等位接続詞とは|and・orなどの意味や用法・従位接続詞との違いも解説

接続詞」とは、語・句・節などの文の要素同士をつなぐ働きをする品詞のことで、「等位接続詞」と「従位接続詞」の2種類に分類されます。この記事では、等位接続詞について詳しく解説します。

等位接続詞の用法

等位接続詞は「語と語」「句と句」「節と節」を対等の関係で結ぶ接続詞で、and, but, or, nor, so, for の6種類があります。

まずは、and の用法から見ていきましょう。

and

and は、文法上対等な語・句・節を結んで、「…と~」「…そして~」「…したり~したり」といった意味を表します。

(1) John and I are in the same group.
ジョンと私は同じグループだ。(名詞と名詞)

(2) This is between you and me.
これは私たち2人だけの話だ。(代名詞と代名詞)

(3) We sang and danced.
私たちは歌ったり踊ったりした。(動詞と動詞)

(4) He wend up and down the stairs.
彼は階段を上ったり下りたりしていた。(前置詞と前置詞)

(5) People came in and out.
人々は出たり入ったりしていた。(副詞と副詞)

(6) Early to bed and early to rise makes us healthy, wealthy, and wise.
早寝早起きは人を健康に、裕福に、そして賢明にする。(句と句、および形容詞と形容詞)

(7) Joe played the guitar and I played the piano.
ジョーがギターを弾き、私がピアノを弾いた。(節と節)

(6)の形容詞の例のように、3つ以上の語句をつなぐ場合は、A, B, and C のように最後の語句の前に and を置きます。(and の前のコンマは省略可能)

and で結ばれた名詞が同一人物を示す場合

and で結ばれた名詞が同一人物を示す場合は単数扱いになり、後の名詞には冠詞をつけません。

(8) The poet and novelist is popular among young people.
詩人で小説家でもあるその人は若者に人気がある。

時間的順序や因果関係を表す and

and が、時間的順序や因果関係を表すこともあります。

(9) She found the key and opened the door.
彼女は鍵を見つけ、それからドアを開けた。(時間的順序)

(10) He was very tired and went to bed early.
彼はとても疲れていたので早く寝た。(因果関係)

but

but は、文法上対等な語・句・節を結んで、前述の内容との対照・対比・差異などを表します。

(11) This restaurant serves cheap but good food.
このレストランは値段は安いがおいしい料理を出す。(形容詞と形容詞)

(12) I’ve decided not to buy it but to rent it.
私はそれを買うのではなく借りることにした。(不定詞句と不定詞句)

(13) I’d like to go, but I can’t.
行きたいのですが行けません。(節と節)

(12)のように〈not A but B〉の形になる場合は、「AではなくB」という意味になります。

and と but の使い分け

日本語で「~だが」「~ですが」と表現する場合でも、前後の内容が論理的に対立していなければ but ではなく and を使います。

 My car is black, and yours is white.
X My car is black, but yours is white.
私の車は黒だが君のは白だ。

 I have three daughters, and all of them are married.
X I have three daughters, but all of them are married.
私には娘が3人いますが、みな結婚しています。

or

or は、文法上対等な語・句・節を結んで、「…か~」「…または~」「…それとも~」といった意味を表します。

(14) I want to go to Italy, Spain, or Greece this summer.
私はこの夏、イタリアかスペインかギリシャに行きたい。(名詞と名詞)

(15) Is Betty at home or at school?
ベティーは家にいますか、それとも学校にいますか?(句と句)

(16) Will you come to see me, or shall I visit you?
こちらへいらっしゃいますか、それともそちらへ伺いましょうか?(節と節)

(14)のように、3つ以上の語句をつなぐ場合は、A, B, or C のように最後の語句の前に or を置きます。(or の前のコンマは省略可能)

否定文で使われる or

or が否定文で使われると、「どちらも~ない」「どれも~ない」という意味になります。

(17) I don’t have any brothers or sisters.
私には兄弟も姉妹もいない。

(18) I’m not free on Monday, Tuesday, or Wednesday.
私は月曜も火曜も水曜も時間が取れない。

言い換えに使われる or

or が「すなわち」「つまり」という意味で言い換えに使われることがあります。この場合、or の前にはコンマが置かれます。

(19) He studies psychology, or the science of the mind.
彼は心理学、すなわち心の科学を研究している。

nor

nornot, never, no, neither などの否定語の後で使われ、「~もない」という意味を表します。

なお、not, never, no の後では、nor の代わりに or を使うこともできます。(or の方がくだけた言い方で意味も弱くなります。)

(20) I couldn’t move nor [or] speak.
私は動くことも話すこともできなかった。

(21) I speak neither French nor German.
私はフランス語もドイツ語も話しません。

(22) This work cannot be done by you nor (by) me nor (by) anyone else.
この仕事は、あなたにも私にもまた他の誰にもできない。

(23) He was not disappointed, nor was he surprised.
彼は失望もしていなかったし、驚いてもいなかった。

(24) “I don’t like him.” - “Nor do I.”
「私は彼が好きではありません。」-「私もです。」

(22)のように、3つ以上の語句をつなぐ場合は、2つ目以降の語句の前に nor を置きます。

(23)(24)のように、nor の後に節が続く場合は「倒置」が起こります。

so / for

sofor は、「節と節」のみを結ぶ等位接続詞で、直前にコンマが置かれます。so は前の節の「結果」や「結論」を示す節を導き、for は前の節の「理由」や「根拠」を示す節を導きます。

so は、“so that” または “and so” の省略表現です。

for はやや堅い表現で、話し言葉ではあまり使われません。

(25) It was raining, so the game was cancelled.
雨が降っていたので、試合は中止になった。

(26) I trusted him, for he had been my friend for over ten years.
私は彼を信頼していた。それは、彼が10年以上の友人だったからだ。

等位接続詞を用いた表現

命令文 + and / 命令文 + or

命令文“must”, “have to”, “had better” などを含む文の後で使われる and は「そうすれば」という意味に、or は「さもないと」という意味になります。

(27) Hurry up, and you’ll be in time for school.
急ぎなさい。そうすれば学校に間に合うよ。

(28) Hurry up, or you’ll be late for school.
急ぎなさい。さもないと学校に遅れるよ。

both A and B / either A or B / neither A nor B

both A and B〉は「AとBの両方とも」、〈either A or B〉は「AかBのどちらか」、〈neither A nor B〉は「AもBも~ない」という意味を表します。

(29) I can speak both English and Spanish.
私は英語とスペイン語のどちらも話せる。

(30) Either you or your brother needs to be here.
あなたかお兄さんのどちらかがここにいる必要がある。

(31) I neither drink nor smoke.
私は酒もたばこもやらない。

either A or B〉や〈neither A nor B〉が主語になる場合は、(30)のように、動詞をBに合わせます

not A but B / not only A but (also) B

not A but B〉は「AではなくB」、〈not only A but (also) B〉は「AだけではなくBも」という意味を表します。

(32) Not you but I am the leader.
あなたではなく私がリーダーだ。

(33) I dislike not what she says but how she says it.
私は彼女の言うことではなく言い方が気に入らない。

(34) Not only you but (also) he has the right.
あなただけでなく彼にもその権利がある。

(35) Not only did he take the bribe but he (also) lied about it.
彼はわいろを受け取っただけでなく、そのことに関してうそをついた。

not A but B〉や〈not only A but (also) B〉が主語になる場合は、(32)(34)のように、動詞をBに合わせます

また、〈not only A but (also) B〉が文頭に出た場合、(35)のように「倒置」が起こることがあります。

従位接続詞とは

文が複数の節から構成されるとき、文の中心になる節を「主節」、補助的に働く節を「従属節」と呼びます。

従属節は、文の中で名詞・形容詞・副詞の働きをし、それぞれ「名詞節」「形容詞節」「副詞節」と呼ばれます。

従属節を導く接続詞は「従位接続詞」と呼ばれ、名詞節を導くものと副詞節を導くものの2種類に分類されます。(形容詞節は、関係代名詞と関係副詞に導かれます。)

主な従位接続詞一覧

主な従位接続詞を以下の表にまとめました。

従位接続詞 意味
that ~ということ
when ~する時に
while ~する間に
as ~する時に / ~なので / ~のように
before ~する前に
after ~した後に
because ~なので
since ~して以来 / ~なので
until ~するまで
as soon as ~するとすぐに
if もし~ならば / ~かどうか
unless ~の場合を除いて / ~でない限り
once いったん~すると
as long as ~しさえすれば / ~する限り
as far as ~の限りでは / ~に関する限り
in case ~の場合は / ~するといけないから
(even) though / although ~だけれども / ~にもかかわらず
even if たとえ~でも
whether ~かどうか / ~であろうとなかろうと
so 〜 that … とても~なので… / ~なほど…
such 〜 that … とても~なので…
so that ~するために / ~するように
in order that ~するために / ~するように

従位接続詞の中でも特に重要な “as”“so ~ that …”“so that” については、以下の記事で詳しく説明しています。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

以下の文中の空所に適切な等位接続詞を入れなさい。

1.Take a day off, (  ) you’ll get sick.

2.Excuse me, (  ) can you tell me the time?

3.Whose hat is this, yours (  ) his?

4.This book is both interesting (  ) instructive.

5.He never smokes, (  ) does he drink.

6.You must choose either French (  ) German besides English.

7.Try hard, (  ) you will succeed.

8.Jim had a bad cold, (  ) his mother took him to the doctor.

9.We must start early, (  ) we have a long way to go.

10.He is not my brother (  ) my cousin.

解答

1. or

2. but

3. or

4. and

5. nor

6. or

7. and

8. so

9. for

10. but

等位接続詞は数が限られているので、用法や成句をまとめて覚えてしまいましょう。