英語の話法とは|間接話法と直接話法の違いや書き換え方を例文と練習問題付きで解説

誰かが以前に話した内容を改めて人に伝える方法を「話法」といいます。話法には、話された言葉をそのまま伝える「直接話法」と、伝え手が自分の言葉に言い換えて伝える「間接話法」があります。

(1) She said to me, “I saw you yesterday.”
彼女は「私は昨日あなたを見かけた」と私に言った。

(2) She told me (that) she had seen me the day before.
彼女は前の日に私を見かけたと私に言った。

(1)が直接話法、(2)が間接話法の例になります。赤で示した部分は「伝達節」、紫で示した部分は「被伝達部」と呼ばれます。

この記事では、直接話法を間接話法に転換する方法について詳しく見ていきます。

平叙文の話法の転換

平叙文では、以下の①~⑤の手順で話法を転換します。
① 伝達動詞 say [said] totell [told] に変えます。say [said] 単独の場合はそのまま使います。
② コンマと引用符を外し、伝達節と被伝達部を接続詞の that でつなぎます。(この that は省略可能です。)
伝達動詞が過去時制の場合、被伝達部の時制を時制の一致の法則に従って変えます。

時制の一致

伝達動詞が過去時制の場合、直接話法・間接話法の被伝達部の時制は下の表のようになります。

直接話法の被伝達部 間接話法の被伝達部
現在形 過去形
現在進行形 過去進行形
現在完了形 過去完了形
過去形 過去完了形
過去進行形 過去完了進行形
will, can, may would, could, might

冒頭の例文では、直接話法の被伝達部が過去形、間接話法の被伝達部が過去完了形になっています。

なお、伝え手が話している時点でも被伝達部の内容が成り立つ場合は、伝達動詞が過去時制であっても、被伝達部を現在時制のままにすることができます。

  • He said (that) Mary is going to get married next month.
    彼はメアリーが来月結婚することになっていると言った。
    (結婚する予定であることは伝え手が話している時点でも変わっていない。)

④ I, you, we などの人称代名詞を伝え手の視点に従って変えます。(冒頭の例文では、(1)の I, you が(2)では she, me に変わっています。)

⑤ 指示語や場所・時の表現を、以下の表に従って変えます。

指示語、場所・時の表現
直接話法 間接話法
this that
these those
here there
now then
… ago … before
today that day
tonight that night
yesterday the day before / the previous day
last night the night before / the previous night
tomorrow the next day / the following day
next week the next week / the following week

冒頭の例文では、(1)の yesterday が(2)では the day before に変わっています。

なお、状況によってはこの表の通りにならないこともあります。例えば、発言内容をその日のうちに伝えていれば、yesterday を the day before に変える必要はなく、発言を伝えている場所がその発言が行われた場所と同じであれば here を there に変える必要はありません。

疑問文の話法の転換

疑問詞を含む疑問文

疑問詞を含む疑問文では、以下の①~⑤の手順で話法を転換します。
① 伝達節と被伝達部を疑問詞でつなぎます。
② 伝達動詞を ask に変えます。
③ 被伝達部の主語と動詞の語順を平叙文の語順に直します。
④ 疑問符をピリオドに変えます。
⑤ その他のことは平叙文の話法の転換に準じます。

(3) He said to me, "Where does your brother live?"
彼は私に「お兄さんはどこに住んでいるの?」と言った。

(4) He asked me where my brother lived.
彼は私に私の兄がどこに住んでいるか尋ねた。

(5) He said to her, "How old are you?"
彼は彼女に「何歳ですか?」と言った。

(6) He asked her how old she was.
彼は彼女に何歳か尋ねた。

(7) She said, "What happened?"
彼女は「何が起きたの?」と言った。

(8) She asked what had happened.
彼女は何が起きたのか尋ねた。

Yes/No 疑問文

Yes/No 疑問文では、以下の①~⑤の手順で話法を転換します。
① 伝達節と被伝達部を if または whether でつなぎます。
② 伝達動詞を ask に変えます。
③ 被伝達部の主語と動詞の語順を平叙文の語順に直します。
④ 疑問符をピリオドに変えます。
⑤ その他のことは平叙文の話法の転換に準じます。

(9) She said to me, “Are you hungry?”
彼女は私に「お腹がすいていますか?」と言った。

(10) She asked me if [whether] I was hungry.
彼女は私にお腹がすいでいるか尋ねた。

(11) She said to her mother, "May I go shopping with you?"
彼女は母親に「一緒に買い物に行ってもいいですか?」と言った。

(12) She asked her mother if [whether] she might go shopping with her.
彼女は母親に一緒に買い物に行ってもいいか尋ねた。

命令文の話法の転換

命令文では、以下の①~③の手順で話法を転換します。
① 伝達動詞を被伝達部の内容や丁寧さなどに応じて tell, ask, order, advise などに変えます。
② 被伝達部を to不定詞で始めます。否定の命令文の場合は〈not + to不定詞〉で始めます。
③ その他のことは平叙文の話法の転換に準じます。

(13) He said to me, “Go to see Mike tomorrow.”(命令)
彼は私に「明日マイクに会いに行きなさい」と言った。

(14) He told [ordered] me to go to see Mike the next day.
彼は私に翌日にマイクに会いに行くように言った [命じた]。

(15) She said to me, “Please wait here.”(依頼)
彼女は私に「ここで待っていてください」と言った。

(16) She asked me to wait there.
彼女は私にそこで待つように頼んだ。

(17) The doctor said to him, “Don’t work too hard.”(忠告)
医師は彼に「あまり働きすぎないように」と言った。

(18) The doctor told [advised] him not to work too hard.
医師は彼にあまり働きすぎないように言った [忠告した]。

Let’s で始まる命令文(または Shall we で始まる疑問文)の場合は、〈suggest [propose] (to + 人) that S (should) …〉という形に転換します。この場合、that は省略しないのが普通です。

(19) She said to me, "Let’s go out for a walk."
彼女は私に「散歩に出かけよう」と言った。

(19’) She said to me, "Shall we go out for a walk?"
彼女は私に「散歩に出かけましょうか?」と言った。

(20) She suggested [proposed] to me that we (should) go out for a walk.
彼女は私に散歩に出かけることを提案した。

(20)のように、suggest や propose に続く that節内では、助動詞の should を省略した場合でも、動詞は原形を使います。

感嘆文の話法の転換

感嘆文では、以下の①~④の手順で話法を転換します。
① 伝達動詞を cryexclaim などに変えます。
② 被伝達部では howwhat をそのまま使うか、very などを用いて that節に書き換えます。
③ 状況に応して、in joy, with regret, in anger などの感情を表す語句を加えます。
④ その他のことは平叙文の話法の転換に準じます。

(21) She said, “How careless I am!”
彼女は「私は何て不注意なんだろう!」と言った。

(22) She cried [exclaimed] how careless she was.
彼女は自分は何て不注意なのかと叫んだ。

(22’) She cried [exclaimed] with regret (that) she was very careless.
彼女は自分が非常に不注意だと、後悔とともに叫んだ。

その他

被伝達部が重文の場合

直接話法の被伝達部が and, but, or などの等位接続詞で結ばれている場合、間接話法では2つの that節を同じ等位接続詞で結びます。この場合、等位接続詞の後の that は省略できません。

(23) He said, "I don’t feel well, but I have to go to school."
彼は「気分が良くないけど学校に行かなくちゃ」と言った。

(24) He said (that) he didn’t feel well but that he had to go to school.
彼は気分が良くないが学校に行かなければならないと言った。

被伝達部が種類の異なる文の組合せの場合

直接話法の被伝達部が「平叙文 + 疑問文」のように異なる文の組合せとなっている場合は、それぞれの文を異なった伝達動詞を用いて述べ、and や but などの接続詞でつなげます。

(25) She said to me, "You look pale. Are you tired?"
彼女は私に「顔色が悪いよ。疲れたの?」と言った。

(26) She told me (that) I looked pale and (she) asked (me) if I was tired.
彼女は私に顔色が悪いと言い、疲れているのかと尋ねた。

練習問題

練習問題

次の英文を間接話法に書き換えなさい。

1.He said to me,“I arrived here three days ago.”

2.I said to him, “Where have you been?”

3.He said to her, “Are you ready now?”

4.She said to me, “Please wait until I return.”

5.He said to her, “Let’s play tennis.”

6.He said, “What a good idea it is!”

7.He said, “My mother has been ill, but she is getting better.”

8.She said to the waiter, “I haven’t decided yet. Can you recommend something?”

解答

1.He told me (that) he had arrived there three days before.

2.I asked him where he had been.

3.He asked her if she was ready then.

4.She asked me to wait until she returned.

5.He suggested [proposed] to her that they (should) play tennis.

6.He cried [exclaimed] what a good idea it was. または 
  He cried [exclaimed] that it was a very good idea.

7.He said (that) his mother had been ill but that she was getting better.

8.She told the waiter (that) she hadn’t decided yet and (she) asked (him) if he could recommend something.

話法の転換には様々なパターンがあり、注意すべき点も数多くあります。上の練習問題で重要事項の定着度が確認できますので、何度でも解いてみてください。