to不定詞の形容詞的用法とは|分類や他の用法との見分け方まで例文付きで徹底解説

英語の重要な文法事項の一つに「to不定詞」があります。

to不定詞とは〈to + 動詞の原形〉という形をとる句のことで、動詞の性質を残しながら名詞・形容詞・副詞のいずれかの働きをします

この記事では、to不定詞の用法の一つである形容詞的用法について説明していきます。

to不定詞の名詞的用法、副詞的用法についてはこちらの記事をご覧ください。

to不定詞の形容詞的用法とは

to不定詞が文中で形容詞の働きをして直前の名詞・代名詞を修飾する用法を「to不定詞の形容詞的用法」と呼びます。日本語では「~するための」「~すべき」という意味になります。

修飾される名詞・代名詞がto不定詞の主語の働きをする場合

to不定詞の形容詞的用法では、修飾される名詞・代名詞がto不定詞の主語の働きをする場合があります。

(1) Is there someone to fix my car?
私の車を直してくれる人はいますか?

(2) He was the first person to walk on the moon.
彼は月面を歩いた最初の人間だった。

(1)の to fix my car は、直前の代名詞 someone を修飾しています。この両者の関係を見ると、someone は fix の主語の働きをしていることがわかります。

同様に(2)の the first person と to walk on the moon の関係において、the first person は walk の主語の働きをしています。

修飾される名詞・代名詞がto不定詞の目的語の働きをする場合

次に、修飾される名詞・代名詞がto不定詞の目的語の働きをする場合を見てみます。

(1) Do you have something to drink?
何か飲み物をもっていませんか?

(2) We have a lot of problems to solve.
私たちは多くの解決すべき問題を抱えている。

(3) Please bring something to write with.
何か書くものを持ってきてください。

(4) I want a bigger house to live in.
私は住むためのより大きな家がほしい。

(1)の to drink は、直前の代名詞 something を修飾しています。この両者の関係において、something は drink の目的語の働きをしています。

同様に(2)の a lot of problems と to solve の関係では、a lot of problems が solve の目的語の働きをしています。

(3)では、前置詞を伴うto不定詞句の to write with が something を修飾しています。この場合、something は前置詞 with の目的語の働きをしています。

同様に(4)の a bigger house は、to live in の前置詞 in の目的語の働きをしています。

Tips【前置詞によって文の意味が異なることも】

同じ動詞を使ったto不定詞でも、前置詞によって意味が変わることがあります。

  • I don’t have anything to write with.
    私は書くのに使うペンや鉛筆などを何も持っていない。(write with ~:~を使って書く)

  • I don’t have anything to write on.
    私は書くのに使う紙やノートなどを何も持っていない。(write on ~:~の上に書く)

  • I don’t have anything to write about.
    私には書くべき事柄が何もない。(write about ~:~について書く)

to不定詞が直前の名詞・代名詞の内容を説明する場合(同格)

to不定詞の形容詞的用法には、直前の名詞・代名詞の内容を説明する用法もあります。この場合の to不定詞と直前の名詞・代名詞との関係は「同格」と呼ばれます。

(1) I made a decision to buy a new car.
私は新しい車を買う決断をした。

(2) He had a chance to see the painting.
彼はその絵を見る機会があった。

(1)では a decision (決断) の内容を to buy a new car というto不定詞が説明しています。

(2)では、a chance (機会) の内容を to see the painting というto不定詞が説明しています。

下の表は、「同格」のto不定詞を伴う主な名詞の一覧です。

名詞 + to不定詞 和訳
ability to V(動詞の原形) 〜する能力
arrangement to V 〜する手配
effort to V 〜する努力
freedom to V ~する自由
need to V 〜する必要
offer to V 〜するという申し出
opportunity to V 〜する機会
plan to V 〜する計画
promise to V 〜するという約束
threat to V 〜するという脅し
time to V 〜する時間
way to V 〜する方法
willingness to V 〜しようという気持ち
wish to V 〜したいという願い

他の用法との見分け方

to不定詞の形容詞的用法を名詞的用法・副詞的用法と見分ける方法は簡単です。

具体的には、to不定詞がどの品詞の働きをしているかに着目して判断します。

例題を通して見てみましょう。

例題

次の各文の下線部の用法を「名詞的用法」「副詞的用法」「形容詞的用法」の中から選びなさい。

(1) What is the best way to prevent cancer?

(2) It is important for children to get enough sleep.

(3) I’m glad to see you.

解答

(1) 形容詞的用法。下線部は「way」という名詞を後ろから修飾する形容詞の働きをしている。

(2) 名詞的用法。下線部は形式主語 It の内容を表す真主語 (= 名詞) の働きをしている。

(3) 副詞的用法。下線部は「glad」という形容詞の原因を説明する副詞の働きをしている。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

問1 to不定詞の形容詞的用法が使われている文を下から選びなさい。

(1) I made a promise to go to the movie with him.

(2) His dream is to be a baseball player.

(3) You must be a genius to answer the question.

問2 以下の文を英訳しなさい。

(1) 私には一緒に話せる友人がいない。

(2) 彼は一緒にテニスをする人を見つけた。

解答

問1

正解 (1)
(解説)
(1)の to go to the movie は、直前の名詞 promise の内容を説明する「同格」用法。 → 形容詞的用法
(2)の to be a baseball player は、主語 (His dream) の内容を説明する補語。 → 名詞的用法
(3)の to answer the question は、He must be a genius という節を修飾する副詞的用法。

問2

(1) I have no friends to talk with.

(2) He found someone to play tennis with.

to不定詞には前置詞の to と同じ「指し示す」イメージがあります。そのため、to不定詞は主に「これからすること」を表します。