関係代名詞の所有格とは|whoseの使い方から先行詞が物のときの表現まで例文で解説

関係代名詞は「名詞」と「名詞を説明する節」を結びつける働きをします。この場合の「名詞」と「名詞を説明する節」はそれぞれ「先行詞」「関係詞節」と呼ばれます。

この記事では、関係詞節の中で所有の意味を表す「所有格の関係代名詞」について解説していきます。

所有格の関係代名詞とは

所有格の関係代名詞は、関係詞節の中で所有格の代名詞(my, your, his, her, its, our, their)の意味を表します。

例文で確認してみましょう。

(1) This is the girl whose mother visited our school yesterday.
こちらが昨日母親が私たちの学校を訪問した少女です。

(2) This is a computer whose speed is faster than mine.
これは私のよりスピードが速いコンピューターです。

(1)では、関係代名詞の whose が、先行詞の the girl を修飾する関係詞節 whose mother visited our school yesterday の中で、先行詞の所有格 (her) の働きをしています。(whose mother → her mother)

(2)でも同様に、関係代名詞の whose が先行詞 a computer の所有格 (its) の意味を表しています。(whose speed → its speed)

上の例のように、所有格の関係代名詞は、先行詞が人 (girl) でも人以外 (computer) でも whose を使います。また、whose の直後には必ず名詞が置かれ〈whose + 名詞〉の形になります。

主格の関係代名詞との違い

ここで所有格と主格の関係代名詞を比べてみましょう。

所有格 vs. 主格

(所有格)
This is the girl whose mother visited our school yesterday.
こちらが昨日母親が私たちの学校を訪問した少女です。

(主格)
This is the girl who visited our school yesterday.
こちらが昨日私たちの学校を訪問した少女です。

所有格の文で「学校を訪問した」のは先行詞の「少女」ではなく「彼女の母親」になります。一方、主格の文では先行詞の「少女」が「学校を訪問した」ことになります。

主格の関係代名詞については、こちらの記事で詳しく説明しています。

of which による言い換え

whose は先行詞が人以外の場合に of which を使って言い換えることができます。

(3) They live in a house whose roof is painted red.
彼らは屋根が赤く塗られた家に住んでいる。

(4) They live in a house the roof of which is painted red.
彼らは屋根が赤く塗られた家に住んでいる。

(3)と(4)の文はほぼ同じ意味ですが、(4)の方がフォーマルなニュアンスになります。

ただし、所有格は主に人を対象とするので、人以外が先行詞の場合に whose や of which が使われることはあまりありません。実際の英語では、前置詞の with を使って次のように表現するのが普通です。

(5) They live in a house with a red roof.
彼らは赤い屋根の家に住んでいる。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次の和文を whose, of which, with を用いて3通りに英訳しなさい。

  • 屋根が赤いあの建物は何ですか?
解答
  • What’s that building whose roof is red?
  • What’s that building the roof of which is red?
  • What’s that building with a red roof?

所有格の関係代名詞の単元では、whose, of which, with の使い分けをしっかりマスターしましょう。