振幅が等しい2つの進行波 y1, y2 を考えます。
図中の点 A と点 B の間で合成波 Y=y1+y2 を観測します。
それぞれ, 振動数が f1, f2, 波長が λ1, λ2, 初期位相が α1, α2 であるとし, y1 は右向き(+x 方向)に, y2 は左向き(−x 方向)に進行します。
y1, y2 はそれぞれ以下のように表されます。
y1=asin{2π(f1t−λ1x)+α1}
y2=asin{2π(f2t+λ2x)+α2}
初期位相のずれに関して,
Δ+=21(α2+α1)Δ−=21(α2−α1)
を定義すると, 合成波 Y=y1+y2 は以下のように表されます。
Y=y1+y2=2acos{π(f2−f1)t+π(λ11+λ21)x+Δ−}sin{π(f1+f2)t−π(λ11−λ21)x+Δ+}
この合成波 Y の式からうなりを定量的に考察することができます。
問題
λ1=2π, λ2=5π とする。
ある時刻 t において, 合成波が強め合う点は等間隔で存在する。
その間隔の距離を求めよ。
解答
Y の振れ幅の大きさが最大値 2a になる時を考える。
そのための条件は
cos{π(f2−f1)t+π(λ11+λ21)x+Δ−}=±1sin{π(f1+f2)t−π(λ11−λ21)x+Δ+}=±1
であり, それぞれ整数 n,m を用いて
⎩⎨⎧cosの位相=nπsinの位相=(m+21)π
を満たす。
すなわち
⎩⎨⎧π(f2−f1)t+π(λ11+λ21)xn+Δ−=nππ(f1+f2)t−π(λ11−λ21)xm+Δ+=(m+21)π
である。
したがって, Y の振幅が 2a になるために必要な条件は
⎩⎨⎧xn+1−xn=λ1+λ2λ1λ2=710πxm+1−xm=λ2−λ1λ1λ2=310π
となる。
つまり, xn+1−xn=710π の間隔で cos の位相は π ずつずれ, xm+1−xm=310π の間隔で sin の位相は π ずつずれる。
Y の振幅が 2a になる位置の間隔は 710π の整数倍と 310π の整数倍が初めて同じになる時の値なので
(答) 10π
ただし点 A の左側, および点 B の右側では全く話が異なるという点に注意してください。
千葉県成田市の観光キャラクターはうなりくんという名前だそうです!