相対論的な速度・加速度の変換則
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速度の変換則
速度の変換則
ある慣性系 における空間上の点 と,その慣性系に対して 軸方向に の速度で並進運動する慣性系 におけるLorentz変換後の点 の関係は以下の通りです。 ここで,系における速度 は, 同様にすれば,
系で の速度を持つ物体は,系では の速度で観測されることになります。
物体はなぜ光の速度を超えられないか?
物体はなぜ光の速度を超えられないか?
上図を参照してください。大物体の上に乗っている観測者 が小物体を速度 で発射します。大物体の速度は です。地面の上に立っている観測者 が小物体を観測します。その速度は でした。
非相対論的に考えれば,単純な速度の足し合わせであるから, となります。 が大きくなるほど, も大きくなり,光の速度も超えうることになります。
相対論的に考えると, これを についてとけば となります。 の極限では, となります。
ここで, という条件のもとでは つまり, のとき となります。つまり, より小さい速度どうしを足しても, 以上になることはできません。
一般に速度は連続関数であり,急に非連続的に増えることはありません。観測者 からみた物体でより一般的な話を考えます。
物体がある瞬間 より小さい の速度で動いているとき,次の瞬間速度は となりますが,どちらも より小さいため 以上の速度になることはできません。よって,いくら加速しても を超えることはできません(最初から を超えている物体の存在は否定できず,そのような存在があるとすると相対論は崩れてしまいますが,現在はそのような存在が確認されていません)。
加速度の変換則
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