命令文|英語で「〜しなさい」の作り方・使い方から否定や提案の形までまとめて解説

英語の文には、大きく分けて平叙文・疑問文・命令文・感嘆文の4種類があります。更に、それぞれの種類の中に肯定文・否定文を始めとした細かな分類が存在します。

この記事では、文の種類の一つである「命令文」の基本的な部分について例文とともに解説していきます。

他の種類の文についてはこちらの記事で解説しているので、合わせてご覧ください。

命令文とは

命令文とは、相手に命令をしたり行動を求めたりするときに用いる文のことです。相手に直接話しかけるため通常は主語を使いません。

命令文は通常、動詞や Please、Don’t などで始まり、文末にはたいてい “.”(ピリオド・終止符) が置かれます。ただし、感情を込めるときは “!”(感嘆符) が置かれることもあります。

Be careful.
注意しなさい。

Please come in.
どうぞお入りください。

Don’t complain!
文句を言うな!

肯定命令文の作り方

(1) Be quiet.
静かにしなさい。

(2) Open the door.
ドアを開けなさい。

be動詞の肯定命令文は、be動詞を文頭に出し〈Be+….〉の形を作ります。一般動詞の場合は、動詞の原形を文頭に出し〈動詞の原形+….〉の形を作ります。

訳は「〜しなさい」となります。

命令文の主語が明示されることも

命令や依頼の相手をはっきり示したり、いらだちなどの感情を表すときに命令文に You をつけることがあります。このとき You は強く発音されます。

また、相手に呼びかける場合は、相手の名前を命令文の前に置き、カンマ “,” で区切ります

(3) You come here!
君がこちらに来るんだ。

(4) Tom, be quiet.
トム、静かにしなさい。

否定命令文(禁止)の作り方

(5) Do not be late.
遅れてはいけません。

(6) Don’t touch the exhibits.
展示物には触れてはいけません。

否定の命令文は、Don’t [Do not] を文頭に出し〈Don’t+動詞の原形+….〉の形を作ります。

訳は「〜してはいけません」となります。

Never+動詞の原形

Never+動詞の原形+….〉で「決して〜してはいけません」という強い否定の命令文を作ることができます。

(7) Never forget the password.
パスワードを決して忘れてはいけません。

丁寧な命令表現:please の使い方

命令文に please をつけると、肯定文であれば「〜してください」、否定文であれば「〜しないでください」のように命令口調を和らげる表現になります。

(8) Please close the window.
窓を閉めてください。

(9) Please don’t be angry.
怒らないでください。

(10) Don’t be afraid, please.
怖がらないでください。

please の使い方は、1)文頭につける場合、2)文末にカンマ “,” とともにつける場合の二通りがあります。

Let’s を使った勧誘の命令表現

Let’s+動詞の原形〉は「(一緒に)〜しましょう」という勧誘や提案を表す表現になります。また、否定形の〈Let’s not+動詞の原形〉は「〜しないでおきましょう」「~はやめましょう]という意味を表します。

(11) Let’s go fishing. Yes, let’s. / No, let’s not.
魚釣りに行きましょう。 はい、行きましょう。/ いいえ、行かないでおきましょう。

(12) Let’s not fight.
けんかはやめましょう。

答えるときは、通常 Yes, let’s.No, let’s not. を使いますが、OK.Sure.Sorry, I can’t. などと答えることも可能です。

また、〈Let’s+動詞の原形〉は〈Shall we+動詞の原型〉で言い換えることができます。

(13) Let’s go for a walk.
= Shall we go for a walk?
散歩に行きましょう。

Tips Let's は Let us の短縮形

Let’s は Let us の短縮形で、本来は「私たちが〜することを許可して」という意味になります。そこから発展して、提案や勧誘の意味を表すようになりました。

【発展】命令文の形を用いた表現

命令文+and

命令文のあとにカンマ “,” を置き、and を使って肯定的な内容をつなげると「〜しなさい、そうすれば…」という意味の表現になります。

(14) Hurry up, and you will be in time.
急ぎなさい、そうすれば間に合うだろう。

命令文の後に、その行動の結果を示すことで、高圧的な印象を和らげる効果があります。

命令文+or

命令文のあとにカンマ “,” を置き、or を使って否定的な内容をつなげると「〜しなさい、さもなければ…」という意味の表現になります。

(15) Run away, or you’ll die.
逃げなさい、さもなければ死ぬぞ。

この用法は、命令を聞かなかった場合のデメリットを示し、より強く行動を促す効果がありますが、脅迫のように聞こえる恐れもあるので、使う場面には注意が必要です。

付加疑問文

命令文のあとにカンマ “,” を置き、will you? などをつけると、「~してくれますか?」のように命令口調を和らげることができます。

(16) Pass me the salt, will you?
塩をとってくれますか?

(17) Come with me, won’t you?
一緒に来てくれますか?

(18) Don’t forget to come, will you?
忘れないで来てね。

(19) Let’s dance, shall we?
踊りませんか?

肯定の命令文の場合は will you?won’t you? を、否定の命令文の場合は will you? をつけることができます。will は過去形の would でも可能です。

will you? は「依頼」、won’t you? は「勧誘」の意味を表します。

Let’s の場合は shall we? を使うことで、丁寧な依頼の表現になります。

付加疑問文についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

命令の意味のない慣用表現

命令文の形をしているものの、命令の意味を持たない慣用表現は数多く存在します。これらは日常生活でも耳にすることの多い表現です。

ここではその一部を表にして紹介します。

表現 意味 使われる場面
Keep the change. お釣りは結構です。 タクシーなど
Have a good day. 良い一日を。 挨拶
Go ahead. どうぞ。 会話の中で
Sleep tight. ぐっすりお休み。 子供に対して

must による命令文の書き換え

助動詞の must は「〜しなければならない」という意味を持つので、命令文に近い意味の文を作ることができます

(20) Be quiet.
= You must be quiet.

(21) Don’t do that.
= You must not do that.

助動詞 must の使い方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

練習問題

練習問題で定着度を確認しましょう。

練習問題

問1 以下の文を英語に訳しなさい。

(1) 授業中に寝てはいけません。

(2) 飲みに行きませんか? ごめんなさい、行けません。

(3) ジョン、こちらに来なさい。

問2 以下の文を日本語に訳しなさい。

(1) Never stop thinking.

(2) Walk faster, or you’ll miss the bus.

(3) Work hard, and you will pass the exam.

解答

問1 解答は一例です。

(1) Don’t sleep during class.

(2) Let’s go for a drink, shall we? Sorry, I can’t.

(3) John, come here.

問2

(1) 決して考えることをやめてはいけません。

(2) もっと速く歩きなさい、さもなければバスに乗り遅れますよ。

(3) 一生懸命勉強しなさい、そうすれば試験に合格するでしょう。

“Don’t think. Feel! It’s like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all the heavenly glory.”
― Bruce Lee