複合関係副詞|wherever・whenever・howeverの使い分けについて解説
関係副詞に -ever がついたものを「複合関係副詞」と呼びます。-ever がつくことで「~ならどんな … でも」「~しようとも」という意味が加わることになります。
また、複合関係副詞は中に先行詞を含みます。
今回は、この複合関係副詞について詳しく解説していきます。
なお、関係副詞についてはこちらの記事で解説しています。
複合関係副詞とは
複合関係副詞とは
複合関係代副詞には、wherever, whenever, however の3語があり、下の表のように2種類の副詞節を形成します。
副詞節① | 副詞節②(譲歩) | |
---|---|---|
wherever | 〜する所ならどこでも | どこで〜しようとも |
whenever | 〜する時はいつでも | いつ〜しようとも |
however | - | どれほど〜でも どのように〜しても |
wherever と whenever が「副詞節①」の意味になるか「副詞節②」の意味になるかは文脈によります。
まずは、副詞節①の用法から見ていきましょう。
この記事に関連するQ&A
副詞節①:「〜ならどんな … でも」
副詞節①:「〜ならどんな … でも」
「~ならどんな … でも」という意味の副詞節を形成するのは、wherever と whenever です。
wherever は「~する所ならどこでも」、whenever は「~する時はいつでも」という意味を表します。
(1) You can put the box wherever you like.
その箱は好きな場所ならどこに置いても構いません。
(2) Lock the door whenever you go out.
出かける時はいつでもドアの鍵をかけなさい。
(3) Whenever I fly, I feel nervous.
私は飛行機に乗る時はいつでも不安になる。
例文(1)~(3)の下線で示した部分が副詞節、残りの部分が主節になります。これらの副詞節は主節を修飾する働きをしています。
また、複合関係副詞は、副詞節の中における「副詞」の働きと、主節と副詞節を結びつける「接続詞」の働きを兼ねています。
関係副詞 where / when による置き換え
「~ならどんな … でも」を意味する wherever と whenever は、関係副詞の where、when を用いて、〈at [in, on] any place where〉、〈at any time when〉のように表現することができます。なお、この構文で使われる関係副詞の where や when は省略することができます。
例文(1)(2)を関係副詞を使って書き換えると、次のようになります。
(1’) You can put the box on any place (where) you like.
その箱は好きな場所ならどこに置いても構いません。
(2’) Lock the door at any time (when) you go out.
出かける時はいつでもドアの鍵をかけなさい。
副詞節②:「~しようとも」
副詞節②:「~しようとも」
次に「~しようとも」という「譲歩」の意味を表す複合関係副詞について見ていきます。この用法で使われるのは、wherever、whenever、however の3種類です。
wherever は「どこで~しようとも」、whenever は「いつ~しようとも」という意味を表します。
however は、形容詞や副詞の前で使う場合は「どれほど~でも」という意味を、直後に「主語 + 動詞」が続く場合は「どのように~しても」という意味を表します。
(4) Wherever you go, I’ll follow you.
あなたがどこに行こうと、私はあなたについていきます。
(5) Whenever you come, I’ll be ready.
あなたがいつ来ようと、準備はできています。
(6) However busy she is, she walks her dog.
彼女はどれほど忙しくても、犬を散歩させる。
(7) However hard you work, you won’t be able to finish it today.
どれほど懸命に働いても、あなたは今日中にそれを終わらせることはできないだろう。
(8) However you do it, the result will be the same.
どのようにやっても結果は同じだろう。
例文(4)~(8)の下線で示した部分が副詞節、残りの部分が主節になります。これらの副詞節は主節を修飾する働きをしています。
(6)は〈However + 形容詞 …〉、(7)は〈However + 副詞 …〉の例で、それぞれ「どれほど~でも」という意味になります。(8)は〈However + 「主語 + 動詞」…〉の例で、「どのように~しても」という意味になります。
no matter where [when, how] による書き換え
複合関係副詞が「譲歩」を表す副詞節を形成している場合、no matter where [when, how] を使って書き換えることができます。
例文(4)~(8)を書き換えると、次のようになります。
(4’) No matter where you go, I’ll follow you.
あなたがどこに行こうと、私はあなたについていきます。
(5’) No matter when you come, I’ll be ready.
あなたがいつ来ようと、準備はできています。
(6’) No matter how busy she is, she walks her dog.
彼女はどれほど忙しくても、犬を散歩させる。
(7’) No matter how hard you work, you won’t be able to finish it today.
どれほど懸命に働いても、あなたは今日中にそれを終わらせることはできないだろう。
(8’) No matter how you do it, the result will be the same.
どのようにやっても結果は同じだろう。
no matter ~ を使った文は、複合関係副詞の文よりも口語的になります。
「譲歩」を表す may
「譲歩」を表す副詞節で、助動詞の may が使われることがあります。
(4") Wherever you may go, I’ll follow you.
あなたがどこに行こうと、私はあなたについていきます。
may には断定を避ける働きがあるため、may を使った文は、よりフォーマルなニュアンスになります。
複合関係代名詞について
関係詞に関係代名詞と関係副詞があるように、複合関係詞にも複合関係副詞のほかに複合関係代名詞があります。
複合関係代名詞には whoever, whichever, whatever の3語があり、名詞節や副詞節を形成します。
名詞節 | 副詞節(譲歩) | |
---|---|---|
whoever | 〜する人は誰でも | 誰が〜しようとも |
whichever | 〜するものはどれ[どちら]でも | どれ[どちら]が〜しようとも |
whatever | 〜するものは何でも | 何が〜しようとも |
複合関係代名詞の詳しい説明については、こちらの記事をご覧ください。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
問1 日本語の意味に合うように、英文の空所に適切な語を入れなさい。
1.私の犬は私が行く所ならどこでも行く。
My dog will go with me ( ) ( ) ( ).
2.私がここに来る時はいつでも誰か知り合いに会う。
( ) ( ) ( ) here, I see someone I know.
3.彼女がどれほど速く歩いても彼をつかまえることはできないだろう。
( ) ( ) ( )( ), she won’t be able to catch him.
問2 次の英文を no matter ~ を使って書き換えなさい。
1.Wherever I traveled, I found good friends.
2.Whenever I see Tom, he’s wearing a different cap.
3.However we spend our time, we all have 24 hours a day.
問1
1.wherever I go
2.Whenever I come
3.However fast she walks
問2
1.No matter where I traveled, I found good friends.
2.No matter when I see Tom, he’s wearing a different cap.
3.No matter how we spend our time, we all have 24 hours a day.
複合関係副詞と複合関係代名詞には共通点が多いので、ぜひ複合関係代名詞の記事も参照して理解を深めてください。