関係形容詞とは|what・whichの使い方や関係代名詞との違いを解説

関係代名詞には、次の例のように直後に名詞を伴ってその名詞を修飾する用法があります。

(1) The teacher told Tom to study harder, which advice he didn’t follow.
先生はトムにもっと勉強するように言ったが、彼はそのアドバイスに従わなかった。

この which は、直後の名詞 (advice) を修飾する形容詞の働きと、その名詞を前の節に結びつける接続詞の働きを兼ねています。このような働きをする関係代名詞を「関係形容詞」と呼びます。

関係形容詞として働く関係代名詞には、which 以外に what, whichever, whatever があります。

今回は、この関係形容詞について詳しく解説していきます。

関係形容詞 which

関係形容詞の which〈, which + 名詞〉 または 〈, 前置詞 + which + 名詞〉 という形で用いられ、「そしてその~」 という意味を表します。

関係形容詞として使われるのは、直前にコンマを置く「非制限用法」の which で、コンマを置かない「制限用法」の which が使われることはありません。

(2) I read about artificial intelligence (AI), which topic I found interesting.
私は人工知能 (AI) についての本を読んで、そのトピックが面白いと思った。

(3) The bus might be late, in which case we’ll take a taxi.
バスが遅れるかもしれないので、その場合はタクシーを使います。

(4) Our next meeting will be on Monday, at which time a new chairman will be elected.
次の会議は月曜日で、その時に新しい議長が選ばれる予定だ。

(2)は which の前に前置詞がない例、(3)(4)は前置詞を伴う例です。

(3)の in which case はよく使われる表現ですが、それ以外に which が関係形容詞として使われることはあまりありません。

(2)では接続詞の and を使って “and I found it interesting”、(4)では関係副詞の when を使って “when a new chairman will be elected” とする方が自然です。

関係形容詞 what

関係形容詞の what〈what + 名詞〉 または 〈what few + 名詞〉 / 〈what little + 名詞〉 という形で 「すべての~」 「少ないながらもすべての~」 という意味を表します。

what で始まる関係詞節は、主に動詞の目的語として働きます。

(5) I gave her what assistance I could give.
私は自分が与えられるすべての援助を彼女に与えた。

(6) I’ll lend you what few books I have.
少ないながらも私が持っている本はすべて貸してあげます。

(7) He spent what little money he had on gambling.
彼は少ない所持金のすべてをギャンブルに使った。

下線で示した関係詞節は、(5)では gave、(6)では lend、(7)では spent の目的語になっています。

複合関係形容詞

関係形容詞に -ever がついたものを「複合関係形容詞」と呼びます。-ever がつくことで「どの [どんな] ~でも」「~しようとも」という意味が加わることになります。

複合関係形容詞には whicheverwhatever があり、名詞節または副詞節を形成します。名詞節は「どの [どんな] ~でも」、副詞節は「どの [どんな] ~を…しようとも」という意味を表します。

名詞節 副詞節(譲歩)
whichever (限られた選択肢の中から)どの~でも (限られた選択肢の中から)どの~を…しようとも
whatever (不特定のものの中から)どんな~でも (不特定のものの中から)どんな~を…しようとも

(8) You may take whichever book you like.
あなたが好きなどの本を取っても構いません。

(9) I’ll buy you whatever book you like.
あなたが好きなどんな本でも買ってあげよう。

(10) Whichever book you borrow, you must return it by Monday.
どの本を借りたとしても月曜日までに返さなければなりません。

(11) Whatever book says that, I don’t believe it.
どんな本にそう書いてあろうとも、私はそれを信じない。

(8)(9)は名詞節、(10)(11)は副詞節の例になります。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次の英文を和訳しなさい。

1.We drove to Nagoya, at which station we took shinkansen.
2.He collected what little information he could find.
3.Whichever side wins, I don’t care.

解答

1.私たちは名古屋まで車で行き、その駅で新幹線に乗った。
2.彼は少ないながらも見つけられるすべての情報を集めた。 
3.どちらの側が勝ったとしても私は気にしない。

「関係形容詞」という名前を見ると何か難しいもののように思われますが、疑問詞の which(どれ)や what(何)が which book(どの本)what book(何の本)のように名詞を修飾する用法と同じように考えてもらえればOKです。