ある(1,1)テンソル Aνμ,ある(2,1)テンソル Bβσα を考えます。これらの積 AνμBβσα は(3,2)テンソルであることが容易にわかるので,これを Cνβμσα とおきます。
ここで Cναμσα と Cν′α′μ′σ′α′ には,
Cν′β′μ′σ′α′=∂xμ∂xμ′∂xσ∂xσ′∂xα∂xα′∂xν′∂xν∂xβ′∂xβCνβμσα
より,
Cν′α′μ′σ′α′=∂xμ∂xμ′∂xσ∂xσ′∂xα∂xα′∂xν′∂xν∂xα′∂xβCνβμσα=∂xμ∂xμ′∂xσ∂xσ′∂xν′∂xν∂xα∂xα′∂xα′∂xβCνβμσα=∂xμ∂xμ′∂xσ∂xσ′∂xν′∂xν∂xα∂xβCνβμσα=∂xμ∂xμ′∂xσ∂xσ′∂xν′∂xνδαβCνβμσα=∂xμ∂xμ′∂xσ∂xσ′∂xν′∂xνCναμσα
という関係が成立します。よって Cναμσα は(2,1)テンソルです。
このように上下の添字を同じ文字にして(r,s)テンソルから(r-1,s-1)テンソルを作ることを縮約といいます。また,AνμとBβσαからAνμBβσν を作るというように,(a,b)テンソルと(c,d)テンソルから,(a+c,b+d)テンソルを作り,その上下の添字を同じにする(つまり縮約する)ことで(a+c-1, b+d-1)テンソルを作るという一連の流れを縮合といいます。
縮約と縮合は明確に区別されないことがありますが,当サイトではこのように区別して定義します。