関係代名詞whatとは|使い方や意味・thatとの違いなどを例文を交えて解説
who, which, that などの関係代名詞は「名詞」と「名詞を説明する節」を結びつける働きをします。この場合の「名詞」と「名詞を説明する節」はそれぞれ「先行詞」「関係詞節」と呼ばれます。
このように、関係代名詞は通常、先行詞を修飾する際に用いられますが、中には what, whoever, whichever など、先行詞を必要としないものもあります。
今回は、このような関係代名詞のうち what について詳しく見ていきます。
関係代名詞の what とは
関係代名詞の what とは
what は先行詞をその中に含む関係代名詞で「(~する)こと」「(~する)もの」という意味を表します。
次の例を見てください。
(1) I cannot believe the things which he said.
私は彼が言ったことが信じられない。
(2) I cannot believe what he said.
私は彼が言ったことが信じられない。
この2つの文はほぼ同じ意味を表しますが、(1)では、which で始まる関係詞節 which he said が後ろから先行詞の the things を修飾しているのに対し、(2)では、what に先行詞が含まれているため、what で始まる関係詞節 what he said がそのまま believe の目的語になっています。
what の用法
what の用法
先行詞を修飾する関係詞節が形容詞節として働くのに対し、what で始まる関係詞節は名詞節になります。
名詞節である what節は、文全体の主語や目的語、補語になります。
(3) What worries him is his mother’s health.
彼が心配していることは母親の健康状態だ。
(4) I know what you mean.
あなたの言いたいことはわかります。
(5) This is what I’ve been looking for.
これが私が探していたものです。
(6) My mother made me what I am today.
私が現在のようになったのは母のおかげだ。
(3)の What worries him は文全体の主語、(4)の what you mean は動詞 know の目的語、(5)の what I’ve been looking for は主語の This を説明する補語、(6)の what I am today は made の目的語の me を説明する補語になっています。
また、関係代名詞の what 自体は名詞の働きをするので、関係詞節の中で主語や目的語、補語になります。(3)の What worries him の中では主語、(4)の what you mean の中では動詞 mean の目的語、(5)の what I’ve been looking for の中では前置詞 for の目的語、(6)の what I am today の中では主語の I を説明する補語になっています。
接続詞の that との違い
接続詞の that との違い
関係代名詞の what と紛らわしい表現に接続詞の that があります。
(7) I cannot believe what they did.
私は彼らがしたことが信じられない。
(8) I cannot believe that they did it.
私は彼らがそれをしたことが信じられない。
(7)では、what が関係詞節 what they did の中で動詞 did の目的語になっています。関係代名詞は節の冒頭に置かれるので、did の後ろの目的語の位置には何もありません。
一方、接続詞の that の後には通常の語順の文が続くので、(8)では、did の後ろに目的語の it が来ています。また、関係代名詞の what と違い、この that は省略することができます。
疑問詞の what との見分け方
疑問詞の what との見分け方
関係代名詞の what と疑問詞の what の区別が曖昧になる場合があります。
(9) Tell me what you want.
(9)の文の what を関係代名詞と解釈すると、下線部は「あなたが欲しいもの」という意味になり、疑問詞と解釈すると「何が欲しいのか」という意味になります。
このような場合は、文脈で意味を判断することになります。一般に、what に強制を置くと疑問詞の意味に、強制を置かないと関係代名詞の意味になります。
この記事に関連するQ&A
what + 名詞(関係形容詞)
what + 名詞(関係形容詞)
関係詞の what は〈what + 名詞〉の形で使われることがあります。このような what は「関係形容詞」と呼ばれ、「(~する)すべての」という意味を表します。
(10) I’ll lend you what book I have.
私が持っているすべての本を貸してあげましょう。
関係形容詞についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
what を用いた慣用表現
what を用いた慣用表現
最後に、what を用いた慣用表現をいくつか紹介します。
(11) This is what is called “a new method”.
これがいわゆる「新方式」です。
(12) What with the strong wind and (what with) the heavy rain, I cannot leave the hotel.
強い風やら豪雨やらで、ホテルを出発できません。
(13) Air is to us what water is to fish.
空気と人間の関係は、水と魚の関係と同じである。
(14) He is bright, and what is more, he studies hard.
彼は頭が良く、そのうえ熱心に勉強する。
(11)の what is called は「いわゆる」という意味を表します。what we [you, they] call という形でも使われます。
(12)の what with A and (what with) B は「A やら B やらで」という意味で、主に文頭に使います。通常、悪い事態の原因を表します。なお、この what は関係代名詞ではなく副詞になります。
(13)の A is to B what C is to D は「A の B に対する関係は C の D に対する関係に等しい」という意味になります。what 以下には、A と B の関係を説明する例が来ます。
(14)の what is more は「そのうえ」という意味を表します。一般に〈what + be動詞 + 比較級〉で「さらに~なことに」という意味になります。
(15) We were tired, and what was worse, it began to rain.
私たちは疲れていた。そして、さらに悪いことに雨が降り出した。
練習問題
練習問題
まとめの練習問題を解いてみましょう。
問1 whatを用いて以下の英文を完成させなさい。
1.君には親切心が必要だ。
( )is kindness
2.彼は自分が興味のあるものしか見ない。
He only sees( ).
問2 次の英文を和訳しなさい。
He collected what information he could find.
問3 次の英文を和訳しなさい。
She lacks what we call common sense.
問1
1.What you need
2.what interests him または what he is interested in
問2
彼は見つけられるすべての情報を集めた。
問3
彼女はいわゆる常識に欠けている。
先行詞を必要としない他の関係代名詞については、「複合関係代名詞」の記事で詳しく解説しています。