赤方偏移・光のドップラー効果
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重力による赤方偏移
重力による赤方偏移
原点に星があって,その星が重力場を作っているとします。つまり,Schwarzschild解が適用できる状況を考えます。 星から だけ離れた静止点 での計量テンソルを , 星から だけ離れた静止点 での計量テンソルを とすると, →一般相対性理論における固有時の節「重力による伸び縮み」における式: により, と表せます。ここで, は一般座標に変換する前の局所慣性系での微小時間間隔であるとします。
一旦,重力場がない場合の光の周期を考えます。星のある場所から,周期 の光を発したとすると, 重力場がなければ, の観測者が計っても, の観測者が計っても周期は となるはずです。
重力場があるときは,周期は それぞれの固有時で計った周期で観測されます。 で観測される周期を, とすれば, よって, で観測される光の振動数を とすると, となります。 なら, となり,波長は より の方が長くなります。これを,重力による赤方偏移と呼びます。
光のDoppler効果
光のDoppler効果
慣性系 で光源が速度 で 方向に動いている状況を考えます。詳しい状況は上図 を参照してください。 の にいる観測者は,光源を観測します。光源は,光源の静止系 において, 秒ごとにフラッシュするとします。 つまり, 間は, の時間間隔があるとします。 でフラッシュした光は傾き1の を通って に達します。 でフラッシュした光は傾き1の を通って に達します。
このとき, 間の時間間隔 を求めることを考えましょう。 これが 系における周期に対応します。
の における座標は より,ローレンツ変換を適用すれば, の における座標は で表せます。よって の座標 で を表すと, これより, は古典的なDoppler効果でもみられた成分ですが, がかかっているのが相対論的な効果であると言えます。
重力による赤方偏移と光のDoppler効果を合わせたものが,実際に観測される赤方偏移となります。