第5文型(SVOC)とは|SVO・SVOOとの見分け方や動詞一覧を例文付きで解説

この記事では、英語文法の基礎である5文型のうちのSVOC(第5文型)をテーマに、その意味や構造、使われる主な動詞、SVOやSVOOとの見分け方などについて解説します。

SVOC(第5文型)とは

SVOCとは、端的に言うと「SはOをCにVする」という意味を表す文型のことです。

文型とは、英語の文を構成する要素の並べ方のルールです。

英語の文型についてまだ学習していない方は、以下の記事を先に読んで頂くことをお勧めします。

SVOCの構造

SVOCは第5文型と呼ばれ、S(Subject=主語)、V(Verb=述語動詞)、O(Object=目的語)、C(Complement=補語)から成ります。

SVOCでは、C(補語)が重要な役割を果たします。 補語について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

SVOC(第5文型)では、V(動詞)の後にO(目的語)とC(補語)が来ます。このC(補語)は、O(目的語)の性質や状態を説明します。

このように目的語を説明する補語を目的格補語と呼びます。

C(補語)がO(目的語)を説明しているSVOC(第5文型)の文では、O(目的語)とC(補語)の間に、O=Cの関係が成り立ちます。

以下の例文で、O=Cが成り立っていることを確認してみましょう。

(1) You make me happy.
あなたは幸せにする。

(2) Everyone calls him Lio.
皆がリオと呼ぶ。

(3) People believed the story true.
人々はその話本当だと信じた。

これらの例文では、太字部分がO(目的語)、下線部分がC(補語) です。

(1)では「私(O) = 幸せ(C)」、(2)では「彼(O) = リオ(C)」、(3)では 「その話(O) = 本当(C)」という関係が成り立っていることが分かります。

SVOCで使われる動詞

この項では、SVOC(第5文型)で使われる動詞を、意味ごとのグループに分けて紹介します。

OをCの状態にする

動詞 SVOCで使われるときの意味
make OをCにする
get OをCにする
set OをCにする
paint OをCの状態に塗る

(1) The story made me sad.
その物語は私を悲しくさせた。

(2) He got her angry.
彼は彼女を怒らせた。

(3) The teacher set the blackbord clean.
先生は黒板を綺麗にした。

(4) Tom painted the wall red.
トムは壁を赤色に塗った。

OをCのままにしておく

動詞 SVOCで使われるときの意味
keep OをCの状態にしておく
leave OをCのままにしておく

(1) Drinking water keeps me healthy.
水を飲むことは私を健康に保つ。

(2) Please leave me alone.
私を一人にしてください。(私に構わないで。)

OをCと呼ぶ

動詞 SVOCで使われるときの意味
call OをCと呼ぶ
name OをCと名付ける
elect OをCに選ぶ
appoint OをCに任命する

(1) We call the cat Kiki.
私たちはその猫をキキと呼んでいる。

(2) They named their baby Rachel.
彼らは赤ん坊をレイチェルと名付た。

(3) We elected her mayor*.
私たちは彼女を市長に選んだ。

(4) People appointed him chairperson*.
人々は彼を議長に任命した。

*mayor や chairperson などの「役職」がC(補語)になる場合は、無冠詞になります。

OをCだと思う

動詞 SVOCで使われるときの意味
think OをCだと思う
consider OをCだと思う
find OがCだと分かる
believe OをCだと信じる

(1) We think the teacher cool.
私たちはその先生をかっこいいと思う。

(2) We consider him a kind person.
私たちは彼を優しい人だと思う。

(3) I found the book very difficult.
私はその本がとても難しいと分かった。

(4) I can’t believe it true.
私はそれが本当だと信じられない。

これらの動詞と同じような意味を表す regard, view, see などはSVOCの形はとらず、SVO + as ~ という形で使われるので注意しましょう。

We regard [view, see] him as a genius.
私たちは彼を天才だと思う。

OがCだと感じる(知覚)

動詞 SVOCで使われるときの意味
feel OがCするのを感じる
see OがCするのを見る
hear OがCするのが聞こえる

(1) I felt the blanket slip off.
私は毛布が滑り落ちるのを感じた。

(2) He saw Mike entering the building.
彼はマイクがその建物に入っていくのを見かけた。

(3) I hear the birds singing.
私は鳥たちがさえずっているのが聞こえる。

知覚を表す動詞を用いたSVOCについては、(1)の slip のように C(補語)が動詞の原形になる場合と、(2)の entering、(3)の singing ように動詞のing形(現在分詞)になる場合があります。

C(補語)が動詞の原形の場合は、その動作が完了するまでを意味し、ing形の場合は、その動作が進行中であることを意味します

例えば、

I saw a man cut down a tree.
(私は男性が木を切り倒すのを見た。)

という文は、「木が倒れるまで見ていた」ことを意味しますが、

I saw a man cutting down a tree.
(私は男性が木を切り倒しているのを見た。)

という文は、「見た瞬間、木を切り倒している最中だった」という意味になります。

OにCさせる(使役)

動詞 SVOCで使われるときの意味
make [強制的に]OにCさせる
have [自然(当然)な要求として] OにCさせる、OにCしてもらう
let OがCするのを許可する

これらの動詞は「使役動詞」と呼ばれるものです。使役動詞を用いたSVOCの文では、Cの部分に動詞の原型が置かれ、OとCが主語・述語の関係になります。

(1) My mother made me clean the floor.
母は私に床を掃除させた。

(2) I had my brother wait for ten minutes.
私は兄に10分間待ってもらった。

(3) The teacher let her go to the bathroom.
先生は彼女がトイレに行くのを許可した。

他の文型との違い

SVOCと似た文型に、SVO(第3文型)SVOO(第4文型) があります。

SVOでは、V(動詞)の後にO(目的語)が1つ置かれ、「SはOをVする」という意味になります。

SVOOでは、V(動詞)の後にO(目的語)が2つ置かれ、「SはO(人)にO(物)をVする」「SはO(人)のためにO(物)をVしてやる」といった意味になります。また、2つの目的語O₁、O₂では、O₁≠O₂が成り立ちます。

SVOの例文

I made cookies.
私はクッキーを作った。

She loves her dog.
彼女は彼女の犬を愛している。

SVOOの例文

I gave Tom a present.
私はトムにプレゼントをあげた。

My fahter bought me a new watch.
父は私に新しい腕時計を買ってくれた。

SVO(第3文型)、SVOO(第4文型)についての詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。

SVO、SVOO、SVOCの見分け方

SVO、SVOO、SVOCの見分け方を紹介します。まずは次の例文を見て、どの文型にあたるかを考えてみてください。

(1) I found the cat easily.
私はその猫を簡単に見つけた。

(2) I found the cat a place to live.
私はその猫に住む場所を見つけてあげた。

(3) I found the cat friendly.
私はその猫が人懐っこいと分かった。

いかがでしょうか?

答えは、(1)がSVO、(2)がSVOO、(3)がSVOCです。

見分け方を端的に説明すると、

1.O(目的語)の後に来る要素が修飾語ならSVO

2.SVOでない場合、V(動詞)の後に来る2つの要素が=で結べないならSVOO、=で結べるならSVOC

となります。

上の例文では、I(S:主語)、found(V:動詞)、the cat(O:目的語)が共通しているので、その後の要素に着目します。

(1)では、O(目的語)の後に easily という副詞が来ています。副詞は修飾語に分類されるので、この文はSVOとなります。

なお、修飾語とは、文の主要素(主語、動詞、目的語、補語)をさらに詳しく説明する要素で、多くの場合「副詞」または「前置詞+名詞」が使われます。

(2)では、O(目的語)の後に「a place to live」という名詞句が来ています。「the cat」と「a place to live」は=で結べないので、この文はO₁≠O₂を特徴とするSVOOとなります。

(3)では、O(目的語)の後に、friendly という形容詞が来ています。「the cat」と「friendly」は、「その猫=人懐っこい」という関係にあるので、この文はO=Cを特徴とするSVOC となります。

練習問題

練習問題を解いて定着度を確認しましょう。

練習問題

問1 次の文の目的語と補語を指摘し、文全体を和訳しなさい。

a. I made my father angry.
b. Lucy left the door open.
c. She calls her boyfriend Bob.
d. Everyone considers him the most suitable person.

問2 次の文の文型は、SVO、SVOO、SVOCのうちのどれか?

a. Rachel found the stranger dangerous.
b. I know him well.
c. He saw a deer running.
d. My sister passed me the salt.

問3 次の日本語の意味に合うように、単語を並び替えなさい。

a. 私はその噂が本当だと信じない。
the / I / believe / don’t / true / rumor /.

b. 彼らは修学旅行のための準備が全て整った。
trip / everything / for / they / school / ready / the / got /.

解答

問1

a. 目的語:my father 補語:angry
私は父を怒らせた。

b. 目的語:the door 補語:open
ルーシーはドアを開けたままにした。

c. 目的語:her boyfriend 補語:Bob
彼女はボーイフレンドをボブと呼んでいる。

d. 目的語:him 補語:the most suitable person
皆が彼を最適な人だと考えている。

問2

a. SVOC
訳:レイチェルはその見知らぬ人が危険だと分かった。
目的語 the stranger と その後の dangerous は=で結べるので、O=CよりSVOCと判断する。

b. SVO
訳:私は彼を良く知っている。
目的語の him の後の well は副詞(修飾語) なので、SVOと判断する。

c. SVOC
訳:彼は鹿が走っているのを見かけた。
動詞 saw は知覚動詞。「知覚動詞+目的語+動詞のing形」は、SVOCの一種。

d. SVOO
訳:姉は私に塩をとってくれた。
動詞 passed の後の目的語 me と、その後の the salt は=で結べないので、O₁≠O₂よりSVOOと判断する。

問3

a. I don’t believe the rumor true.

ここではSVOCの形をとる動詞 believe が使われている。believe の後に目的語の the rumor、その後に補語の true という順になる。

b. They got everything ready for the shool trip.

ここではSVOCの形をとる動詞 got が使われている。got の後に目的語の everything、その後に補語の ready という順になる。修飾語(前置詞+名詞)の for the shool trip は文末に置く。

文中の単語数が増えると、意味をとらえるのが難しくなりますが、その際に役に立つのが文型の知識です。目的語、補語、修飾語などの要素を把握できれば、ややこしい文でも正しく訳せるようになります。