英語の句と節とは|共通点と相違点から名詞・副詞・形容詞の役割としての使い方も解説
英語の教科書や参考書で必ず目にする文の構成要素、語・句・節。
しかし、特に2語以上のまとまりである句と節に関しては混同して正しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな句と節について、共通点や違いから具体的な用法まで例文付きで解説していきます。
句と節の違い
句と節の違い
【確認】そもそも句や節をつくる「語」とは
句と節を理解する前に、まずはより基本的な概念である「語」について確認しましょう。語は単語とも呼ばれ、文を構成する最小単位です。英語の単語は、その働きによって次の10種類の品詞に分類されます。
英語の品詞:名詞、冠詞、代名詞、形容詞、副詞、動詞、助動詞、前置詞、接続詞、間投詞
(1) The old man said to himself, "Ah, if only I could fly!"
その老人は「ああ、空が飛べればなあ」と独りつぶやいた。
この例文の場合、名詞が man、冠詞が The、代名詞が himself と I、形容詞が old、副詞が only、動詞が said と fly、助動詞が could、前置詞が to、接続詞が if、間投詞が Ah になります。
これらの語が集まって句や節を作り、それがさらに集まって文を構成しています。
なお、高校英文法の羅針盤では、各品詞について詳しく解説した記事も用意しています。
句と節の違いは〈主語+動詞〉の有無
句と節はどちらも2つ以上の語によって構成されて意味を成すかたまりであり、文の中で名詞・形容詞・副詞と同じような役割をする点で共通しています。
それに対して、句と節の明確な違いは〈主語+動詞〉の構造を含むかどうかです。〈主語+動詞〉の構造を含まないものを句、含むものを節といいます。
(2) I will call you before noon.【副詞句】
お昼前にあなたに電話します。
(3) I will call you before I leave the office.【副詞節】
会社を出る前にあなたに電話します。
(2)は〈主語+動詞〉の構造を含まないので句、(3)は〈I+leave〉が〈主語+動詞〉の構造になっているので節です。
この記事に関連するQ&A
句の種類と使い方
句の種類と使い方
句は文章中でどのような役割を担うかによって、名詞句・形容詞句・副詞句の3つに分類されます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
名詞句
名詞句は文中で名詞の働きをするかたまりのうち、〈主語+動詞〉の構造を含まないもののことです。文の中で主語・補語・動詞の目的語・前置詞の目的語になります。
名詞句には
- 冠詞+名詞
- 形容詞+名詞
- 不定詞の名詞的用法
- 動名詞
- 形容詞句を伴う名詞や代名詞
などがあります。
(4) The sun rises in the east.
太陽は東から昇る。
(5) This is the oldest building in Japan.
これは日本で最も古い建物だ。
(6) She wants to visit Italy.
彼女はイタリアを訪れたいと思っている。
(7) Listening to music is fun.
音楽鑑賞は楽しい。
(8) The girl running over there is my sister.
あそこを走っている少女は私の妹だ。
(4)の例文では〈冠詞+名詞〉の形が主語になっています。
(5)の例文では〈形容詞+名詞〉の形が補語になっています。
(6)の例文では〈不定詞の名詞的用法〉の形が wants の目的語になっています。
(7)の例文では〈動名詞〉の形が主語になっています。
(8)の例文では〈形容詞句を伴う名詞〉の形が主語になっています。なお、形容詞句に関しては次の見出しで説明しています。
(6)の「不定詞の名詞的用法」について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
形容詞句
形容詞句は文中で形容詞の働きをするかたまりのうち、〈主語+動詞〉の構造を含まないもののことです。文の中で名詞・代名詞を後ろから修飾します。
形容詞句には
- 前置詞+名詞
- 不定詞の形容詞的用法
- 分詞
があります。
(9) The girls in the park are playing soccer.
公園にいる少女たちがサッカーをしている。
(10) I have a lot of things to do.
私はやるべきことがたくさんある。
(11) I read a story written in English.
私は英語で書かれた物語を読んだ。
(9)の例文では〈前置詞+名詞〉が girl を修飾しています。
(10)の例文では〈不定詞の形容詞的用法〉が things を修飾しています。
(11)の例文では〈分詞〉が story を修飾しています。
「不定詞の形容詞的用法」と「分詞」について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
副詞句
副詞句は文中で副詞の働きをするかたまりのうち、〈主語+動詞〉の構造を含まないもののことです。文の中で動詞などを修飾します。
副詞句には
- 前置詞+名詞
- 不定詞の副詞的用法
- 分詞構文
があります。
(12) We had dinner at the restaurant.
私たちはそのレストランで夕食を食べた。
(13) I went to the beach to swim.
私は泳ぐためにビーチに行った。
(14) Seeing a police officer, she ran away.
警察官を見て、彼女は逃走した。
(12)の例文では〈前置詞+名詞〉が had dinner を修飾しています。
(13)の例文では〈不定詞の副詞的用法〉が went to the beach を修飾しています。
(14)の例文は〈分詞構文〉です。Seeing a police officer の部分が、she ran away を修飾しています。
「不定詞の副詞詞的用法」と「分詞構文」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
節の種類と使い方
節の種類と使い方
節は句と同様に、文中の役割によって名詞節・形容詞節・副詞節に分類されます。
名詞節
名詞節は文中で名詞の働きをするかたまりのうち、〈主語+動詞〉の構造を含むもののことです。文の中で主語・補語・動詞の目的語・前置詞の目的語になります。
名詞節には
- that節
- whether [if] 節
- 間接疑問
- what節
などがあります。
(15) I think that he is rich.
私は彼が金持ちだと思う。
(16) I don’t know whether [if] John will come.
私はジョンが来るかどうか知らない。
(17) Do you know who she is?
あなたは彼女が誰か知っていますか?
(18) What is important is not to give up.
大切なことは諦めないことだ。
(15)では〈that節〉が think の目的語になっています。
(16)では〈whether [if] 節〉が know の目的語になっています。
(17)では〈whoで始まる間接疑問〉が know の目的語になっています。
(18)では〈what節〉が主語になっています。
形容詞節
形容詞節は文中で形容詞の働きをするかたまりのうち、〈主語+動詞〉の構造を含むもののことです。文の中で名詞・代名詞を後ろから修飾します。
形容詞節は
- 関係代名詞
- 関係副詞
の2つによって作られます。
(19) I have a friend who lives in Kyoto.
私には京都に住んでいる友人がいる。
(20) This is the company where my father works.
これが私の父が働いている会社です。
(19)では〈関係代名詞 who で始まる形容詞節〉が friend を修飾しています。
(20)では〈関係副詞 where で始まる形容詞節〉が date を修飾しています。
副詞節
副詞節は文中で副詞の働きをするかたまりのうち、〈主語+動詞〉の構造を含むもののことです。文の中で動詞などを修飾します。
副詞節は、
- 時を表す接続詞
- 条件を表す接続詞
の2つによって作られます。
(21) When it started to snow, I was at home.
雪が降り始めたとき、私は家にいた。
(22) She had lunch after she cleaned her room.
彼女は部屋を片付けた後で昼食をとった。
(23) Please call me if you can come.
もし来れるなら私に電話してください。
(24) Don’t go out unless it’s absolutley necessary.
絶対に必要でない限り外出してはいけません。
(21)では〈時を表す接続詞 when で始まる副詞節〉が I was at home を修飾しています。
(22)では〈時を表す接続詞 after で始まる副詞節〉が She had lunch を修飾しています。
(23)では〈条件を表す接続詞 if で始まる副詞節〉が Please call me を修飾しています。
(24)では〈条件を表す接続詞 unless で始まる副詞節〉が Don’t go out を修飾しています。
主節と従属節
節には主節と従属節という区分けがあります。主節は文の中心となる節で、従属節は主節を補足するために付随する節のことです。
名詞節・形容詞節・副詞節に分けられるのは従属節です。
下の例では主節と従属節を色分けしています。
(25) I thinkthat she is right.【名詞節】
私は彼女が正しいと思う。
(26) There’s no onewho can play the piano.【形容詞節】
ピアノを弾ける人は一人もいない。
(27)If it’s fine tomorrow,we’ll go fishing.【副詞節】
もし明日晴れたら、私たちは釣りに行く。
等位節とは、主節と従属節のように重要性の上下関係がなく対等に繋がれた節のことです。主に等位接続詞で繋がれます。
例)You can come with us or (you can) stay here.
私たちと一緒に来てもいいし、ここにいてもいいよ。
等位接続詞についてはこちらで詳しく解説しています。
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練習問題
練習問題
練習問題で定着度を確認しましょう。
問1 次の文章の下線部が句か節かを答えなさい。
(1) My hobby is drawing pictures.
(2) I moved to Osaka when I was eight.
(3) We got home at eleven o’clock.
問2 次の文を日本語に訳しなさい。
(1) Looking into the room, I found nobody there.
(2) Do you know if Ken is at home?
(3) I’ll ask Tom about it as soon as he arrives.
問1
下線部のかたまりに〈主語+動詞〉が含まれるかどうかを考える。
(1) 句(名詞句:補語)
(2) 節(副詞節)
(3) 句(副詞句)
問2
(1) 部屋をのぞいてみたら誰もいなかった。
(2) ケンが家にいるかどうか知っていますか?
(3) トムが到着したらすぐにそのことを尋ねるつもりです。
句と節の違いは早めに覚えておかないと英語の学習上の妨げになるので、ここで理解してしまおう!例えば「この形容詞節が〜にかかっていて」のように解説されたときに「形容詞節」の意味が分からないと困ってしまうよね。