修辞疑問文とは|反語表現の意味や平叙文への変換による捉え方を解説!慣用表現も紹介

英語の疑問文には様々な種類が存在し、その中でもより発展的なものとして付加疑問文・否定疑問文・修辞疑問文などがあります。

この記事では、疑問文の発展的な学習項目の一つである修辞疑問文について例文付きで詳しく解説していきます。

疑問文の基本や他の種類の疑問文については、以下の3つの記事で詳しく解説しています。

修辞疑問文(rhetorical question)とは

修辞疑問文は相手に対する質問ではなく、疑問文の形を使って自分の言いたいことを強調する文のことです。

〈「誰も知らない」ということを強調したい場合〉

Who knows?
〈直訳〉誰が知っているというのか?
〈意訳〉⇒誰も知らない。

上の例では、表面上「誰が知っているというのか?」と相手に問いかけているように見えますが、心の中では「誰も知らない」という確固たる答えを持っており、それを主張しています。

このような、疑問文の形式の裏に隠れた断定のニュアンスが、修辞疑問文のエッセンスです。

修辞疑問文は反語表現

修辞疑問文はもともとは反語表現から来ています。そのため、肯定と否定が逆になった形で話者の主張を強調します。

(1) Who knows?
誰が知っているだろうか、いや誰も知らない

(2) Who doesn’t know?
誰が知らないだろうか、いや誰もが知っている

反語表現は表面上の形を裏返してメッセージを伝えるため、(1)のように肯定の修辞疑問文は否定の意味を表し、(2)のように否定の修辞疑問文は肯定の意味を表します

平叙文への言い換え

修辞疑問文は、平叙文に直して考えることで理解が深まります。いくつか練習してみましょう。

(3) Isn’t it funny?
= It is very funny.
それはとてもおもしろい。

(4) Who knows?
= Nobody konws.
誰も知らない。

(5) How can I do that?
= I can never do that.
私がそんなことできるわけない。

(6) What is the use of talking about it?
= It is no use talking about it.
そのことについては話しても無駄だ。

修辞疑問文の効果と使い方

修辞疑問文の効果として

  • 重要なポイントを強調する
  • プレゼンテーションやスピーチに抑揚をつける
  • 読み手や聞き手の関心を引きつける
  • 読み手や聞き手にアイデアを想起させる

などがあります。

以下ではこれらの効果を使った修辞疑問文の利用例をいくつか挙げて解説します。

(7) 広告文

You work hard every day to take care of your family. Don’t you think you deserve a break? Buy this dishwasher, and you can save a lot of time on housework.
あなたは家族のために毎日頑張っていますね。あなたには息抜きが必要だと思いませんか?(=あなたには息抜きが必要です。) こちらの食洗機を買えば家事の時間が大幅に削減できます。

(8) プレゼンテーション

Sales are on the decline in the industry as a whole, but is our company affected?
業界全体では売上が減少傾向にありますが、当社は影響を受けているでしょうか?(=当社は影響を受けていません。)

(7)の広告文では、潜在的な顧客の関心を引きつけることで商品の提案につなげています。

(8)のプレゼンテーションでは、重要な部分を強調して聞き手の同意を求めるとともに、話に抑揚をつけています。

また、このような効果は付加疑問文を使うことで得られる場合もあります。付加疑問文についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

修辞疑問文を使った日常表現

修辞疑問文を使った日常表現の例を6つ紹介します。

これらも元は反語表現から来ていますが、日常的に使われることで意味が定着しています。

(9) Don’t I know it?
分かってるって。

(10) Didn’t I tell you that?
言ったでしょう。

(11) How could you do that?
ひどいことをしてくれたな。

(12) Who cares?
誰がかまうものか。

(13) Why not?
いいじゃないか。

(14) Why should I?
したくない。

練習問題

練習問題で定着度を確認しましょう。

練習問題

問1 次の修辞疑問文を平叙文に直しなさい。

(1) Who doesn’t know it?

(2) What difference does it make?

問2 次の修辞疑問文を反語がわかるように日本語に訳しなさい。

(1) Who can say what will happen in the future?

(2) What is the use of worrying about it?

(3) How could I forget?

解答

問1

(1) Everybody knows it.

(2) It doesn’t make any difference.
= It makes no difference.

問2

(1) 将来何が起きるかなんて誰が予測できるのか、いや誰も予測できない。

(2) そのことを心配して何になるのか、いや何にもならない。

(3) どうしたら忘れられるのか、いや忘れるはずがない。

修辞疑問文は英語で rhetorical question といいます。rhetorical のもととなる名詞の rhetoric「美辞麗句」は頻出語なので覚えておくといいでしょう。