接続詞asの使い方|コアイメージから7つの用法と意味・訳し方まで例文付きで解説

英語の as という単語には、接続詞、前置詞、副詞、関係代名詞という4つの用法がありますが、接続詞としての as は多くの異なった意味を表すため、特に注意が必要です。

この記事では、接続詞の as をテーマに、その表す意味を7つに分けて解説していきます。

as のコアイメージ:核となる意味

as は「まったく同様に」を意味する “all so” という表現を語源としています。したがって、現在の as が表す様々な意味の背景には、「同様に」という「核となる意味」が存在していることになります。

下の図は、as のコアイメージを示したものです。「2つの並べられた物事が等しい関係にある」というのが、as が表す基本的な概念になります。

asイメージ

前置詞・副詞・関係代名詞としての as

接続詞としての as を取り上げる前に、前置詞・副詞・関係代名詞としての as について見ておきましょう。

(1) She is working as a nurse.【前置詞
彼女は看護師として働いている。

(2) As a child, he lived in Kyoto.【前置詞
子供の時、彼は京都に住んでいた。

(3) I regard him as a genius.【前置詞
私は彼を天才だと考える。

(4) He is as tall as his father (is).【副詞
彼は父親と同じくらい背が高い。

(5) I’m looking for such a movie as will interest him.【関係代名詞
私は彼が興味を持つような映画を探している。

(6) He usually wears the same kind of clothes as I wear.【関係代名詞
彼はたいてい私が着るのと同じような服を着ている。

(7) He was late for school, as is often the case with him.【関係代名詞
彼は学校に遅れてきたが、それは彼にはよくあることだ。

前置詞としての as は、例文(1)(2)のように「~として」「~の時」という意味を表したり、(3)のように〈他動詞 + 目的語 + as …〉の形で補語を導いたりします。

副詞としての as は、例文(4)のように、基本的に〈as ~ as 〉の構文で使われます。この場合、前の as が副詞で、「同じくらい」という意味を表します。後ろの as は接続詞なので、次の項で詳しく説明します。

関係代名詞としての as は、通常 suchsame などの語と相関的に使われます。例文(5)では主格、(6)では目的格の関係代名詞として使われています。

(7)の as is often the case with ~ は「~にはよくあることだ」という意味の成句で、as は前の節を先行詞とする非制限用法の関係代名詞として働いています。

接続詞としての as

この項では、接続詞としての as の用法を以下の7つに分けて説明していきます。

用法 意味
比較 ~と同じくらい
様態 ~(する)ように
~すると同時に / ~する間 / ~しながら
比例 ~するにつれて
理由 ~なので
譲歩 ~だけれども / いかに~しても
名詞節を導く ~かどうか

このうち、上の4つは as 本来の意味に近い用法ですが、下の3つは元の意味から離れた用法になっています。

「比較」の as:「~と同じくらい」

~と同じくらい」を意味する接続詞の as は〈as ~ as …〉の構文で使われます。この構文については、もう一度例文(4)を使って説明します。

(4) He is as tall as his father (is).
彼は父親と同じくらい背が高い。

この文では as が2回使われていますが、それぞれ品詞が異なります。

前にある as は「同じくらい」という意味を表す副詞で、直後に置かれた形容詞の tall を修飾しています。

後ろにある as は 接続詞で、直後に節を伴って「~と同じくらい」という意味を表します

つまり、“He is as tallas his father (is).” という文は、前半の「彼は同じくらい背が高い」という部分と、後半の「父親と同じくらい」という2つの部分から成り立っています。

「様態」の as:「~(する)ように」

~(する)ように」を意味する as は使用頻度が高く、定型表現も数多くあります。

(8) Do as I told you.
私が言ったようにしなさい。

(9) As I mentioned before, English ability is very important.
以前にも述べたように、英語の能力はとても重要です。

定型表現

as usual(いつものように)
as always(いつものように)
as you know(ご存じのように)
as I said [say, was saying](申し上げた [申し上げている、申しあげていた] ように)
as I remember(私の記憶では)
as I understand [see] it(私の理解では)

この用法の as節が主語と助動詞 (またはbe動詞) のみからなる場合、しばしば倒置が起こります。

(10) I walk to school as do most of my classmates.
私はほとんどの級友と同じように徒歩で学校へ行く。

「時」の as:「~すると同時に」「~する間」「~しながら」

「時」を表す as は、似た意味を表す接続詞の whenwhile より同時性を強く表します。

(11) As he entered the room, applause broke out.
彼が部屋へ入ると同時に拍手が起こった。

(12) The phone rang just as I was leaving.
私が出かけようとしていたちょうどそのとき電話が鳴った。

2つの出来事や行為が同時に進行中である場合は「~する間」「~しながら」という意味になります。

(13) As Bill was taking a bath, Jim was watching TV.
ビルが風呂に入っている間、ジムはテレビを見ていた。

(14) She was trembling as she listened to the story.
その話を聞きながら彼女は震えていた。

「比例」の as:「~するにつれて」

as が「~するにつれて」という「比例」の意味を表す場合、述べられている内容が時間的に長くなりますが、基本的な意味は「時」の用法と同じになります。

(15) As the sun rose, the fog dispersed gradually.
太陽が昇るにつれて霧が徐々に晴れた。

(16) As he grew older, he became more confident.
彼は年をとるにつれて自信を深めていった。

「比例」の as は、(16)のように、しばしば〈become [grow, get] + 比較級〉という構文と共に用いられます。

なお、(16)の文は次のように書き換えることができます。

(16’) The older he grew, the more confident he became.

「理由」の as:「~なので」

~なので」を意味する as は、似た意味を表す becausesince より弱い因果関係を表します。

接続詞の as には多くの意味があるので、原因や理由であることを明確に示す場合は、becausesince が使われます。

(17) As it was raining, we decided to stay home.
雨が降っていたので家にいることにした。

(18) As she wasn’t ready, we left without her.
彼女の準備ができていなかったので、私たちは彼女を置いて出かけた。

譲歩の as:「~だけれども」「いかに~しても」

~だけれども」「いかに~しても」を意味する as は〈形容詞 [副詞、動詞] + as + SV〉という構文で、主に書き言葉で使われます。

(19) Poor as he was, he was happy.
(= Though he was poor, he was happy.)
彼は貧乏だが幸せだった。

(20) Much as I admire him, I don’t like him.
(= Though I admire him much, I don’t like him.)
彼のことは大いに尊敬するが、好きではない。

(21) Try as you may, it will be impossible.
(= However hard you may try, it will be impossible.)
君がいかに頑張ってもそれは不可能だろう。

なお、同じ構文が「理由」の意味を表すこともあります。

(22) Short as he was, he couldn’t see anything.
彼は背が低かったので何も見えなかった。

名詞節を導く as:「~かどうか」

know, say, see, think などの動詞を含む否定文で、as が「~かどうか」という意味で使われることがあります。

これはくだけた話し言葉における非標準的な用法で、通常は ifwhether が使われます。

(23) I don’t know as [if, whether] he’s coming today.
彼が今日来るかどうか分からない。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次の文を和訳しなさい。

(1) She has as good a voice as you.

(2) His latest novel was banned, as were his other novels.

(3) Tom came in just as Joe went out.

(4) As we went up the mountain, the air grew colder.

(5) I couldn’t attend the meeting as I was ill.

(6) Strange as it may seem, there was nobody in the room.

解答

(1) 彼女はあなたと同じくらい良い声をしている

(2) 彼の他の小説と同じように、彼の最新作も発売禁止になった。

(3) ジョーが出て行くのと同時にトムが入ってきた。

(4) 山を登るにつれて空気は冷たくなった。

(5) 私は具合が悪かったので会議に出席できなかった。

(6) 奇妙に思われるかもしれないが、部屋には誰もいなかった。

as は意味や用法が多岐にわたるので、学習者にとってはとても厄介な単語です。この記事で基本を押さえたら、後はなるべく多くの英文に触れて語感をしっかり身につけるようにしましょう。