停止しているエレベータ内の天井に吊り下げられた、ばね定数kの軽いつるまきばねに質量mの小球を取り付けた後、エレベータは自由落下した。すると、小球は単振動した。
重力加速度をgとし、空気抵抗は無視する。
自由落下しているエレベータ内の観測者から見ると、小球には鉛直上向きに常に慣性力mgがはたらいているように見える。
単振動の中心では、小球に"はたらく力"はつり合うから、
(小球にはたらく慣性力)=(小球にはたらく重力)+(小球にはたらく弾性力)
よりmg=mg+kx ∴x=0
よって、単振動の中心で、ばねは伸びていない。
単振動の中心を原点Oとし、鉛直上向きにx軸をとる。
原点Oと座標xにおける単振動のエネルギー保存則を考える。原点O、座標xにおける小球の速度をそれぞれv、Vとする。
このとき、|原点Oからの変位x|=ばねの伸び、または縮みの長さ
単振動を考えるとき、エネルギー保存則は次の二通りで考えることができる。詳しくは下記を参照してください。
(1/2)mv^2=(1/2)mV^2+(1/2)kx^2・・・①
(1/2)mv^2=(1/2)mV^2+(1/2)kx^2+mgx・・・②
②ー①とすると、0=mgx ∴m=0または、x=0・・・③
①、②式は単振動の振動するの範囲において常に成り立ちます。よって、②ー①も単振動の振動するの範囲において常に成り立ちます。
であるにもかかわらず、③のような解になるのはおかしいですよね?
私の考えでおかしいところを指摘していただけないでしょうか?
単振動におけるエネルギー保存則の考え方:
・考え方1
(運動エネルギー)+(重力による位置エネルギー)+(弾性力による位置エネルギー)=(一定)
・考え方2
(運動エネルギー)+(1/2)kx^2=(一定)
※ばね定数をk、単振動の中心からの変位をxとする。
ベストアンサー
考え方1では重力による位置エネルギーを考えていますが、エレベータ内の観測者は慣性力と打ち消し合って重力を感じないので、重力による位置エネルギーを加えてはいけません。考え方2が正しい式です。その理由を説明しますね。
まずエネルギー保存則は運動方程式によって導かれます。したがって運動方程式が成り立たなければ、エネルギー保存則を使うことはできません。そして、非慣性系においては、"慣性系での力"のみを考えていると運動方程式が成り立たないのです。そこで運動方程式を成り立たせるための力、慣性力を考えます。だからエネルギー保存の式において慣性力を無視してはいけません。
もしも微分積分をすでに学んでいればエネルギー保存則の導出が理解できると思うのでぜひ調べてみてください。理解が深まると思います。
質問者からのお礼コメント
運動方程式において見かけの重力を考える問題は今まで解いたことがありましたが、エネルギー保存則において見かけの重力を考えたことはありませんでした。
回答ありがとうございます!