動名詞とto不定詞の違いとは?使い分けるためのルールとパターンを例文で徹底解説!

動名詞to不定詞の名詞的用法は、どちらも文中で主語・目的語・補語になるという点で共通しています。このうち、特に動詞の目的語として使われる場合に、両者の区別が重要になります。

この記事では、動詞の目的語における動名詞to不定詞の使い分けについて詳しく解説していきます。

なお、to不定詞の名詞的用法についてはこちらの記事で解説しています。

動名詞のみを目的語にとる動詞

動名詞のみを目的語にとる動詞には以下のようなものがあります。

動詞 意味
admit doing ~を認める
avoid doing ~を避ける
consider doing ~を考慮する
deny doing ~を否定する
enjoy doing ~を楽しむ
escape doing ~を逃れる
finish doing ~を終える
give up doing ~をあきらめる
imagine doing ~を想像する
mind doing ~を気にする
miss doing ~をし損なう
postpone [put off] doing ~を延期する
practice doing ~を練習する
quit doing ~をやめる
stop doing ~をやめる
suggest doing ~を提案する

動名詞が「いつのこと」を表しているかは、前に置かれた動詞によって変わります。

動名詞が「いつのこと」を表しているか

(1) enjoy ~ing:「している最中のこと」を楽しむ
I enjoyed playing tennis with him.
私は彼とテニスをして楽しんだ。

(2) give up ~ing:「今までしてきたこと」をやめる
He gave up smoking.
彼はタバコを吸うのをやめた。

(3) admit ~ing:「すでにしたこと」を認める
I admitted telling a lie.
私はうそをついたことを認めた。

(4) avoid ~ing:「まだしていないこと」を避ける
He avoided mentioning her name.
彼は彼女の名前を口にすることを避けた。

ここで、動名詞のみを目的語にとる動詞の覚え方を一つ紹介します。

【Tips】動名詞のみを目的語にとる動詞の語呂合わせ

MEGAFEPSDISC・MAPQ\text{MEGAFEPSDISC・MAPQ}

メガフェプスディスク・マップQ\text{メガフェプスディスク・マップQ} M\tomind (気にする)
E\toescape (逃れる)
G\togive up (あきらめる)
A\toadmit (認める)
F\tofinish (終える)
E\toenjoy (楽しむ)
P\topostpone・put off (延期する)
S\tostop (やめる)
D\todeny (否定する)
I\toimagine (想像する)
S\tosuggest (提案する)
C\toconsider (考慮する)
M\tomiss (し損なう)
A\toavoid (避ける)
P\topractice (練習する)
Q\toquit (やめる)

少々覚えにくいですが、参考にしてみてください。

to不定詞のみを目的語にとる動詞

to不定詞のみを目的語にとる動詞には以下のようなものがあります。これらの動詞は「まだ起こっていないこと」「これから起こること」を表す傾向があります。

動詞 意味
agree to do ~することに同意する
attempt to do ~しようと試みる
care to do ~したいと思う
decide to do ~すると決める
expect to do ~するつもりだ
fail to do ~できない
hope to do ~したいと思う
learn to do ~するようになる
manage to do どうにか~する
mean to do ~するつもりだ
offer to do ~しようと申し出る
plan to do ~することを計画する
pretend to do ~するふりをする
promise to do ~すると約束する
refuse to do ~することを拒む
want to do ~したいと思う
wish to do ~したいと願う

(1) I attempted to solve this problem.
私はこの問題を解こうと試みた。

(2) I failed to run a full marathon.
私はフルマラソンを走ることができなかった。

(3) She is pretending to be sleeping.
彼女は寝たふりをしている。

動名詞・to不定詞の両方を目的語にとる動詞

動詞の中には、動名詞・to不定詞の両方を目的語にとるものがあります。その中には、動名詞とto不定詞とで意味が変わらない動詞と、動名詞とto不定詞とで意味が変わる動詞があります。

どちらでも意味が変わらない動詞

まず、動名詞とto不定詞とでほぼ同じ意味を表す動詞を紹介します。

動詞 意味
begin doing / to do ~し始める
cease doing / to do ~することをやめる
continue doing / to do ~し続ける
hate doing / to do ~することを嫌う
intend doing / to do ~しようと思う
like doing / to do ~することが好きだ
love doing / to do ~することが大好きだ
neglect doing / to do (怠って)~しない、~し忘れる
prefer doing / to do ~する方が好きだ
start doing / to do ~し始める

(1) I like singing / to sing.
私は歌うことが好きだ。

(2) He hates going / to go to the dentist’s.
彼は歯医者へ行くことが嫌いだ。

(3) Suddenly, she started laughing / to laugh.
彼女は突然笑い始めた。

動名詞とto不定詞とで意味が変わる動詞

目的語に動名詞・to不定詞のどちらをとるかで意味が変わる動詞もあります。

このような動詞の場合、動名詞は「すでに行った」「実際に起きた」という意味を、to不定詞は「これから行う」「まだ起きていない」という意味を表します。

動詞 + 動名詞 意味 動詞 + to不定詞 意味
forget doing ~したことを忘れる forget to do ~するのを忘れる
regret doing ~したことを後悔する regret to do 残念ながら~しなければならない
remember doing ~したことを覚えている remember to do ~することを覚えている / 忘れずに~する
try doing 試しに~してみる try to do ~しようと試みる

(1)
a. Don’t forget to turn out the light.
明かりを消すのを忘れないでね。
→ 明かりはこれから消す

b. I’ll never forget visiting this museum.
私はこの博物館を訪れたことを決して忘れないだろう。
→ 博物館は既に訪れた

(2)
a. I regret to tell you a bad news.
私は残念ながらあなたに悪い知らせを伝えなければいけない。
→ これから伝える

b. I regret telling you a bad news.
私はあなたに悪い知らせを伝えたことを後悔している。
→ すでに伝えた

(3)
a. I have to remember to submit my homework.
私は宿題を提出することを覚えておかなければいけない。
→ これから提出する

b. I remember submitting my homework.
私は宿題を提出したことを覚えている。
→ すでに提出した

(4)
a. She tried to sleep at 9 p.m.
彼女は午後9時に寝ようと試みた。
→寝ようとしただけで実際に寝たのかは分からない

b. She tried sleeping at 9 p.m.
彼女は試しに午後9時に寝てみた。
→実際に寝てみた

動名詞とto不定詞の使い分けに注意すべき表現

ここでは、動名詞とto不定詞の使い分けに注意すべき表現を6つ紹介します。

need + 動名詞 / need + to不定詞

(1) Her house needs cleaning.
= Her house needs to be cleaned.
彼女の家は掃除する必要がある。

(2) She needs to clean her house.
彼女は家を掃除する必要がある。

need + 動名詞〉は「~される必要がある」という受け身の意味を、〈need + to不定詞〉は「~する必要がある」という能動の意味を表します。

stop + 動名詞 / stop + to不定詞

(1) I stopped checking my smartphone.
私はスマートフォンをチェックするのをやめた。

(2) I stopped to check my smartphone.
私はスマートフォンをチェックするために立ち止まった。

stop + 動名詞〉は「~するのをやめる」、〈stop + to不定詞〉は「~するために立ち止まる」という意味になります。

なお、(2)の stop は自動詞で、to不定詞は目的語ではなく、「~するために」を意味する副詞的用法です。

go on + 動名詞 / go on + to不定詞

(1) He went on dancing for hours.
彼は何時間も踊り続けた。

(2) He went on to explain his future plan.
彼は続けて将来の計画について説明した。

go on + 動名詞〉は「~し続ける」、〈go on + to不定詞〉は「続けて~する」という意味になります。

(2)のto不定詞は on の目的語ではなく、「~するために」を意味する副詞的用法です。

be anxious about + 動名詞 / be anxious + to不定詞

(1) I am anxious about meeting him.
私は彼に会うのが不安だ。

(2) I am anxious to meet him.
私は彼に会うことを切望している。

be anxious about + 動名詞〉は「~するのが不安だ」、〈be anxious + to不定詞〉は「~することを切望している」という意味になります。

be sure of + 動名詞 / be sure + to不定詞

(1) He is sure of passing the exam.
彼は試験に合格することを確信している。

(2) He is sure to pass the exam.
彼が試験に合格するのは確実だ。

be sure of + 動名詞〉は「~すると主語が確信している」、〈be anxious + to不定詞〉は「主語が~すると、主語以外の他者が確信している」という意味になります。

be used to + 動名詞 / look forward to + 動名詞

これらの表現では、to につられて動詞の原形を続けないように注意しましょう。

(1) He is used to driving.
彼は運転に慣れている。
× He is used to drive.

(2) I look forward to meeting him.
私は彼に会うのを楽しみにしている。
× I look forward to meet him.

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

問1 (  )内の語句のうち、正しい方を選びなさい。

(1) He suggested (going / to go) for a walk.

(2) I’m considering (moving / to move) out of this town.

(3) They refused (listening / to listen) to me.

問2 次の文を英訳しなさい。

(1) この家はペンキを塗る必要がある。

(2) この本を読んでみて。(命令文で)

(3) もう雨はやみましたか?

解答

問1 (  )内の語句のうち、正しい方を選びなさい。

(1) going

(2) moving

(3) to listen

問2 次の文を英訳しなさい。

(1) This house needs painting. / This house needs to be painted.

(2) Try reading this book.

(3) Has it stopped raining yet?

動名詞・to不定詞を目的語にとる動詞の区別は頻出なのでしっかりマスターしましょう。