仮定法未来|意味や時制・使い方を例文付きで解説
この記事では「仮定法未来」をテーマに、未来の事柄についての仮定を表す〈If S were to …〉と〈If S should …〉という2つの構文について解説していきます。
この記事に関連するQ&A
仮定法の基本形
仮定法の基本形
仮定法の文は基本的に「if節」と「主節」から構成されます。
下の表は、それぞれの節における動詞・助動詞の形を示したものです。
if節の動詞 | 主節の助動詞 + 動詞 | |
---|---|---|
仮定法過去 | 過去形 (be動詞は were) |
助動詞の過去形* + 動詞の原形 |
仮定法過去完了 | 過去完了形 | 助動詞の過去形 + have + 過去分詞 |
仮定法未来 | were to + 動詞の原形 / should + 動詞の原形 |
助動詞の過去形 + 動詞の原形 / will + 動詞の原形 / 命令文 |
*「助動詞の過去形」は would, could, might を指します。(「仮定法過去」では should が使われることもあります。)
if を使わない仮定法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
仮定法未来
仮定法未来
「仮定法未来」は if節における 〈were to + 動詞の原形〉や〈should + 動詞の原形〉によって表現され、「未来の事柄についての仮定」を表します。
were to
if節における〈were to + 動詞の原形〉 は「仮に〜するとしたら」という意味を表し、仮の話の前置きとして使用されます。実現可能性がある仮定、ない仮定の両方に使えます。
(1) If I were to read one of his novels, what would you recommend?
仮に彼の小説を1つ読むとしたら、どれがお勧めですか?
(2) If the sun were to rise in the west, I would never change my mind.
仮に太陽が西から昇るようなことがあっても、私の気持ちは決して変わらないだろう。
(1)は実現可能性がある仮定、(2)は実現可能性がない仮定の例になります。主節では、仮定法過去の形である〈助動詞の過去形 + 動詞の原形〉が使われます。
was が使われる場合
口語では、主語が1人称単数や3人称単数の場合、were の代わりに was が使われることもあります。
(3) If I was to tell the truth, you would be amazed.
仮に私が君に真実を伝えたら、君は驚くだろう。
控えめな提案や依頼を表す場合
「仮に~するとしたら」という意味合いから、were to は you を主語にして「控えめな提案・依頼」を表すこともできます。
(4) It might be better if you were to sit a bit closer to the microphone.
もう少しマイクの近くに座っていただいた方がよいかもしれません。
if を省略する場合
if を省略すると倒置が起こり、その節の中は疑問文と同じ語順になります。
(1’) Were I to read one of his novels, what would you recommend?
(2’) Were the sun to rise in the west, I would never change my mind.
should
if節における〈should + 動詞の原形〉は「万一〜ならば」という意味になり、実現する可能性が低い未来の仮定を表します。
(5) If I should fail, I will [would] try again.
万一失敗しても、また挑戦するつもりだ。
(6) If someone should call while I’m out, tell them I’ll be back soon.
万一私の留守中に電話があったら、すぐに戻ると伝えてください。
主節では助動詞の過去形も使われますが、will や命令文を使うのが一般的です。(主節で助動詞の過去形が使われていれば「仮定法」、will や命令文が使われていれば「直説法」とみなします。)
次のような実現可能性がない仮定の場合、should は使えません。
× If the sun should rise in the west, …
if を省略する場合
if を省略すると倒置が起こり、その節の中は疑問文と同じ語順になります。
(5’) Should I fail, I will [would] try again.
(6) Should someone call while I’m out, tell them I’ll be back soon.
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
次の文を和訳しなさい。
1.What would happen if he were to fail?
2.If you were to take off your hat, I could see the screen better.
3.If Tom should come to the party, Mary will leave.
1.仮に彼が失敗したら、どんなことが起こるだろうか?
2.もし帽子を取っていただければ、スクリーンがもっとよく見えるのですが。
(you を主語にした「控えめな提案」)
3.万一トムがパーティーに来たら、メアリーは帰ってしまうだろう。
今回の記事で使用した「仮定法未来」という用語は、教科書や参考書、問題集などではあまり使われていません。その点が気になる方は、「未来の事柄に関する仮定法」という意味で理解していただければと思います。