曲がった空間での平行移動はどのように考えたら良いかを以下に示します。まず曲がった空間を包含する,
より高次元(ここではN次元空間とします)の曲がっていない空間における座標ynを考えましょう。ここで,曲がっていない空間とは計量テンソルが定数のみで構成されるような空間をさします。
N次元空間における不変距離ds2に対し,定数のみで構成される計量テンソル hnm を用いて(これは gμν とは異なります)
ds2=hnmdyndym
と表すことができます。曲がった空間(これから簡単のため曲面と呼ぶことにします)内のxμは,N次元空間内の点でもあるので,yn(x)と書くことにします。曲面上の微小変位δynは,
δyn=∂xμ∂ynδxμ(1)
とかけるから,
δs2=hnm∂xμ∂yn∂xν∂ymδxμδxν
です。
さて,曲面における微小距離は,
ds2=gμνδxμδxν
これら2式を比較すれば,
gμν=hnm∂xμ∂yn∂xν∂ym
とかけます。
∂xν∂yn=hnm∂xν∂ym
と書けば,
δs2=∂xμ∂yn∂xν∂ynδxμδxν
と書くこともできます。