複合関係代名詞とは|whatever・whoever等の意味や名詞/副詞的使い方を解説
関係代名詞に -ever がついたものを「複合関係代名詞」と呼びます。-ever がつくことで「~ならどんなものでも」「~しようとも」という意味が加わることになります。
また、複合関係代名詞は中に先行詞を含みます。
今回は、この複合関係代名詞について詳しく解説していきます。
複合関係代名詞とは
複合関係代名詞とは
複合関係代名詞には、whoever, whichever, whatever の3語があり、名詞節または副詞節を形成します。名詞節は「~ならどんなものでも」、副詞節は「~しようとも」という意味を表します。
名詞節 | 副詞節(譲歩) | |
---|---|---|
whoever | 〜する人は誰でも | 誰が〜しようとも |
whichever | 〜するものはどれ[どちら]でも | どれ[どちら]が〜しようとも |
whatever | 〜するものは何でも | 何が〜しようとも |
まずは、名詞節の用法から見ていきましょう。
名詞節:「〜ならどんなものでも」
名詞節:「〜ならどんなものでも」
名詞節を形成する複合関係代名詞節は、文全体の主語や目的語、補語になります。
(1) Whoever comes will be welcome.
来る人は誰でも歓迎します。
(2) You may take whichever you like.
あなたが好きなものをどちらでも取って構いません。
(3) His favorite food is whatever he eats.
彼が大好きな食べ物は、彼が食べるものすべてです。
(4) My mother made me whatever I am today.
現在の私のすべてが母によるものです。
(1)の Whoever comes は文全体の主語、(2)の whichever you like は動詞 take の目的語、(3)の whatever he eats は主語の His favorite food を説明する補語、(4)の whatever I am today は made の目的語の me を説明する補語になっています。
また、複合関係代名詞自体は名詞の働きをするので、関係詞節の中で主語や目的語、補語になります。(1)の Whoever comes の中では主語、(2)の whichever you like の中では動詞 like の目的語、(3)の whatever he eats の中では動詞 eats の目的語、(4)の whatever I am today の中では主語の I を説明する補語になっています。
whichever と whatever の違い
whichever は「ある決まった選択肢の中からどれでも」という意味を表すのに対し、whatever は「不特定のものの中から何でも」という意味を表します。
(5) Do whichever you like.
どれでも好きなことをしなさい。
(6) Do whatever you like.
何でも好きなことをしなさい。
〈whichever / whatever + 名詞〉(関係形容詞)
whichever と whatever は、直後に名詞を伴うことがあります。この場合の whichever / whatever はその名詞を修飾する形容詞として働くので、関係形容詞と呼ばれます。
(7) You may take whichever book you like.
あなたが好きな本をどちらでも取って構いません。
(8) I’ll buy you whatever book you like.
あなたが好きな本を何でも買ってあげよう。
関係形容詞については、こちらの記事で詳しく解説しています。
この記事に関連するQ&A
副詞節:「〜しようとも」(譲歩)
副詞節:「〜しようとも」(譲歩)
次に、副詞節の用法について見ていきます。
副詞節を形成する複合関係代名詞は、「~しようとも」という「譲歩」の意味を表します。
(9) Whoever says so, I still can’t believe it.
たとえ誰がそう言おうとも、私はやはりそれを信じることができない。
(10) Whichever you choose, don’t regret it.
どちらを選んでもそれを後悔しないように。
(11) Stay calm whatever happens.
たとえ何が起ころうとも落ち着いていなさい。
名詞節を形成する複合関係代名詞節が文全体の主語・目的語・補語になるのに対し、副詞節の場合は主節を修飾する働きをします。
上の(9)~(11)の文において、関係詞節が文全体の主語・目的語・補語ではなく、主節を修飾する働きをしていることを確認してみてください(下線のない部分が主節になります)。
〈whichever / whatever + 名詞〉
whichever と whatever は、副詞節においても直後に名詞を置いて形容詞的に使うことができます。
(12) Whichever book you borrow, you must return it by Monday.
どの本を借りても月曜日までに返さなければなりません。
(13) Whatever book says that, I don’t believe it.
何の本にそう書いてあるにせよ、私はそれを信じない。
no matter who [which, what] による書き換え
複合関係代名詞が副詞節を形成している場合、no matter who [which, what] を使って書き換えることができます。
例文(9)~(11)を書き換えると、次のようになります。
(9’) No matter who says so, I still can’t believe it.
たとえ誰がそう言おうとも、私はやはりそれを信じることができない。
(10’) No matter which you choose, don’t regret it.
どちらを選んでもそれを後悔しないように。
(11’) Stay calm no matter what happens.
たとえ何が起ころうとも落ち着いていなさい。
no matter ~ を使った文は、複合関係代名詞の文よりも口語的になります。
「譲歩」を表す may
「譲歩」を表す副詞節で、助動詞の may が使われることがあります。
(9") Whoever may say so, I still can’t believe it.
たとえ誰がそう言おうとも、私はやはりそれを信じることができない。
may には断定を避ける働きがあるため、may を使った文は、よりフォーマルなニュアンスになります。
複合関係副詞について
関係詞に関係代名詞と関係副詞があるように、複合関係詞にも複合関係代名詞のほかに複合関係副詞があります。
複合関係副詞には wherever, whenever, however の3語があり、いずれも副詞節を形成します。
副詞節① | 副詞節②(譲歩) | |
---|---|---|
wherever | 〜する所ならどこでも | どこで〜しようとも |
whenever | 〜する時ならいつでも | いつ〜しようとも |
however | - | どれほど〜でも |
複合関係副詞の詳しい説明については、こちらの記事をご覧ください。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
問1 日本語の意味に合うように、英文の空所に適切な語を入れなさい。
1.誰でも欲しい人にそれをあげなさい。
Give it to ( ) ( ) ( ).
2.彼女は私が必要な援助はどんなことでもしてくれた。
She gave me ( ) ( ) ( ) needed.
3.彼が何と言おうとあまり気にするな。
( ) ( ) ( ), don’t worry too much about it.
問2 次の英文を no matter ~ を使って書き換えなさい。
1.Whoever comes, I will never open my door.
2.Whichever he does, I will support him.
問1
1.whoever wants it
2.whatever help I
3.Whatever he says
問2
1.No matter who comes, I will never open my door.
2.No matter which he does, I will support him.
複合関係代名詞と複合関係副詞には共通点が多いので、ぜひ複合関係副詞の記事も参照して理解を深めてください。