第4文型(SVOO)|動詞の種類・to/forを使った書き換え方を例文付きで解説

この記事では、英語文法の基礎である5文型のうちの第4文型(SVOO)をテーマに、その意味や構造、使われる主な動詞、前置詞to/forを使った書き換え、第5文型(SVOC)との見分け方などについて解説します。

第4文型(SVOO)とは

第4文型(SVOO)とは、端的に言うと「SがO₁にO₂をVする」という意味を表す文型のことです。

第4文型の構造

第4文型はSVOOの形をとり、S(Subject=主語)、V(Verb=述語動詞)、O₁(Object₁=目的語₁)、O₂(Object₂=目的語₂)から成ります。

第4文型の特徴は、動詞の後に目的語が2つ連続することです。

1つ目の目的語O₁は通常「人」を表し、間接目的語と呼ばれます。2つ目の目的語O₂は通常「物」を表し、直接目的語と呼ばれます。

つまり、SVOOは通常 「主語+動詞+人+物」 の形をとると理解してください。

以下の例文を見ながら、SVOOの構造を確認しましょう。

(1) I gave Mike a present.
私はマイクにプレゼントをあげた。

(2) She bought Bob a watch.
彼女はボブに腕時計を買ってあげた。

(1)では、主語が「I」、動詞が「gave」、間接目的語(O₁)が「Mike」、直接目的語(O₂)が「a present」です。

(2)では、主語が「She」、動詞が「bought」、間接目的語(O₁)が「Bob」、直接目的語(O₂)が「a watch」です。

上の例文では、「give」と「buy」という動詞が使われてますが、第4文型(SVOO)は、この2つの動詞に代表される「give型」「buy型」に分けることができます。

第4文型をとる動詞の2つのパターン(give型、buy型)

第4文型(SVOO)は、基本的に第3文型(SVO)で書き換えることができ、その書き換え方によって「give型」「buy型」の2つに分かれます。

書き換え方
give型 SV+O(物)+to+A(人)
buy型 SV+O(物)+for+A(人)

give型

give型の動詞を含む第4文型(SVOO)の文は、前置詞 「to」 を用いることで、第3文型SV+O(物)+to+A(人) の形に書き換えることができます。

例えば、先ほどの例文(1)を使うと、
「I gave Mike a present.」(第4文型)
 ↓
「I gave a present to Mike.」(第3文型)
となります。

ここで注意すべきことは、書き換えるときの語順です。

第4文型の間接目的語(O₁=人)は、SV+O(物)+to+A(人)A(人) に当たり、直接目的語(O₂=物)は、SV+O(物)+to+A(人)O(物) に当たります。

つまり、第4文型から第3文型に書き換えるときは、「人」と「物」の順番が入れ替わることになります

SVOO → SVO の書き換え問題は頻出なので、正しい語順をしっかり覚えましょう。

give型の動詞と例文

give型の動詞は、主に人から人へ何か(物、知識、情報など)が渡るときに使われます。

動詞 意味
give 与える
sell 売る
tell 話す
show 見せる
lend 貸す
send 送る
teach 教える
pass, hand 手渡す
pay 支払う

(1) He showed me his new smartphone.
彼は私に新しいスマートフォンを見せた。

(2) I paid her 1,000 yen.
私は彼女に1,000円支払った。

この2つの例文をSV+O(物)+to+A(人)の形に書き換えると、次のようになります。

(1) He showed his new smartphone to me.

(2) I paid 1,000 yen to her.

(1)では、彼が私に新しいスマートフォンを見せることで、その情報が彼から私に渡っています。(2)では、1,000円が私から彼女に渡っています。

buy型

buy型の動詞を含む第4文型(SVOO)の文は、前置詞 「for」 を用いることで、第3文型SV+O(物)+for+A(人) の形に書き換えることができます。

先ほどの例文(2)を使うと、
「She bought Bob a watch.」(第4文型)
 ↓ 
「She bought a watch for Bob.」(第3文型)
となります。

やはりここでも人と物の順番が入れ替わることに注意しましょう。

buy型の動詞と例文

buy型の動詞は、主に人のために何かをしてあげるときに使われます。

動詞 意味
buy 買ってやる
call 呼んでやる
find 見つけてやる
make 作ってやる
get 手に入れてやる
cook 料理してやる
choose 選んでやる
leave 残しておく
prepare 準備してやる

(1) Mike found Emi a parking place.
マイクはエミのために駐車場を見つけてあげた。

(2) John cooked his wife breakfast.
ジョンは妻のために朝食を作ってあげた。

この2つの例文を、SV+O(物)+for+A(人)の形に書き換えると、次のようになります。

(1) Mike found a parking place for Emi.

(2) John cooked breakfast for his wife.

(1)では、マイクがエミのために駐車場を見つけてあげています。(2)では、ジョンが妻のために朝食を作ってあげています。

例外

例外として、cost(費用がかかる)と take(時間などがかかる)が使われる第4文型(SVOO)の文は、第3文型に書き換えることができません。

(1) This sweater cost me 10,000 yen.
このセーターは10,000円かかった。

(2) The class took us 50 minutes.
その授業は50分かかった。

第4文型と第3文型の使い分け

基本的に、第4文型SVOOは第3文型SV+O(物)+to/for+A(人)の形に書き換えられます。

この2つの文型は、文に含まれる情報の新しさや、語句の長さによって使い分けます。以下に、その使い分けを2パターン紹介します。

英語では新しい情報が後に来る

第4文型や第3文型に限らず、英語では相手が既に知っている古い情報は先に、相手がまだ知らない新しい情報や重要な情報は後に来ます。

第4文型 SVOO
(1) I bought Mike a present.
私はマイクにプレゼントを買った。

第3文型 SV+O(物)+to/for+A(人)
(2) I bought a present for Mike.
私はプレゼントをマイクのために買った。

(1)では、「a present」が後に来ています。後に来るのは新しく重要な情報なので、この文ではマイクに何を買ったのかに重点が置かれています。

(2)では、「for Mike」が後に来ています。この文では、プレゼントを誰のために買ったのかに重点が置かれています。

また、人を代名詞で表す場合は、第4文型SVOOを主に使います。代名詞は既に言及された人を示すので、情報としては古くなります。古い情報は先に置かれるので、「人」を動詞(V)の直後に置く第4文型を選択するのです。

〇 I gave him a book. (第4文型)

△ I gave a book to him.(第3文型)

長い語句は文の後ろに来る

英語では、長い語句は文の後ろに置かれる傾向があります。次の例では、上の文が自然な英語になります。

〇 I gave cookies to my brother and sister. (第3文型)

△ I gave my brother and sister cookies.(第4文型)

SVOC(第5文型)との見分け方

第4文型SVOOに似た文型に、第5文型SVOCがあります。SVOCについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

第4文型SVOOと第5文型SVOCの見分け方は、動詞の後に続く2つの要素を=(イコール)関係で結ぶことができるかどうかです。

SVOOではO₁≠O₂となり、動詞Vの後の2つの要素を=関係で結ぶことができません。

一方、SVOCでは、動詞Vの後の2つの要素において O=C の関係が成り立ちます。

SVOOの場合
(1) I called him a taxi.
私は彼のためにタクシーを呼んであげた。

SVOCの場合
(2) I call him Mick.
私は彼をミックと呼んでいる。

(1)は him(彼)≠taxi(タクシー) なのでSVOOの文です。

(2)は him(彼)=Mick(ミック) なのでSVOCの文です。

練習問題

練習問題を解いて定着度を確認しましょう。

練習問題

問1 次の単語を並べ替えて意味の通る文を作りなさい。

(1) found / a / her / he / watch / nice / .

(2) lie / a / told / she / sister / her / .

(3) will / a / he / Mike / present / give / .

(4) to / Mike / I / chocolate / gave / .

(5) make / for / I / coffee / will / Sally / .

問2 次の第4文型の文を前置詞を伴う第3文型の文に書き換えなさい。

(1) Bob bought his girlfriend nice clothes.

(2) I will make my family dinner.

(3) You must pay me 1,000 yen.

(4) I taught my brother math yesterday.

解答

問1

(1) He found her a nice watch.
 彼は彼女のために素敵な時計を見つけてあげた。
(解説)
主格のheを主語とし、「主語+動詞+人+物」の形を作る。

(2) She told her sister a lie.
 彼女は姉(妹)に嘘をついた。
(解説)
主格のsheを主語とし、「主語+動詞+人+物」の形を作る。

(3) He will give Mike a present.
 彼はマイクにプレゼントを渡すつもりだ。
(解説)
主格のheを主語とし、「主語+動詞+人+物」の形を作る。willは動詞giveの前に置く。

(4) I gave chocolate to Mike.
 私はマイクにチョコレートをあげた。
(解説)
主格のIを主語とし、「SV+O(物)+to+A(人)」の形を作る。

(5) I will make coffee for Sally.
 私はサリーのためにコーヒーを作るつもりだ。
(解説)
主格のIを主語とし、「SV+O(物)+for+A(人)」の形を作る。willは動詞の前に置く。

問2

(1) Bob bought nice clothes for his girlfriend.
 ボブは彼の彼女のために素敵な服を買った。
(解説)
「bought」はbuy型の動詞なので、前置詞はforを使う。

(2) I will make dinner for my family.
 私は家族に夕食を作るつもりだ。
(解説)
「make」はbuy型の動詞なので、前置詞はforを使う。

(3) You must pay 1,000 yen to me.
 あなたは私に1,000円払わなくてはいけない。
(解説)
「pay」はgive型の動詞なので、前置詞はtoを使う。

(4) I taught math to my brother yesterday.
 私は昨日弟に数学を教えた。
(解説)
「taught」はgive型の動詞なので、前置詞はtoを使う。

文型をマスターすると、文章の構造が把握しやすくなり、長文を読んでいるときに途中で止まったりすることが少なくなります。文型は全部でたったの5つです!基礎は応用に必ず活きてくるので、しっかり学習しておきましょう!