現在形とは|英語の現在形の意味、疑問文や否定文の作り方を例文付きで基礎から解説
この記事では、英文法の基礎となる現在形の意味や用法、疑問文・否定文の作り方などについて豊富な例文を交えて解説します。
そもそも時制とは?
そもそも時制とは?
現在形の話に入る前に、まず「時制」について説明します。
時制とは、動詞が示す「時間」のことで、過去時制、現在時制、未来時制の3種類があります。
英語では、動詞を変化させたり、動詞に助動詞をつけることで時制を表します。
1.過去時制(動詞の過去形を使う)
I ate bread yesterday.
私は昨日パンを食べた。
2.現在時制(動詞の現在形を使う)
I eat bread every day.
私は毎日パンを食べる。
3.未来時制(動詞に未来を表す助動詞 will をつける)
I will eat bread tomorrow.
私は明日パンを食べるつもりだ。
過去・現在・未来などの時制を学ぶ上で、各時制がどの範囲の時間を表すのかを感覚的に理解することはとても重要です。
この場合、各時制が表す範囲を図で示すと、理解がしやすくなります。
本サイトでは、時制が表す範囲を上のような矢印を使って説明しますので、皆さんの理解の助けになるはずです。
現在形とは
現在形とは
現在形とは、現在時制を示す動詞の形のことで、現在の状態、現在の習慣、不変の事実などを表します。
ここで注意していただきたいのは、現在形は今この瞬間を表すのではなく、ある程度時間の幅を持った「現在」を表すいうことです。
このことを頭におきながら、現在形が表す意味を学んでいきましょう。
現在形の意味① 現在の状態
現在形の意味① 現在の状態
現在形には、「(現在)~である」という現在の状態を表す用法があります。この場合に使われる動詞は状態動詞と呼ばれ、過去から未来まである程度時間の幅を持った「現在」における状態を表します。
例文をいくつか見てみましょう。太字は、状態動詞の現在形を示します。
(1) I belong to the baseball team.
私はその野球チームに所属している。
(2) He knows a lot of proverbs.
彼は多くのことわざを知っている。
(3) I love her.
私は彼女を愛している。
これらの例から、現在形が、今この瞬間ではなく、ある程度の幅を持った「現在」の状態を表していることが分かります。
なお、現在時制の文では、主語が三人称単数の場合、動詞に s や es をつけます。この s (es) は 「三単現の s」 と呼ばれ、(2)の文の know につけられた s がそれに当たります。
「三単現の s」は、英作文や英会話でのつけ忘れが非常に多いので、現在形の動詞を使うときは常に注意するようにしましょう。
状態動詞と動作動詞
ここで、状態動詞と動作動詞について簡単に説明しておきましょう。
上で述べたように、状態動詞とは、ある一定期間継続する状態を表す動詞のことです。be動詞は代表的な状態動詞です。
一方、動作動詞とは、その名の通り動作や行為を表す動詞のことです。一般動詞の大部分は動作動詞となります。
状態動詞と動作動詞の詳しい説明についてはこちらの記事をご覧ください。
現在形の意味② 現在の習慣
現在形の意味② 現在の習慣
動作動詞の現在形は、現在の習慣を表します。「現在の習慣」とは、「現在を中心として過去から未来にわたって繰り返される動作」 のことです。
現在形がこの意味で用いられる場合は、頻度を表す副詞と併用されることが多いので、覚えておきましょう。
- always: いつも
- usually: 普段は
- often: よく
- sometimes: 時々
- seldom/rarely: めったに~ない
例文を確認してみましょう。太字は、動作動詞の現在形、下線は頻度を表す副詞を示します。
He usually gets up at 6:00.
彼は普段6時に起きる。
I always go to school by bus.
私はいつもバスで学校へ行く。
She sometimes studies English in the library.
彼女は時々図書館で英語を勉強する。
これらの例から、現在形が、ある程度の幅を持った「現在」の習慣を表していることが分かります。
現在形の意味③ 不変の事実や真理
現在形の意味③ 不変の事実や真理
現在形には、過去・現在・未来を通じて変わらない事実や真理を表す用法もあります。
例文を見てみましょう。
Time is money.
時は金なり。
The sun sets in the west.
太陽は西に沈む。
Water consists of hydrogen and oxygen.
水は水素と酸素から成る。
このように、時間にかかわらず成り立つ事実や真理は、常に現在形で表します。
現在形の否定文
現在形の否定文
ここでは、現在形の肯定文を否定文にする方法を説明します。
現在形 be動詞の否定文
be動詞を用いた肯定文の場合、be動詞の後にnotをつけることで否定文となります。
なお、is not や are not はそれぞれ isn’t、aren’t のように省略することができますが、am not は省略できません。
He isn’t sick.
彼は病気ではない。
They aren’t students.
彼らは学生ではない。
現在形 一般動詞の否定文
一般動詞を用いた肯定文では、動詞の前にdo not(主語が三人称単数の場合はdoes not)をつけ、その動詞を原型にすることで否定文となります。
なお、do not、does not はそれぞれ don’t、doesn’t のように省略することができます。
I don’t like sports.
私はスポーツが好きではない。
He doesn’t have any brothers.
彼は兄弟が一人もいない。
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現在形の疑問文
現在形の疑問文
ここでは、現在形の肯定文を疑問文にする方法を説明します。
現在形 be動詞の疑問文
be動詞を用いた肯定文の場合、be動詞を主語の前に出すことで疑問文となります。
この疑問文に対しての返答は、Yes, I am. / No, I’m not. のようになります。
“Is Tom sick?” “Yes, he is.”
「トムは病気ですか?」「はい、そうです。」
“Are Jill and Mike high school students?” “No, they aren’t”
「ジルとマイクは高校生ですか?」「いいえ、違います。」
現在形 一般動詞の疑問文
一般動詞を用いた肯定文は、主語の前にDo(主語が三人称単数の場合はDoes)をつけることで疑問文になります。また、否定文と同様に元の動詞は原型になります。
この疑問文に対しての返答は、Yes, he does. / No, he doesn’t. のようになります。
“Do you like sushi?” “Yes, I do.”
「あなたは寿司が好きですか?」「はい、好きです。」
“Does Mary have a younger sister?” “No, she doesn’t.”
「メアリーは妹がいますか?」「いいえ、いません。」
【発展】 時や条件を表す副詞節
【発展】 時や条件を表す副詞節
現在形の用法として覚えておかなければならないことがもう一つあります。
それは、if節やwhen節などの時や条件を表す副詞節の中では、未来の内容を現在形で表すということです。
このような副詞節の中では、その内容が実際に起こることが前提とされるため、たとえ未来のことであっても、現在形で表すのです。
実際に例文で確認してみましょう。
(1) If it rains, take in the laundry.
雨が降ったら、洗濯物を取り込んでおいて。
(2) When I get home, I will study English.
家に帰ったら、英語の勉強をする。
(1)では「雨が降ること」が、(2)では「家に帰ること」が話の前提になっています。このような場合は、たとえ未来のことであっても、現在形で表します。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
次の文を英語に訳しなさい。
- 彼女は毎週母親を訪ねている。
- 地球は太陽の周りを回っている。
- 明日が晴れなら泳ぎに行こう。
-
She visits her mother every week.
現在形の visits を使って現在の習慣を表す。 -
The earth goes around the sun.
現在形の goes を使って不変の事実を表す。 -
If it is fine tomorrow, let’s go swimming.
条件を表す副詞節内では、未来の内容を現在形で表す。
現在形は「今この瞬間」を表すと誤解している人が多くいます。現在形が表す「現在」は、過去から未来まである程度時間の幅を持ったものであることを改めて確認してください。