分詞の叙述用法とは|基本的な意味や使い方・主格補語についても解説
分詞には現在分詞と過去分詞があり、次の3つの働きをします。
1)名詞を修飾する(限定用法)
2)補語になる(叙述用法)
3)副詞句として文全体を修飾する(分詞構文)
この記事では、2) の叙述用法について解説していきます。
- の限定用法と 3) の分詞構文についてはこちらの記事をご覧ください。
この記事に関連するQ&A
叙述用法
叙述用法
「叙述用法」とは、分詞が補語(C)として用いられる用法のことです。
補語(C) とは「主語や目的語を補って、その性質や状態を説明する語」を言います。
補語(C) は、英語の5文型のうち第2文型(SVC)と第5文型(SVOC)で使われます。
SV + 分詞(主格補語)
まずは、分詞が第2文型(SVC)の補語(C)になる場合から見ていきましょう。第2文型の補語は、主語(S)を補ってその性質や状態を説明するので、「主格補語」と呼ばれます。
keep + 分詞 / remain + 分詞
補語(C)に分詞をとる主な動詞には、keep と remain があり、〈keep + 分詞〉は「~の状態を続ける」、〈remain + 分詞〉は「~の状態のままだ」という意味になります。
(1) The baby kept crying.
その赤ん坊は泣き続けた。
(2) The dog’s eyes remain closed.
その犬の目は閉じられたままだ。
(1)の現在分詞 crying は「泣いている」という能動の意味を、(2)の過去分詞 closed は「閉じられている」という受け身の意味を表しています。
なお、SVC の文型では、「S = C」 の関係が成り立つので、上の例の kept と remain を be動詞に置き換えても文は成立します。
(1’) The baby was crying.
(2’) The dog’s eyes are closed.
come + 分詞 / sit + 分詞
普段は第1文型(SV)で使われる come や sit などの自動詞も、分詞を伴って SVC の構文を作ることがあります。
この場合、現在分詞は「~しながら」、過去分詞は「~されて」という意味を表します。
(3) She came laughing into the room.
彼女は笑いながら部屋に入ってきた。
(4) He sat surrounded by his friends.
彼は友人に囲まれて座っていた。
(3)(4)においても「S = C」 の関係が成り立っています。
この用法をもつ自動詞には、他に walk や stand などがあります。なお、〈go + 現在分詞〉は例外的に「~しに行く」という意味で使われます。
(5) I went shopping with my mother.
私は母と買い物に行った。
SVO + 分詞(目的格補語)
次に、分詞が第5文型(SVOC)の補語(C)になる場合を見てみましょう。第5文型の補語は、目的語(O)を補ってその性質や状態を説明するので、「目的格補語」と呼ばれます。
(5) I found my son sleeping on the sofa.
私は息子がソファーの上で眠っているのを見つけた。
(6) I usually keep the door locked.
私は普段そのドアの鍵をかけておく。
(5)の〈find + O + 分詞〉は「Oが~の状態にあるのを見つける」、(6)の〈keep + O + 分詞〉は「Oを~の状態にしておく」という意味になります。
(5)の現在分詞 sleeping は「眠っている」という能動の意味を、(6)の過去分詞 locked は「鍵がかけられている」という受け身の意味を表しています。
なお、SVOC の文型では、「O = C」 の関係が成り立つので、上の例の O と分詞との関係は、次のように be動詞で表すことができます。
(5’) My son was sleeping.
(6’) The door is locked.
使役動詞 (have / get) + O + 現在分詞
〈have / get + O + 現在分詞〉は「Oを~させる」「Oを~させておく」という意味を表します。
(7) He had the water running in the bathtub.
彼は浴槽に水を出したままにしていた。
(8) Can you get the clock going again?
時計をまた動かすことはできますか?
上の例のように、have は「~させておく」、get は「~させる」という意味でよく使われます。
使役動詞 (have / get) + O + 過去分詞
(9) She had her hair cut yesterday.
彼女は昨日髪を切ってもらった。
(10) He had a fight and got his arm broken.
彼はけんかをして腕を折られた。
(11) Get this job done by tomorrow.
この仕事を明日までに終わらせなさい。
〈have / get + O + 過去分詞〉は、(9)のように「Oを~してもらう」という意味になる場合と、(10)のように「Oを~される」という「被害」を表す場合があります。
また、(11)のように「Oを~し終える」という「完了」の意味を表すこともできます。
〈使役動詞 + O + 分詞〉の構文で注意すべき表現に make oneself understood があります。「自分のことを理解してもらう」という意味で使われます。
例:I couldn’t make myself understood in English.(私の英語は通じなかった。)
知覚動詞 (see) + O + 分詞
〈see + O + 現在分詞〉は「Oが~しているのが見える」、〈see + O + 過去分詞〉は「Oが~されるのが見える」という意味を表します。
(12) I saw Bob entering the building.
ボブがその建物に入っていくのが見えた。
(13) I saw a car stopped by a police officer.
車が警官に止められるのが見えた。
(12)の現在分詞 enetring は「入っていく」という能動の意味を、(13)の過去分詞 stopped は「止められる」という受け身の意味を表しています。
この構文に使用される知覚動詞には、次のようなものがあります。
知覚動詞 | 現在分詞 | 過去分詞 |
---|---|---|
〈see + O + 分詞〉 | 〜しているのが見える | 〜されるのが見える |
〈hear + O + 分詞〉 | ~しているのが聞こえる | ~されるのが聞こえる |
〈watch + O + 分詞〉 | ~しているのを見る | ~されるのを見る |
〈look at + O + 分詞〉 | ~しているのを見る | ~されるのを見る |
〈feel + O + 分詞〉 | ~しているのを感じる | ~されるのを感じる |
〈listen to + O + 分詞〉 | ~しているのを聞く | ~されるのを聞く |
-
I saw him waliking across the street.
彼が通りを横切っているのが見えた。 -
I saw him walk across the street.
彼が通りを横切るのが見えた。
現在分詞 (walking) の文が「横切っている最中を見た」という意味になるのに対し、原形 (walk) の文は「横切るのを最後まで見ていた」という意味になります。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
次の日本文に合うように( )内に適切な英語を補充しなさい。
-
私たちは30分立ち話をした。
We ( )( )for 30 minutes. -
彼は私を30分待たせた。
He ( )( )( )for 30 minutes. -
昨日私は財布を盗まれた。
I ( )( )( )( )yesterday. -
私は自分の名前が呼ばれるのが聞こえた。
I ( )( )( )( ).
-
stood talking
-
kept me waiting
-
had my wallet stolen
-
heard my name called
現在分詞と過去分詞の違いは試験でよく問われるテーマなので、しっかり学習しておきましょう。