関係代名詞whatの慣用表現|as・than・butを使った構文までまとめて解説

この記事では、「関係代名詞の慣用表現」を紹介していきます。ここで取り上げる関係代名詞は what, as, than, but の4語です。

what は先行詞を中に含む関係代名詞で「(~する)こと」「(~する)もの」という意味を表します。

as, than, but の3語は、関係代名詞には分類されませんが、文の中で関係代名詞として使われることがあります。

様々な慣用表現を学習することで、関係代名詞の理解を深めていただければと思います。

what を用いた慣用表現

表現 意味
what is called C いわゆる C
what S is (today) 現在の S
what is more そのうえ
what with A and (what with) B A やら B やらで
A is to B what [as] C is to D A の B に対する関係は C の D に対する関係に等しい

(1) This is what is called “a new method”.
これがいわゆる「新方式」です。

(2) His father made him what he is (today).
彼の父親が彼を現在の彼にした。

(3) He is bright, and what is more, he studies hard.
彼は頭が良く、そのうえ熱心に勉強する。

(4) What with the strong wind and (what with) the heavy rain, I cannot leave the hotel.
強い風やら豪雨やらで、ホテルを出発できません。

(5) Air is to us what [as] water is to fish.
空気と人間の関係は、水と魚の関係と同じである。

(1)の what is called C は「いわゆる C」という意味を表します。C の部分には、関係詞節の主語の what を説明する補語 (名詞(句)または形容詞(句))が入ります。what we [you, they] call C という形でも使われます。

(2)の what S is (today) は「現在の S」という意味を表します。S の部分には、関係詞節の主語が入ります。what S was または what S used to be のようにすると、「かつての S」という意味になります。

(3)の what is more は「そのうえ」という意味を表します。一般に〈what + be動詞 + 比較級〉で「さらに~なことに」という意味になります。

〈what + be動詞 + 比較級〉の例
  • We were tired, and what was worse, it began to rain.
    私たちは疲れていた。そして、さらに悪いことに雨が降り出した。

(4)の what with A and (what with) B は「A やら B やらで」という意味で、主に文頭に使います。通常、悪い事態の原因を表します。なお、この what は関係代名詞ではなく副詞になります。

(5)の A is to B what [as] C is to D は「A の B に対する関係は C の D に対する関係に等しい」という意味になります。what 以下には、A と B の関係を説明する例が来ます。数学的な内容の文の場合は、what ではなく as を使うのが普通です。

as を用いた慣用表現

表現 意味
such ~ as … …するような~
the same ~ as … …するのと同じ~
as is often the case with ~ ~にはよくあることだ

(6) I’m looking for such a movie as will interest him.
私は彼が興味を持つような映画を探している。

(7) He usually wears the same kind of clothes as I wear.
彼はたいてい私が着るのと同じような服を着ている。

(8) He was late for school, as is often the case with him.
彼は学校に遅れてきたが、それは彼にはよくあることだ。

assuchthe same などの語句を受けて関係代名詞の働きをすることがあります。

(6)の as は前にある such を受けて、a movie を先行詞とする主格の関係代名詞として働いています。

(7)の as は前にある the same を受けて、kind of clothes を先行詞とする目的格の関係代名詞として働いています。

(8)の as is often the case with ~ は「~にはよくあることだ」という意味の成句で、as主節全体を先行詞とする非制限用法の関係代名詞として働いています。なお、この表現は先行詞となる節の前に置くこともできます。

(8’) As is often the case with him, he was late for school.
彼にはよくあることだが、彼は学校に遅れてきた。

than を用いた慣用表現

表現 意味
比較級 + than ~ ~以上の [に]

than は、関係代名詞と同じように、主節に続く節の中で主語や目的語の働きをすることがあります。

(9) He gave me more work than I could handle.
彼は私が処理できる以上の仕事を私に与えた。

(10) I finished the job earlier than had been expected.
私は予想されていた以上に早く仕事を終わらせた。

(9)の than は handle の目的語の働きを、(10)の than は had been expected の主語の働きをしています。

but を用いた慣用表現

表現 意味
no [not] ~ but … …ない〜はない

but は否定文の中にある語を先行詞として、二重否定の意味を表す関係代名詞として使われることがあります。

(11) There was no one but thought he was dead.
彼が死んでいると思わなかった人は誰もいなかった。

(12) There is not one of us but wishes to be happy.
幸せになることを願わない人は一人もいない。

ただし、but がこの用法で使われることはあまりなく、通常は関係代名詞の thatwho を用いて次のように表現します。

(11’) There was no one that [who] did not think he was dead.
彼が死んでいると思わなかった人は誰もいなかった。

(12’) There is not one of us that [who] does not wish to be happy.
幸せになることを願わない人は一人もいない。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次の英文を和訳しなさい。

1.He said it, and what was more important, he did it himself.

2.I’m not such a person as he is.

3.Let’s not spend any longer on this than is necessary.

4.There was no one there but shed tears.

解答

1.彼はそう言ったが、さらに重要なことに、自分でそれを実行した。

2.私は彼のような人間ではない。

3.このことに必要以上に時間をかけないようにしよう。

4.涙を流さなかった者はそこにはいなかった。

今回紹介した表現は、必ずしも広く一般に用いられているものばかりではありませんが、空所補充や正誤問題等で狙われるポイントですので、しっかり学習しておきましょう。