一般相対性理論における固有時 相対性理論 一般相対性理論 更新日時 2021/03/28 ←前の記事 後の記事→ 特殊相対論では,ds2ds^2ds2 がスカラーであるため, ds2=ημνdxμdxν=−c2dτ2 ds^2 = \eta_{\mu\nu}dx^\mu dx^\nu = -c^2 d\tau^2 ds2=ημνdxμdxν=−c2dτ2 という関係がありました。一般座標系 uμu^\muuμ でこれを表すと, dτ2=−1c2ds2=−1c2gμνduμduνdτ=1c−gμνduμduν\begin{aligned} d\tau^2 &= - \dfrac{1}{c^2}ds^2 = - \dfrac{1}{c^2}g_{\mu\nu}du^\mu du^\nu\\ d\tau &= \dfrac{1}{c}\sqrt{-g_{\mu\nu}du^\mu du^\nu} \end{aligned}dτ2dτ=−c21ds2=−c21gμνduμduν=c1−gμνduμduν また, dτdu0=1c−gμνduμduν\begin{aligned} \dfrac{d\tau}{du^0} = \dfrac{1}{c} \sqrt{-g_{\mu\nu}du^\mu du^\nu} \end{aligned}du0dτ=c1−gμνduμduν が成立します。これを特殊な条件のもとではどう書き換えられるか,考えてみます。 目次速度による伸び縮み 重力による伸び縮み この記事に関連するQ&A 1 こんにちは、これどうやって解けますか?僕は3番目の質問を解けませんです。解答用紙を読んだですが、まだ理解できない 2 物理科の方に質問をしたいです。 写真の積分は自明でいいと思いますか?? たしかに微分方程式を解かずしてこの式を立てれるの 3 物理の原子分野のイオン化エネルギーについて分からないことがあります。 「ちょっと一言」のとこの式がわかりません。イメージ 4 2-15´の式を2枚目の写真の式に変形する過程を教えてください 5 こんにちは、これどうやって溶けますか?僕解答用紙を読んだですが、まだ理解できない。 速度による伸び縮み 重力場が存在しないとします。このとき,一般座標系でも gμν=ημνg_{\mu\nu} = \eta_{\mu\nu}gμν=ημν が成立します(重力がないため局所慣性系をとるまでもなく,いたるところが慣性系である)。 dτdu0=1c−ημνduμdu0duνdu0∴dτdt=(du0du0)2−(du1du0)2−(du2du0)2−(du3du0)2=1−∥v∥2c2∴dτ=1−∥v∥2c2dt=1γdt\begin{aligned} \dfrac{d\tau}{du^0} &= \dfrac{1}{c}\sqrt{-\eta_{\mu\nu} \dfrac{du^\mu}{du^0}\dfrac{du^\nu}{du^0}}\\ \therefore \dfrac{d\tau}{dt} &= \sqrt{\left(\dfrac{du^0}{du^0}\right)^2-\left(\dfrac{du^1}{du^0}\right)^2-\left(\dfrac{du^2}{du^0}\right)^2-\left(\dfrac{du^3}{du^0}\right)^2}\\ &= \sqrt{1 - \dfrac{\|\boldsymbol{v}\|^2}{c^2}}\\ \therefore d\tau &= \sqrt{1 - \dfrac{\|\boldsymbol{v}\|^2}{c^2}} dt = \dfrac{1}{\gamma}dt \end{aligned}du0dτ∴dtdτ∴dτ=c1−ημνdu0duμdu0duν=(du0du0)2−(du0du1)2−(du0du2)2−(du0du3)2=1−c2∥v∥2=1−c2∥v∥2dt=γ1dt とできます。固有時の形は,重力場がない空間では特殊相対論と変わりません。一般座標に対して,速さ vvv で動く点の固有時 τ\tauτ は,vvv が 大きくなるほど遅れます。 重力による伸び縮み 次に,速度ではなく,重力による時間ののび縮みを見ます。一般座標系で静止している点,つまり duidu0=0 (i=1,2,3) \dfrac{du^i}{du^0} = 0 ~~~(i = 1,2,3) du0dui=0 (i=1,2,3) を満たす点を考えます。 dτdu0=1c−g00(du0du0)2=1c−g00∴dτ=1c−g00du0=−g00dt\begin{aligned} \dfrac{d\tau}{du^0} &= \dfrac{1}{c}\sqrt{-g_{00}\left(\dfrac{du^0}{du^0}\right)^2} = \dfrac{1}{c}\sqrt{-g_{00}}\\ \therefore d\tau &= \dfrac{1}{c}\sqrt{-g_{00}}du^0 = \sqrt{-g_{00}} dt \end{aligned}du0dτ∴dτ=c1−g00(du0du0)2=c1−g00=c1−g00du0=−g00dt 弱重力場,定常重力場で,速度が十分小さく,無限に遠い点ではMinkowski計量がとれるという条件のもとでは, g00=−1−2ϕc2 g_{00} = -1-\dfrac{2\phi}{c^2} g00=−1−c22ϕ となることを→測地線方程式の節でのちに学びます。これを代入すれば, dτ=1+2ϕc2dt d\tau = \sqrt{1 + \dfrac{2\phi}{c^2}}dt dτ=1+c22ϕdt と書くことができます。 ←前の記事 後の記事→ この記事の編集者でーちー公立地方進学校出身。高校時代は部活動に勤しみ,合間を縫って勉強を進めた。 受験生時代には毎日12時間以上の勉強を続け,東京大学理科一類に現役合格。 大学でも数学・物理を得意とし,情報系の学科に進みつつも,独学で勉強を続けている。 学びTimesでは主に「高校数学の美しい物語」「高校生から味わう理論物理入門」の記事執筆・修正業務に尽力している。 相対性理論 一般相対性理論