すべて演繹的に推論できればよかったですが,(2)の途中は帰納に頼りました.
(1)
rn,rn+1,rn+2 の 3 項間の関係式をみちびきたい.相互いに接する 2 円の中心間の距離は半径の和に等しいことから,
(xn+1−xn)2+(rn+1−rn)2(xn+2−xn)2+(rn+2−rn)2(xn+2−xn+1)2+(rn+2−rn+1)2=(rn+1+rn)2=(rn+2+rn)2=(rn+2+rn+1)2
簡単に変形して,
(xn+1−xn)2(xn+2−xn)2(xn+2−xn+1)2=4rn+1rn=4rn+2rn=4rn+2rn+1
(2) を xn について,(3) を xn+1 について解き,
xnxn+1=xn+2±2rn+2rn=xn+2∓2rn+2rn+1 (respectively).
したがって,
xn+1−xn=±2rn+2(rn+rn+1).
これを (1) へ代入して,
4rn+2(rn+rn+1)2rn+2=4rnrn+1=(rn+rn+1)2rnrn+1.
これで目的の関係式が求まった.
帰納法を使う.q0,q1 が整数であることは明らか.qn,qn+1 が整数であると仮定すると
qn+2=2rn+21=21⋅rnrn+1rn+rn+1=qn+1+qn
より qn+2 は整数である.
(2)
xn,xn+1 および rn+1/rn が定まれば xn+2 が定まる.これら 4 項間の関係式をみちびきたい.そのために (2),(3) の比をとれば,
rnrn+1−rnrn+1xn+2=(xn+2−xnxn+2−xn+1)2=xn+2−xnxn+2−xn+1=(1+rnrn+1)−1(rnrn+1xn+xn+1).
これで目的の関係式が求まった.
ところで任意の n≥0 に対して,
rn+1rn+2=rn+1rn+rn+1rnrn+1=rn+rn+1rn=(1+rnrn+1)−1.
したがって,
xn+2=rn+1rn+2(rnrn+1xn+xn+1).
この式へ n=0,1,2,⋯ を代入してみると
x2=rn+1rn+2, x3=rn+2rn+3, x4=rn+3rn+4, ⋯
だから xn=rn/rn−1 が予想できる.
この予想が真であることを帰納法で示す.x1,x2 での成立は明らか.xn,xn+1 での成立を仮定すると,xn+1=(1+xn)−1 に注意して,
xn+2=rn+1rn+2(rnrn+1xn+xn+1)=rn+1rn+2xn+1(xn+1)=rn+1rn+2
がしたがう.
さて pn=qnxn だから,
pn=2rn1rn−1rn=2rn−11=qn−1.
つまり pn は整数である.
一般に,a=mb+c であるとき (a,b)=(b,c) である.だから qn=qn−1+qn−2 であることによって,
(qn,pn)=(qn,qn−1)=(qn−1,qn−2)=⋯=(q1,q0)=(1,1)=1.
つまり qn,pn は互いに素である.
(3)
∣xn+1−α∣=∣∣1+xn1−1+α1∣∣=(1+xn)(1+α)∣xn−α∣.
ここで xn≧0,α≈0.6>1/2 だから (1+xn)(1+α)>3/2.よって,
∣xn+1−α∣<32∣xn−α∣.
この不等式は xn,α の距離が漸近的に 0 へ近づくことを示しているから,
n→∞limxn=α=2−1+5.
質問者からのお礼コメント
大変助かりました