特殊相対論における固有時・時空間の伸び縮み
特殊相対性理論における固有時
特殊相対性理論における固有時
時間的領域にある時空点どうしの時間はどのように測るかを考えます。
時空の点を単なる空間の点と区別してイベントと呼ぶことにします。また,イベント同士を結ぶ軌跡を世界線と呼ぶことがあります。
Minkowski空間に慣性系 が設定されていて,イベントの時間的領域にイベントがあるとします。から までかかる時間を考えます。系において,このイベント間の時間はそれぞれ で表され, は一般に異なる値であるから,慣性系によって時間が異なってしまいます。Minkowski空間における距離のような慣性系によらない「時間」をどこかに設定することはできないでしょうか。
ある対象を観測します。 の代わりに, を用いることを考えます。ただし,とは慣性系 における対象物の速度です。 ここで,時間的領域にあるイベントどうしを考えていることから,に注意しましょう。はLorentz変換に対して不変な量であるため, という量もLorentz変換に対して不変な正の量です。これにより「時間」を設定することができそうです。
一般に,時間的領域にある2イベントの時間間隔 を, により定めます。 を固有時といいます。固有時はLorentz変換に対して不変です。
特に系において,対象物の速度 が であるとき, はに一致します。つまり,固有時間とは,を結ぶ世界線に沿って動いた時計で測った時間ということができます。
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時間のおくれ
時間のおくれ
慣性系 において,粒子が速度 で動いているとします。粒子と共に動く,粒子の静止系である慣性系 も考えます。
系は粒子に対して静止しているため,系ではかった時間が,粒子の固有時間 に一致します。つまり, 系における時間を で表すと, が成立します。これを積分すれば,時間間隔について, が成立します。つまり,動いている時計(系での時間)は,静止している時計(系での時間)に比べて,ゆっくり進みます。
空間の伸び
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