英語のnot|否定形の使い方・作り方、文否定と語句否定の違いまで例文付きで解説

否定語の not には述語動詞を否定して否定文を作る働きと、述語動詞以外の語・句・節を否定する働きがあります。

この記事では、豊富な例文を交えながら not の使い方について解説していきます。

述語動詞の否定

not を用いて述語動詞を否定する場合、動詞の部分は次のような形になります。

〈be動詞 + not〉(be動詞の文の場合)
〈do / does / did + not + 動詞の原形〉(一般動詞の文の場合)
〈助動詞 + not + 動詞の原形〉(助動詞を用いた文の場合)
〈have / has / had + not + 動詞の過去分詞〉(完了形の文の場合)

(1) This is not [isn’t] my job.
これは私の仕事ではない。

(2) He does not [doesn’t] like carrots.
彼はニンジンが好きではない。

(3) You should not [shouldn’t] smoke.
あなたはタバコを吸うべきではない。

(4) I have not [haven’t] finished my homework yet.
私はまだ宿題を終わらせていない。

このように、not で述語動詞を否定すると、文全体の内容が否定されることになります。

なお、be動詞の命令文を否定する場合は

Don’t be noisy.(うるさくするな。)

のように、be動詞の前に not を置きます。

語・句・節の否定

not を用いて特定の語・句・節を否定する場合は、否定する部分の直前に not を置きます

(5) Please ask Tom, not me.
トムに聞いてください。私ではなく。

(6) He is the author of two not very good novels.
彼はあまり出来のよくない2編の小説の著者だ。

(7) I told her not to be late.
私は彼女に遅れないように言った。

(8) I regret not having told the truth.
私は本当のことを言わなかったことを後悔している。

(9) Not knowing what to do, I asked him for advice.
どうしてよいかわからなかったので、私は彼に助言を求めた。

(10) She was angry not because I was late, but because I made a mistake.
彼女が怒ったのは私が遅れたからではなくミスを犯したからだ。

(5)~(10)の下線は、not によって否定されている部分を示しています。

(5)はの否定、(6)はの否定、(7)は不定詞句の否定、(8)は動名詞句の否定、(9)は分詞構文の否定、(10)はの否定の例になります。

部分否定

語や句を否定する特殊な例として「部分否定」があります。

(11) Not every student wants to go to college.
すべての生徒が大学に行きたいとは限らない。

このように、notevery を否定する場合、「すべてが~とは限らない」という部分的な否定になります。「すべての生徒が大学に行きたくない」という意味にはなりませんので注意してください

「部分否定」についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

「~と思う」の否定

I think (that) she is at home.(私は彼女が家にいると思う。)という文を否定する場合、下の例のように、述語動詞の think を否定しても that節内の is を否定しても意味はほとんど変わりません。

A:I don’t think she is at home.
(私は彼女が家にいるとは思わない。)

B:I think she isn’t at home.
(私は彼女が家にいないと思う。)

このような場合、より控え目な表現である A の構文を使用するのが一般的です

think と同じような使われ方をする動詞としては believe, suppose, imagine などがあります。

一方、hope (望む) や be afraid / fear (残念ながら~と思う) などの場合は that節内の動詞を否定します

 I’m afraid she isn’t at home.
(残念ながら彼女は家にいないと思う。)

× I 'm not afraid she is at home.

否定の節の代わりをする not

前の文の内容の繰り返しを避けるために、not のみで否定の節の意味を表す用法があります。

(12)
“Will it rain tomorrow?”
“I hope not.”
「明日は雨が降るでしょうか?」
「降らないことを望みます。」
not は “it will not rain” の意味)

(13)
“Will he pass the exam?”
“I’m afraid not.”
「彼は試験に合格するでしょうか?」
「残念ながら合格しないと思います。」
not は “he will not pass the exam” の意味)

(14)
“Is anybody cold? If not, I’ll turn off the heating.”
「誰か寒い人はいますか?もしいなければ暖房を切ります。」
not は “nobody is cold” の意味)

(15)
“Do you think he will come?”
“Probably not.”
「彼は来ると思いますか?」
「多分来ないでしょう。」
not は “he will not come” の意味)

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

問1 次の文を日本語に訳しなさい。

(1) Please be careful not to catch cold.

(2) He taught me the importance of not giving up.

問2 次の文を否定しなさい。

(1) I think he is a good doctor.

(2) I hope she will marry John.

問3 日本語の意味に合うように英文の空所に適語を入れなさい。

(1)「明日来れますか?」「行けないと思います。」
“Can you come tomorrow?” "I’m (  )(  ).

(2)「彼は来るかな?」「来ないでほしいね。」
“Is he coming?” “I (  ) (  ).”

解答

問1

(1) 風邪をひかないように気をつけてください。

(2) 彼は私にあきらめないことの大切さを教えてくれた。

問2

(1) I don’t think he is a good doctor.

(2) I hope she won’t marry John.

問3

(1) afraid not

(2) hope not

not は「なんちゃってうそ」という意味でも使えます。
“I won the lottery ― not!”(宝くじに当たった…なんちゃてうそ!)