There is構文|意味・イメージや正しい使い方、頻出表現まで例文で詳しく解説

この記事では、There is構文をテーマに、その意味や構造、否定文と疑問文の作り方、There is構文を使った頻出表現、be動詞以外の動詞を使うThere構文などについて詳しく説明します。

There is構文とは

There is構文は、There + be動詞 + 主語 という形をとり、人や物などの存在を表します。日本語では「~がいる(ある)」という意味になります。

There is構文のイメージ:新情報を伝える

There is構文は、聞き手にとって新しい情報を伝える際に使用されます。

文頭にThereを持ってくることで、新しい情報から文が始まるのを防ぐ効果があります。

次の文を見てください。

  • A cat is sleeping on the bed.
    猫がベッドの上で寝ている。

この文の主語「cat」には不特定の名詞を指す冠詞「A」がついており、聞き手にとっては新しい情報です。このような新しい情報から始まる文は、聞き手に唐突な印象を与えることになります。

一方、同じ内容をThere is構文で表すと、次のようになります。

  • There is a cat sleeping on the bed.
    猫がベッドの上で寝ている。

この文では、文頭の There が、新情報を伝える前のクッションの役割を果たしています。

つまり、There is構文は、これから新情報が出てくるというサインになるのです。

逆に、特定の物を指す冠詞「the」がついた名詞は、相手にとって既知の情報です。そのため、冠詞「the」は、There is構文ではあまり用いられません

  • 〇 There is a cat on the bed.
  • △ There is the cat on the bed.
Tips【There is構文の文型は?】

There is構文は、5文型の分類上では第1文型(SV)の派生形とみなされています。

S+V という構文が、存在を表すThereを文頭に置くことで倒置を起こし、There+V+S の語順になると解釈されています。

There is構文の使い方

There is構文の使い方を、例文で確認してみましょう。

be動詞:下線 主語:太字

(1) There is an apple on the table.
テーブルの上にリンゴが1つある。

(2) There are five students in the classroom.
教室の中に5人の生徒がいる。

(3) There were a few birds on the roof.
屋根の上に数羽の鳥がいた。

このように、There is構文は、on the table、in the classroom のような場所を表す語句とともによく使われます。

また、There is構文のbe動詞は、主語と時制によって形が変わります。(1)の文は主語が単数で時制が現在 → be動詞は「is」、(2)の文は主語が複数で時制が現在 → be動詞は「are」、(3)の文は主語が複数で時制が過去 → be動詞は「were」となります。

なお、there という語には「そこ」という意味がありますが、There is構文の There には「そこ」という意味はないので、「そこに~がある」と訳さないように注意してください

逆に、「そこに~がある」という意味で使いたい場合は、文末にも there を加える必要があります。

There is some food there.
そこには少し食べ物がある。

must/can/will などの助動詞と一緒に使う場合

There is構文は、助動詞とともに使うこともできます。その場合は、「There+助動詞+be」の形になります。

There is構文とともに使うことができる助動詞には以下のようなものがあります。

助動詞 意味
There must be~ ~があるに違いない
There can be~ ~があるかもしれない
There could be~ ~があるかもしれない
There may be~ ~があるかもしれない
There might be~ ~があるかもしれない
There will be~ ~があるだろう
There should be~ ~があるはずだ
There used to be~ 以前~があった

(1) There must be a beautiful place somewhere.
どこか美しい場所があるに違いない。

(2) There will be many people in the restaurant.
そのレストランには多くの人がいるだろう。

(3) There used to be a castle here.
以前ここには城があった。

助動詞について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

否定文・疑問文の作り方

There is構文を否定文にするときは、be動詞の後に not を置きます

疑問文にするときは、be動詞を文頭に置き、文末に?をつけます

以下に否定文と疑問文の例を示します。(1)(2)が否定文、(3)(4)が疑問文です。

(1) There aren’t any clothes to wear.
着る服がない。

(2) There isn’t any water in the pool.
プールの中に水がない。

(3) Were there any students in the classroom ?
その教室に生徒はいましたか?

(4) Are there any people who can speak English ?
誰か英語を話せる人はいますか?

これらの例に見られるように、There is構文の否定文・疑問文では any がよく使われます。

How many ~How much ~ を使う疑問文には注意が必要です。

(1) How many students are there in your class?
あなたのクラスに生徒は何人いますか?

(2) How much water is there in the pool?
プールにはどのくらい水が入っていますか?

How many で始まる文では are there を、How much で始まる文では is there を忘れないようにしましょう。

There is構文の頻出表現

ここでは、There is構文の頻出表現を3つ紹介します。

There is something wrong with ~

There is something wrong with~ は「~はどこか様子・調子がおかしい」という意味になります。

There is something wrong with this smartphone.
このスマートフォンはどこか調子が悪い。

There is no ~ing

There is no ~ing は「~することはできない」という意味になります。

(1) There is no solving this puzzle.
このパズルを解くことはできない。

(2) There is no telling what will happen tomorrow.
明日何が起こるか知ることはできない。

There is/are + 主語 + 現在分詞/過去分詞

There is/are + 主語 + 現在分詞 は「主語が~している」、There is/are + 主語 + 過去分詞 は「主語が~されている」という意味になります。

(1) There is a cat grooming itself under the table.
テーブルの下で猫が毛づくろいをしている。

(2) There were some students scolded by a teacher in the corridor.
廊下で数人の生徒が先生に叱られていた。

be動詞以外の動詞を使うThere構文

There is構文ではbe動詞が使われますが、be動詞以外の動詞を使ったThere構文もあります。この構文では、存在出現を意味する動詞が使われます。

存在を意味する動詞を使うThere構文

動詞 意味
live 住む
remain 残っている
exist 存在する

(1) There once lived a lot of people in this island.
かつてこの島には沢山の人が住んでいた。

(2) There remains some work to do.*
やるべき仕事が少しが残っている。

(3) There exist some problems in this area.
この分野にはいくつかの問題が存在している。

*主語が三人称単数で時制が現在の場合、動詞に s をつけます。

出現を意味する動詞を使うThere構文

動詞 意味
arise 生じる
arrive 到着する
come 来る
occur 起こる
happen 起こる

(1) There arises an interesting question.*
興味深い問題が生じた。

(2) There arrived a celebrity at the airport.
空港に有名人が到着した。

(3) There comes a bus.*
バスが来た。

(4) There occurred [happened] an explosion last night.
昨夜爆発が起こった。

*主語が三人称単数で時制が現在の場合、動詞に s をつけます。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

問1 次の単語を並び替えて意味の通る文を作りなさい。

(1) are / Christmas / days / from / how / many / there / to / today / ?

(2) cats / the / are / on / chair / lying / there /.

問2 次の文を和訳しなさい。

(1) There are few tickets left for today’s game.

(2) There is no knowing what will happen.

(3) There remain unwashed dishes in the kitchen sink.

解答

問1

(1) How many days are there from today to Christmas?
訳:今日からクリスマスまで何日ありますか?

(2) There are cats lying on the chair.
訳:イスの上に猫が横たわっている。

問2

(1) 今日の試合のチケットは少ししか残っていない。

(2) 何が起こるか知ることはできない。

(3) 台所のシンクに洗われていない皿が残っている。

There is構文は頻出の表現です。How many [much] を使う疑問文、There is no ~ing などの特殊構文、be動詞以外を使うThere構文などもしっかり確認しておきましょう。