neverの使い方|notとの意味の違いや時制ごとの使い分けまで例文で詳しく解説
この記事では、否定語の never について解説します。
never は not と ever の両方の意味を含む副詞で、「過去・現在・未来において一度も~ない」という意味を表します。not よりも強い否定を表すと同時に、「頻度」の概念を中に含んでいます。
まずは、never のこの特徴を理解した上で、具体的な用法について見ていきましょう。
never の用法
never の用法
完了形
never を完了形とともに用いると、「一度も~したことがない」という意味になります。
(1) I have never heard such a thing.(経験)
私はそんなことは一度も聞いたことがない。
(2) He said he had never been to Hokkaido.(経験)
彼は北海道には一度も行ったことがないと言った。
(3) I have never seen him for a long time.(継続)
私は長い間一度も彼に会っていない。
完了形には「経験」「継続」「完了」の3つの用法がありますが、「頻度」の意味を持つ never が用いられるのは「経験用法」と「継続用法」に限られます。
「頻度」の概念がなじまない「完了用法」や一部の「継続用法」で never を使うと不自然になります。
(完了)
× I have never finished my homework yet.
〇 I have not finished my homework yet.
(私はまだ宿題を終わらせていない。)
(継続)
× I have never been feeling well since this morning.
〇 I have not been feeling well since this morning.
(私は今朝から気分が良くない。)
なお、「経験用法」の疑問文に never を使って答える場合は、“I never have.” という語順になります。
(4)
“Have you ever been to Hokkaido?”
“No, I never have.”
「北海道に行ったことがありますか?」
「いいえ、一度もありません。」
現在形・過去形・未来形
現在形・過去形・未来形
現在形・過去形・未来形の文における never は、「いつも [一度も、決して] ~しない」という意味を表します。
(5) She is never at home.
彼女はいつも家にいない。
(6) I never wore makeup in college.
私は大学時代に一度も化粧をしたことがなかった。
(7) I’ll never forget you.
あなたのことは決して忘れません。
never と動詞の位置関係は、(5)のような be動詞の文では 〈be動詞 + never〉、(6)のような一般動詞の文では 〈never + 動詞〉、(7)のような助動詞を含む文では 〈助動詞 + never + 動詞〉 となります。
また、上でも述べたように never は「頻度」を表すため、1回限りの行為の否定には使えません。
× She never woke up early this morning.
〇 She didn’t wake up early this morning.
(彼女は今朝早く起きなかった。)
命令・忠告
命令・忠告
命令や忠告に用いられる never は、「決して~するな」「決して~すべきでない」という強い否定を表します。
(8) Never give up.
決してあきらめるな。
(9) You should never tell anyone your password.
パスワードは決して人に教えてはいけません。
(10)
× Never open the window. It’s raining.
〇 Don’t open the window. It’s raining.
窓を開けないで。雨が降っているから。
命令文における never は、(8)のように文頭で使用します。(10)のような1回限りの行為に関しては never を使うことはできません。
倒置
倒置
英文法では、平叙文の語順が疑問文の語順に変わることを「倒置」と呼びます。
never を使った文では、否定の意味を強めるために never を文頭に置くことがあります。その場合、通常の語順が疑問文の語順に変化することになります。
(11) I have never seen such beautiful scenery.
→ Never have I seen such beautiful scenery.
私はこれほど美しい景色を今までに一度も見たことがない。
(12) He never mentioned his private life.
→ Never did he mention his private life.
彼は一度も私生活のことを口にしなかった。
なお、倒置についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
この記事に関連するQ&A
never を用いたフレーズ
never を用いたフレーズ
この項では never を用いたフレーズをいくつか紹介します。
Never mind (~).
Never mind (~). は「(~を)気にするな」という意味の表現です。目的語を伴う場合と伴わない場合があります。
(13) Never mind what people say.
人の言うことなんか気にするな。
(14) Never mind. There’s always next time.
気にするな。次があるさ。
never ever
never ever は never の意味を強調した表現で、主に話し言葉で使われます。
(15) I’ll never ever meet you again.
金輪際あなたとはお会いしません。
Never say die. / Never say never.
Never say die. と Never say never. はともに「あきらめるな」「弱音を吐くな」という意味の決まり文句です。
(16) Come on! Never say die [Never say never]!
頑張れ!あきらめるな!
never fail to ~
never fail to ~ は、「~することを決して怠らない」という本来の意味が転じて、「必ず~する」という肯定的な意味で使われます。
(17) He never fails to brush his teeth after a meal.
彼は食後に必ず歯を磨く。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
問1 次の文のうち誤っているものの番号を記しなさい。
(1) I have never danced.
(2) The show has never started yet.
(3) We never work on Sundays.
(4) I never used your computer yesterday.
(5) Never tell anyone about this.
(6) Never make so much noise. I’m studying.
問2 次の文を指示に従って書き換えなさい。
He never returned to his village.(never を文頭に置く)
問1
誤りは (2)(4)(6)。
(解説)
(2)は「頻度」の概念がなじまない「完了用法」の文なので never は使えません。
(4)と(6)は1回限りの行為について述べているので never は使えません。
問2
Never did he return to his village.
never は sometimes や often、always などの「頻度の副詞」の仲間です。そのため、同じ否定語の not に比べて使える範囲が限られることになります。