過去完了形の継続|使い方・否定と疑問の形・過去完了進行形との違いまで徹底解説

この記事では、過去完了形の「継続用法」をテーマに、その意味や使い方、共に使われる語句、否定文・疑問文の作り方、「期間」や「起点」を尋ねる疑問文、過去完了進行形との違いなどについて、豊富な例文を用いて解説します。

過去完了形とは

現在完了形が、過去に起こった出来事を現在と結びつける形式であるのに対し、過去完了形は、「過去のある時点」と「その時より前の時点」を結びつける形式を言います。

つまり過去完了形は、現在完了形の「現在」と「過去」の関係を、そのまま「過去」と「さらに前の過去」へとスライドさせたイメージです。

過去完了形のコアイメージ

過去完了形は、<主語 + had + 過去分詞>という形をとり、会話における had は、しばしば 'd のように省略されます。

文法書によってさまざまな分類がされている過去完了形ですが、本サイト(高校英文法の羅針盤)では、「結果(完了)」「経験」「継続」 の三つに分けて解説します。

この記事では「継続」の用法を取り上げますが、「結果(完了)」や「経験」の用法については、それぞれ以下の記事をご覧ください。

過去完了形:「継続」の用法とは

過去完了形の「継続」の用法は、ある状態が過去のある時点まで継続していたことを表します。日本語では「(過去のある時点まで)ずっと~だった」という意味になります。

いくつか例文を見てみましょう。

(1) He had lived in Japan for ten years before he moved to the U.S.
彼はアメリカに渡る前の10年間ずっと日本に住んでいた。

(2) They had known each other for five years when they got married.
彼らが結婚した時、知り合ってから5年が経っていた。

(3) He had believed in Santa Claus until he was an adult.
彼は大人になるまでサンタクロースを信じていた。

このように、過去完了形の継続用法は、過去のある時点(「アメリカに渡った時」、「結婚した時」、「大人になった時」など)に視点を置き、その時まである状態が継続していたことを表します。

(1)を図解してみましょう。 過去完了形 継続用法 図解

この文では、「過去」が「アメリカに渡った時」、「さらに前の過去」が「その10年前」になります。

つまり、「さらに前の過去」から「過去」までの10年間、「日本に住む」という状態が継続していたことになります。

なお、過去完了形の継続用法では、次のような語句がよく使われます。

Tips【過去完了形の継続用法によく使われる語句】
  • for (~の間)
  • since (~以来)
  • when S V (SがVしたとき)
  • before S V (SがVする前に)
  • until S V (SがVするまで)

状態動詞と動作動詞

英語の動詞は、「状態」を表す状態動詞と「動作」を表す動作動詞の二種類に分類することができます。

状態動詞には、know、like、live などの一般動詞や be動詞が含まれます。

動作動詞は一般動詞の大部分を占め、eat、play、study、walk など、多くの動詞が当てはまります。

過去完了形の継続用法は「状態の継続」を表す用法なので、状態動詞を使います

一方、「動作の継続」を表す場合は、この記事の後半で説明する過去完了進行形を使います

なお、状態動詞と動作動詞の詳しい解説については、こちらの記事を参照してください。

過去完了形:否定文・疑問文の作り方

過去完了形を用いた肯定文を否定文にする場合は、had の後ろに not をつけます。なお、had not は hadn’t のように省略することができます。

(4) He hadn’t been active in the industry for a while when I visited him.
私が訪れた時、彼は業界ではしばらく活躍していなかった。

過去完了形を用いた肯定文を疑問文にする場合は、had を主語の前に出します

(5) Had he been sick for a long time when he saw the doctor?
医者にかかった時、彼は長い間体調が悪かったのですか?

この疑問文に対する返答は、「Yes, he had.」「No, he hadn’t.」のようになります。

「期間」や「起点」を尋ねる疑問文

過去完了形で、ある状態が「どのくらい継続していたか」という「期間」を尋ねる場合は〈How long + had + 主語 + 過去分詞〜?〉という構文を使います。

(6) How long had he lived in Japan before he moved to the U.S.?
彼はアメリカに渡る前、どのくらいの期間日本に住んでいましたか?

一方、ある状態が「いつから継続していたか」という「起点」を尋ねる場合は〈Since when + had + 主語 + 過去分詞〜?〉という構文を使います。

(7) Since when had he lived in Japan before he moved to the U.S.?
彼はアメリカに渡る前、いつから日本に住んでいましたか?

過去完了形の継続用法と過去完了進行形の違い

過去完了形の継続用法は、過去完了進行形とよく似ているため、混同されがちです。

上で紹介したように、過去完了形の継続用法は「状態の継続」を表す用法なので、動詞は「状態動詞」を使います

一方、「ずっと~し続けていた」という「動作の継続」を表す場合は、動作動詞を過去完了進行形で使います

過去完了進行形は<主語 + had been + 動詞のing形>という形をとります。

動作の継続

× I had eaten for one hour when he called me.
〇 I had been eating for one hour when he called me.
彼が私に電話をした時、私は1時間食べ続けていた。

× How long had you done your homework when he called you?
〇 How long had you been doing your homework when he called you?
彼があなたに電話をした時、あなたはどれくらいの時間宿題をやり続けていましたか?

このように「動作の継続」を表す場合は、過去完了形の継続用法ではなく、過去完了進行形を使います

なお、過去完了進行形の詳しい解説については、以下の記事を参照してください。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

例題

次の文を英訳しなさい。

次の日本文を英訳しなさい。

  1. 今朝私が家を出た時、2時間ずっと曇っていた。

  2. 私が家に帰った時、母は2時間テレビを見続けていた。

  3. あなたたちが親友になる前、どのくらいの期間お互いを知っていましたか?

  4. あなたたちが親友になる前、いつからお互いを知っていましたか?

解答

次の文を英訳しなさい。

(1) It had been cloudy for two hours when I left home this morning.

(2) My mother had been watching TV for two hours when I came home.

(3) How long had you known each other before you became best friends?

(4) Since when had you known each other before you became best friends?

過去完了形の継続用法は、現在完了形の継続用法と同時に学習するのが効果的です。