形容詞の限定用法と叙述用法

形容詞」は名詞の性質や状態を表す品詞で、次の2つの用法があります。

1.限定用法(名詞を修飾する)
2.叙述用法(補語として名詞を説明する)

この記事では、この2つの用法について詳しく見ていきます。

なお、現在分詞や過去分詞の限定用法・叙述用法については、こちらの記事をご覧ください。

限定用法

限定用法」とは、名詞を修飾してその意味を限定する用法のことです。

形容詞の限定用法には、名詞を前から修飾する「前置修飾」と後ろから修飾する「後置修飾」があります。

前置修飾

名詞を修飾する形容詞は、原則として名詞の前に置かれます。

(1) He bought a blue shirt.
彼は青いシャツを買った。

(2) She showed me her two beautiful big new black wodden tables.
彼女は私に2つの美しい大きな新しい黒い木のテーブルを見せてくれた。

(2)のように複数の形容詞を使う場合は、名詞の本質を表す形容詞を名詞の近くに置き、そうでないものは遠くに置くようにします。具体的には、次のような順序で並べます。

数量 (two, three など) → 主観的判断 (beautiful, nice など) → 大小 (big, small など) → 新旧 (new, old など) → 色 (black, white など) → 材質 (wooden, leather など)

後置修飾

次のような場合、形容詞は修飾する名詞の後ろに置かれます。

1.形容詞がほかの語句を伴って2語以上の語群になる場合
2.-thing, -one, -body で終わる不定代名詞を修飾する場合
3.-able, -ible で終わる形容詞が all, every, no や最上級の形容詞とともに使われる場合。

(3) He is carrying a box full of apples.
彼はリンゴがいっぱい入った箱を運んでいる。

(4) I want something cold to drink.
私は何か冷たい飲み物が欲しい。

(5) Give me all the data available.
利用できるデータをすべてください。

(6) This is the best method imaginable.
これは考えられる最善の方法だ。

なお、concerned, involved, present, responsible などは、単独で名詞の後に置くことができます。これらの形容詞は、後置修飾と前置修飾で異なる意味になることがあるので注意が必要です。

  • people concerned(関係者)
  • concerned people(心配している人々)

  • the man responsible(責任者)
  • a responsible man(頼りになる男性)

叙述用法

叙述用法」とは、補語として主語や目的語を説明する用法のことです。補語(C) は、英語の5文型のうち第2文型(SVC)と第5文型(SVOC)で使われます。

(7) This book was interesting.
この本は面白かった。

(8) I found this book interesting.
私はこの本が面白いことが分かった。

(7)は第2文型(SVC)、(8)は第5文型(SVOC)の例です。(7)の interesting は主語(S)の This book を、(8)の interesting は目的語(O)の this book を説明しています。

限定用法と叙述用法の注意点

形容詞の中には、限定用法のみに用いられるもの、叙述用法のみに用いられるもの、限定用法と叙述用法で意味が異なるものがあります。

限定用法のみに用いられる形容詞

限定用法のみに用いられる形容詞には次のようなものがあります。

形容詞 意味
daily 毎日の
elder 年上の
former 前の
golden 貴重な
latter 後の
living 生きている
lone ただ1人の
main 主な
mere ほんの / 単なる
only 唯一の
total 全部の
very まさにその
wooden 木でできた

叙述用法のみに用いられる形容詞

叙述用法のみに用いられる形容詞には次のようなものがあります。

形容詞 意味
afraid 恐れて
alive 生きて
alone ただ1人で
asleep 眠って
ashamed 恥じて
awake 目覚めて
aware 気づいて
content 満足して
glad 喜んで
liable ~しやすい
well 健康で
worth ~の価値がある

worth は特殊な形容詞で、名詞や動名詞を目的語にとります

(9) This vase is woth fifty dollars.
この花瓶は50ドルの価値がある。

(10) Kyoto is worth visiting.
= It is worth visiting Kyoto.
京都は訪れる価値がある。

限定用法と叙述用法で意味が異なる形容詞

限定用法と叙述用法で意味が異なる形容詞には次のようなものがあります。

able(有能な / ~できる)

(11) He is a very able teacher.
彼はとても有能な教師だ。

(12) She is able to speak three languages.
彼女は3か国語が話せる。

certain(ある(種の) / 確信している)

(13) She has a certain charm.
彼女にはある種の魅力がある。

(14) I’m certain that he’ll succeed.
私は彼が成功することを確信している。

ill(悪い / 病気の)

(15) I had the ill luck to miss the train.
私は運悪く列車に乗り遅れた。

(16) He is ill in bed.
彼は病気で寝ている。

late(最近亡くなった / 遅れて)

(17) Her late husband was a lawyer.
彼女の最近亡くなった夫は弁護士だった。

(18) The train was late this morning.
今朝は列車が遅れた。

present(現在の / 出席して)

(19) He is the present prime minister.
彼は現在の首相だ。

(20) We were all present at the meeting.
私たち全員が会議に出席していた。

その他の用法:〈the + 形容詞〉

〈the + 形容詞・分詞〉:「~な人たち」

the + 形容詞・分詞〉は、その形容詞・分詞の表す性質をもつ人々全体を指します。この場合の形容詞や分詞は、複数名詞のように扱われます。

(21) The rich (= Rich people) are not always happy.
お金持ちが必ずしも幸福とは限らない。

(22) The unemployed (= Unemployed people) are losing hope.
失業者は希望を失いつつある。

なお、the accused(被告人)、the deceased(故人)などの場合は単数扱いになります。

〈the + 形容詞〉:「~なこと・もの」

the + 形容詞〉が抽象名詞の意味を表すこともあります。この場合の形容詞は単数扱いになります。

(23) He is trying to do the impossible.
彼は不可能なことをしようとしている。

(24) She has an eye for the beautiful.
彼女には審美眼がある。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次の文の空所に当てはまる語を下の語群から選びなさい。なお、各語は1度のみ使用できる。

1.Spring is (  ) in coming this year.

2.He was older than all the members (  ).

3.Is there anything (  ) with the engine?

4.She will soon be (  ) to leave the hospital.

5.You are the (  ) one I can depend on.

6.He was still half (  ) when he left home.

7.The noise kept me (  ) all night.

8.We meet at a (  ) place in the city every month.

9.She needs someone (  ) to help move the piano.

10.They live in a world (  ) from ours.

11.They caught the bear (  ).

12.A poet is always searching for the (  ) in life.

語群
able, alive, asleep, awake, beautiful, certain, different, late, only, present, strong, wrong

解答

1.late
2.present
3.wrong
4.able
5.only
6.asleep
7.awake
8.certain
9.strong
10.different
11.alive
12.beautiful

形容詞の種類は非常に多いので、この記事で基本を押さえたら、練習問題を多くこなして応用力を鍛えるようにしましょう。