4元ベクトル

更新日時 2021/03/28

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相対性理論において,4つの成分をもつ反変ベクトルを4元ベクトルといいます。

例と,なぜその例のベクトルが4元ベクトルになるか議論します。

目次
  • 4元速度

  • 4元加速度

  • 静止質量・4元運動量

4元速度

xμ=(ct,x,y,z)x^\mu = (ct,x,y,z) とします。

τ\tau で微分する」ということを,任意の慣性系SSにおいて tで微分して1v2c2でわること t \text{で微分して} \sqrt{1-\dfrac{\|v\|^2}{c^2}} \text{でわること} と定義します。このもとで,4元速度を, uμ=dxμdτ u^\mu = \dfrac{dx^\mu}{d\tau} と定義します。

さて,Lorentz変換 xμ=xμxμxμ x^{\mu'} = \dfrac{\partial x^{\mu'}}{\partial x^{\mu}}x^\mu が成立します。この両辺を τ\tau で微分すれば, uμ=xμxμuμ u^{\mu'} = \dfrac{\partial x^{\mu'}}{\partial x^{\mu}}u^\mu が成立するので,4元速度は4元ベクトルです。

4元速度について成立する式を紹介します。

→特殊相対論における固有時・時空間の伸び縮みにおける節「特殊相対性理論における固有時」で紹介した式: dτ=1cds2 d\tau = \dfrac{1}{c}\sqrt{-ds^2} により, dτ=1cds2dτ2=1c2(ds2)=1c2ημνdxμdxνc2=ημνuμuν(1)\begin{aligned} d\tau &= \dfrac{1}{c}\sqrt{-ds^2}\\ \therefore d\tau^2 &= \dfrac{1}{c^2}(-ds^2) = -\dfrac{1}{c^2}\eta_{\mu\nu} dx^\mu dx^\nu\\ \therefore -c^2 &= \eta_{\mu\nu} u^\mu u^\nu \tag{1} \end{aligned}

4元加速度

4元ベクトルと同様に,4元加速度を, aμ=duμdτ=d2xμdτ2 a^\mu = \dfrac{du^\mu}{d\tau} = \dfrac{d^2 x^\mu}{d\tau^2} と定義します。これが4元ベクトルであることは4元速度が4元ベクトルであることを証明するのと全く同様に示せます。

4元速度,4元加速度について成立する式を紹介します。

(1)(1)τ\tau で微分して ημνaμuν+ημνuμaν=0ημνuμaν=0\begin{aligned} \eta_{\mu\nu} a^\mu u^\nu + \eta_{\mu\nu} u^\mu a^\nu &= 0\\ \therefore \eta_{\mu\nu} u^\mu a^\nu &= 0 \end{aligned} ημνuμaν\eta_{\mu\nu} u^\mu a^\nu は内積を表すから,4元速度と4元加速度は「直交」します。

静止質量・4元運動量

ある物体に対し静止した系で測ったその物体の慣性質量を静止慣性質量といい,mmで表します。

これを4元速度にかけて, Pμ=muμ P^\mu = mu^\mu とした PμP^\mu4元運動量といいます。

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