英語の第3文型(SVO)|文の作り方や動詞一覧、SVCとの見分け方まで徹底解説

この記事では、英語文法の基礎である5文型のうちのSVO(第3文型)をテーマに、その意味や構造、使われる主な動詞、形が似ているSVC(第2文型)との見分け方などについて詳しく説明します。

SVO(第3文型)とは

SVO(第3文型)とは、端的に言うと「SはOをVする」という意味を表す文型のことです。

文型についてまだ学習していない方は、まず以下の「英語5文型まとめ」の記事をご覧ください。

SVOの構造

SVOは第3文型と呼ばれ、「主語(S)+述語動詞(V)+目的語(O)」から成ります。

SVOでは動詞(V)の後ろに目的語(O)が来ます。目的語には名詞代名詞to不定詞動名詞名詞句名詞節が含まれます。

後ろに目的語を必要とする動詞を 「他動詞」 と呼びます。したがって、SVOで使われる動詞は必ず他動詞となります。

他動詞について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

以下のSVOの例文を見て、「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」の構造になっていることを確認してみましょう。主語を斜体、動詞を下線、目的語を太字で表しています。

(1) I love you.
私はあなたを愛している。

(2) I received email from him.
私は彼からメールを受け取った。

(3) I want something to drink.
私は何か飲むものが欲しい。

(4) Nick made cookies for his sister.
ニックは妹のためにクッキーを作った。

(5) Mary speaks German well.
メアリーは上手にドイツ語を話す。

(6) I want to be a doctor.
私は医者になりたい。

(2)、(4)、(5)の例文には、主語、動詞、目的語のどれでもない部分があります。これらは修飾語(M) と呼ばれ、文型の要素(S, V, O, C)には含まれません。修飾語は、文をより詳しく説明するために付け加えられるもので、多くの場合「副詞」や「前置詞+名詞」が使われます

修飾語がなくても文は成立しますが、他の要素が欠けると文は成立しません。

第3文型で使う動詞一覧と例文

上で述べたように、SVO(第3文型)で使われる動詞は全て他動詞です。ここでは、SVOで使われる主な動詞を一覧にしたので是非覚えて、自分でも例文を作ってみてください。

動詞 意味
allow 許可する
ask 尋ねる
begin 始める
bring 持ってくる
buy 買う
catch 捕まえる
drink 飲む
eat 食べる
enjoy 楽しむ
give 与える
have 持つ
know 知っている
like 好きである
learn 学ぶ
love 愛する
make 作る
marry 結婚する
meet 会う
need 必要とする
open 開ける
play 遊ぶ、(スポーツを)する、(楽器を)演奏する
put 置く
read 読む
say 言う
sing 歌う
speak 話す
start 始める
study 勉強する
tell 伝える
use 使う
visit 訪れる
want 欲しい

主語:斜体、動詞:下線、目的語:太字

(1) I asked him about his job.
私は彼に職業について尋ねた。

(2) Bob likes to play soccer.
ボブはサッカーをするのが好きだ。

(3) I know who is the criminal.
私は誰が犯人か知っている。

(4) Sally loves cooking.
サリーは料理が大好きだ。

(5) Every classmate except me speaks English.
私以外の全クラスメイトは英語を話す。

(6) I met one of the richest men in Japan yesterday.
私は昨日、日本屈指のお金持ちの一人と会った。

(7) They visited Kyoko on a school trip.
彼らは修学旅行で京都に訪れた。

第3文型で目的語となる要素

目的語は動詞が表す動作・行為の対象となるため、基本的に名詞代名詞が使われますが、それに加えて名詞的な扱われ方をする to不定詞、動名詞、名詞句、名詞節なども目的語となることができます。

形容詞や副詞など、名詞的な扱われ方をしない要素は目的語になれないので注意しましょう。

名詞・代名詞

名詞とは「人、動物、物、事、概念などを表す品詞」で、代名詞は「名詞の代わりをする品詞」です。名詞と代名詞は目的語として頻繁に使われます。

(1) I ate an egg.
私は卵を食べた。

(2) Emma likes him.
エマは彼が好きだ。

(1)では動詞「ate」の目的語に「an egg」という名詞が来ています。(2)では動詞「likes」の目的語に「him」という代名詞が来ています。

to不定詞の名詞的用法

to不定詞とは、「to+動詞の原形」という形で、名詞的・形容詞的・副詞的な働きをするものを言います。

  • 名詞的用法:~すること
  • 形容詞的用法:~するための
  • 副詞的用法:~するために

この中で「~すること」を意味する名詞的用法は名詞的な働きをするので目的語になることができます。

(1) John likes to play baseball.
ジョンは野球をすることが好きだ。

(2) Olivia decided to go to the hospital.
オリビアは病院へ行くことを決めた。

(1)では動詞「likes」の目的語に「to play」、(2)では動詞「decided」の目的語に「to go」という名詞的用法のto不定詞が来ています。

to不定詞の名詞的用法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

動名詞

動名詞とは、動詞の原形の語尾に「ing」を付けたもので、「~すること」という意味を表します。動名詞は名詞的に扱われるため、目的語になることができます。

(1) I like playing soccer.
私はサッカーをすることが好きだ。

(2) I finished studying English.
私は英語の勉強を終えた。

(1)では動詞「like」の目的語に「playing」、(2)では動詞「finished」の目的語に「studying」という動名詞が来ています。

動名詞についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

名詞句・名詞節(that節など)

句とは、2語以上からなる単語のまとまりのうち「主語+動詞」の形を含まないもので、節とは、2語以上からなる単語のまとまりのうち「主語+動詞」の形を含むもののことです。名詞の働きをする句を名詞句、名詞の働きをする節を名詞節と呼びます。

名詞句には、先ほど紹介したto不定詞句や動名詞句も含まれます。to不定詞を含む句では、「疑問詞+to不定詞」も目的語としてよく使われます。例としては、「what to do(何をするか)」、「where to go(どこへ行くか)」、「how to use(どのように使うか)」などがあります。

名詞節では、that節if節whether節間接疑問文などが目的語としてよく使われます。

(1) Eveyone knows that he is a son of a noble family.
彼が御曹司だということはすべての人が知っている。

(2) I wonder if it is true.
それは本当なのかしら。(私はそれが本当かどうか不思議に思う。)

(3) You have to decide whether you will follow me.
あなたは私についてくるかどうか決めなければならない。

(4) No one knows why Sophia is absent.
ソフィアがなぜ欠席しているのか誰も知らない。

上の例文の目的語はそれぞれ、(1)がthat節、(2)がif節、(3)がwhether節、(4)が間接疑問文です。

句と節について詳しく学びたい方は以下の記事を参考にしてください。

SVC(第2文型)との違い、見分け方

SVO(第3文型)と似た文型に、SVC(第2文型) があります。

SVCは、主語(S)、動詞(V)、補語(C)から成り、日本語では、「SはCである」「SはCになる」という意味になります。

SVC(第2文型)についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

SVCとの違い

SVO(第3文型)とSVC(第2文型)の違いは、動詞(V)の後に目的語(O)が来るか補語(C)が来るかです。

補語とは、「主語や目的語を補って、その性質や状態を説明する語」 を言います。SVCにおいては、補語は主語の説明をしています。そのため、SVCでは主語(S)と補語(C)を=(イコール)関係で結ぶことができます(S=C)

SVC(第2文型)の構造を例文を見て確認してみましょう。

主語:下線、補語:太字

(1) I am a college student.
私は大学生だ。

(2) She looks happy.
彼女は幸せそうに見える。

(3) They keep silent.
彼らは黙り続けている。

(4) Misaki became an English teacher.
ミサキは英語教師になった。

これらの例文を見ると、S=Cの関係が成り立っていることが分かります。

一つひとつ確認してみると、(1)では「I=a college student」、 (2)では「She=happy」、(3)では「They=silent」、(4)では「Misaki=an English teacher」という関係になっています。

SVCとSVOの見分け方

SVC(第2文型)とSVO(第3文型)を見分ける方法は、「動詞の後の単語が主語と=で結べればSVC(第2文型)、=で結べなければSVO(第3文型)」です。

例文を見て実際に判別してみましょう。

(1) I asked my father about his profession.
私は父に彼の職業について尋ねた。

(2) Michael became a lawyer.
マイケルは弁護士になった。

(1)では、主語は「I」で動詞の後の単語は「my father」です。もちろん「I」と「my father」は=で結ぶことができないので、この文はSVO(第3文型)だと分かります。

(2)では、主語は「Michael」で動詞の後の単語は「a lawyer」です。「Michael=a lawyer」が成り立つので、この文は、S=Cを特徴とするSVC(第2文型)だと分かります。

練習問題

問1 次の文章の主語、動詞、目的語を示しなさい。

(1) I know who broke the window.

(2) We enjoyed swimming in the river.

(3) He forgot to turn out the light.

問2 次の文がSVC(第2文型)であるか、SVO(第3文型)であるか答えなさい。

(1) John bought a new smartphone for his brother.
ジョンは弟のために新しいスマートフォンを買ってあげた。

(2) Peter felt bad while riding on the bus.
ピーターはバスの中で気分が悪くなった。

(3) Harry put his books on the table.
ハリーはテーブルの上に本を置いた。

問3 次の文を和訳しなさい。

(1) You need a break from your work.

(2) Josh is going to marry Mary.

(3) He started talking about his future an hour ago.

解答

問1

(1)主語:I 動詞:know 目的語:who broke the window(間接疑問文)
訳:私は誰が窓を割ったか知っている。

(2)主語:We 動詞:enjoyed 目的語:swimming(動名詞)
訳:私たちは川で水泳を楽しんだ。

(3)主語:He 動詞:forgot 目的語:to turn out the light(to不定詞句)
訳:彼は明かりを消すことを忘れた。

問2

(1)SVO(第3文型)
動詞の後の単語「a new smartphone」は、主語の「John」と=で結べない。したがって「a new smartphone」は動詞「bought」の目的語。

(2)SVC(第2文型)
動詞の後の単語「bad」は、主語「Peter」の状態を表しており、両者は=で結ぶことができる。

(3)SVO(第3文型)
動詞の後の単語「his books」は、主語「Harry」と=で結べない。したがって「his books」は動詞「put」の目的語。

問3

(1)あなたは仕事を一休みする必要がある。

(2)ジョシュはメアリーと結婚する予定だ。

(3)彼は一時間前に自分の将来について話し始めた。

第3文型は主語+動詞+目的語という頻出の文型です。目的語部分には様々なものが入り、その部分が長くなると文章の構造も複雑になり、理解が難しくなります。文型をしっかり学んで、どこからどこまでが目的語なのかを判別できるようになりましょう。