では式の同値な簡略化を始めましょう。
fμν=∇μAν−∇νAμ=(∂uμ∂Aν−ΓμνσAσ)−(∂uν∂Aμ−ΓνμσAσ)=∂xμ∂Aν−∂xν∂Aμ(1)
同様に,共変微分を計算していけば,
∇σfμν+∇μfνσ+∇νfσμ=∂xσ∂fμν+∂xμ∂fνσ+∂xν∂fσμ(2)
とできます。つまり,Maxwell方程式の前半の式は,一般相対論においても特殊相対論における方程式の形と全く同様の形をとることがわかります。
また,
∇νfμν=∂xν∂fμν+Γνσμfσν+Γνσνfμσ
ここで,Γνσμ=Γσνμ, fσν=−fνσ により,
Γνσμfσν=−Γσνμfνσ∴Γνσμfσν=0
と,→Christoffelの記号における「第2種Christoffelの記号」の節から,式:
Γνμμ=∣g∣1∂uν∂∣g∣ により,
∇νfμν=∂xν∂fμν+∣g∣1∂xσ∂∣g∣fμσ=∣g∣1(∣g∣∂xν∂fμν+∂xν∂∣g∣fμν)=∣g∣1∂xν∂(∣g∣fμν)
よって
∣g∣1∂xν∂(∣g∣fμν)=μ0jμ(3)
これで式 (1),(2),(3) のように,一般相対性理論におけるMaxwell方程式を簡略化することができました。
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