法があります。

義務・必要

(1) I have to be home before ten.
私は10時までに家に帰らなければならない。

(2) You have to get a license to drive a car.
車を運転するには免許を取らなければならない。

(1)、(2)の have to は
~しなければならない
という義務・必要を表します。

不必要(否定文の場合)

(3) You don’t have to apologize.
謝る必要はありません。

(4) She doesn’t have to leave before six.
彼女は6時前に出発する必要はない。

義務・必要を表す have to を(3)、(4)のように否定文で用いると、
~する必要はない
という不必要の意味になります。

確信

(5) What he said has to be true.
彼が言ったことは本当に違いない。

(6) You have to be kidding!
冗談でしょう!(= あなたは冗談を言っているに違いない。)

(5)、(6)の have to は
~に違いない
という話し手の確信を表します。

なお、この用法の have to は be動詞(進行形を含む)を伴うのが普通です

否定文の場合

確信を表す have to を否定文で用いると、「~とは限らない」という弱い否定を表します。

(7) What he said doesn’t have to be true.
彼が言ったことは本当とは限らない。

~ではないに違いない」という強い否定を表す場合は、must not を使います。

(8) What he said must not be true.
彼が言ったことは本当ではないに違いない。

また、must not とほぼ同じ意味を can’t [cannot] でも表すことができます。

(9) What he said can’t [cannot] be true.
彼が言ったことは本当のはずがない

(8)の文と(9)の文には、次のような違いがあります。

must not と can't [cannot] の違い

(8)の文は「彼の話が本当でない」という確信を表している。

(9)の文は「彼の話が本当である」という可能性を否定している。

『ウィズダム英和辞典』によると must not を使った場合の話し手の確信度は 95%、can’t [cannot] の場合は 99% とのことです。

have to の疑問形

have to は助動詞 must とよく比較されますが、have to 自体は助動詞ではなく、一般動詞 have を用いた表現です。

そのため、一般動詞と同じように、<Do/Does/Did + 主語 + have to + 動詞の原形〜?>で疑問文を作ることができます。

(10) Do you have to be home before ten?
あなたは10時までに家に帰らなければならないのですか?

-(a) Yes, I do.
はい、そうです。(その必要があります。)

-(b) No, I don’t.
いいえ、違います。(その必要はありません。)

(11) Did she have to quit school and go to work?
彼女は学校をやめて働かなければならなかったのですか?

-(a) Yes, she did.
はい、そうです。(その必要がありました。)

-(b) No, she didn’t.
いいえ、違います。(その必要はありませんでした。)

have to と must

義務確信を表す have to とほぼ同じ意味を表す言葉に must があります。have to と同様に「~しなければならない」「~に違いない」などと訳されます。

(12) I must do my homework.
私は宿題をしなければならない。

(13) Lisa must be John’s girlfriend.
リサはジョンの彼女に違いない。

have to は客観的、must は主観的

have to と must は共に義務や確信を表しますが、have to は「客観的判断による義務や確信」を、must は「主観的判断による義務や確信」を表すという違いがあります。

(14) I have to go on a diet.
私はダイエットしなければならない。
客観的判断(医者の指示など)

(15) I must go on a diet.
私はダイエットしなければならない。
主観的判断

(16) You have to shave every morning.
あなたは毎朝ひげをそらなければならない。
客観的判断(会社の規則など)

(17) You must shave every morning.
あなたは毎朝ひげをそらなければならない。
主観的判断

(18) What he said has to be true.
彼が言ったことは本当に違いない。
客観的判断(客観的な証拠がある)

(19) What he said must be true.
彼が言ったことは本当に違いない。
主観的判断

なお、アメリカ英語では、上で述べた違いを無視して、くだけた話し言葉では have to が、堅い書き言葉では must が使われる傾向があります。

must については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

don’t have to と must not [mustn’t] は意味が異なる

don’t have to「~する必要はない」 という不必要を、must not [mustn’t]「~してはいけない」 という禁止を表します。

意味の違いに注意してください。

(20) You don’t have to wear a skirt.
スカートを着用する必要はありません。(不必要)

(21) You must not wear a skirt.
スカートを着用してはいけません。(禁止)

have to による must の代用

助動詞の must を別の助動詞の後につけることはできないので、助動詞の後では must の代わりに have to を使います。→ 例文(22)

また、must には過去形や過去分詞がないので、過去の事柄を表す場合や、完了形の have/has/had の後では had to を使います。→ 例文(23)(24)

なお、must には時制の一致は適用されないので、過去形の文の従属節内で用いることができます。ただし、この場合も、had to で代用することができます。→ 例文(25)

(22) She will have to make up her mind by tomorrow.
彼女は明日までに決断しなければならないだろう。

(23) I had to do a lot of work yesterday.
私は昨日、多くの仕事をしなければならなかった。

(24) I have had to do a lot of work since I joined this company.
この会社に入って以来、私は多くの仕事をしなければならない。

(25) The doctor said that I must [had to] stop smoking.
医者は私にタバコをやめるように言った。

have to の類似表現

need to

need to は「~する必要がある」という意味を表します。必要性の程度は、have to より強くなります

(26) You need to take a break.
あなたは休憩する必要がある。

(27) We don’t need to hurry.
私たちは急ぐ必要がない。

have got to

have got to は have to の意味を強調した表現で、主に話し言葉で使われます。have の部分はしばしば 've のように省略されます。

この表現は、現在形の肯定文・疑問文で使われ、否定文や過去形、未来形では使われません

(28) I 've got to take the exam.
私はその試験を受けなければならない。

(29) Have you got to take the exam?
あなたはその試験を受けなければなりませんか?

× I haven’t got to take the exam.
× I had got to take the exam.
× I will have got to take the exam.

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

問1 次の文を和訳しなさい。
He doesn’t have to be dead.

問2 次の文を英訳しなさい。
彼女は1週間に80時間も働かなければならなかったのですか?

問3 次の文を英訳しなさい。
この会社に入って以来、彼は毎日ネクタイを着用しなければならない。

解答

問1
彼は死んでいるとは限らない。
(解説)
確信を表す have to を否定文で用いると、「~とは限らない」という意味になります。

問2
Did she have to work eighty hours a week?

問3
He has had to wear a tie every day since he joined this company.
(解説)
「~以来」とあるので完了形を使います。

have to の理解を深めるために、should や had better などの記事も併せてご覧ください。