as as構文|同等比較の意味や使い方を例文で解説&頻出の慣用表現をまとめて紹介

英文法では、形容詞・副詞の程度を比べることを「比較」と呼びます。

2つのものを比べてその程度に差がない場合は、形容詞・副詞の「原級」を使って表します。

この記事では、原級を使った比較表現である as as 構文 について解説していきます。

as as 構文とは

A と B を比較してその程度が同じ場合、程度を表す形容詞・副詞を〈 A … as 原級 as B 〉という構文で使用します。この構文は「A は B と同じくらい~だ」という意味を表します。

(1) This watch is as expensive as that one (is).
この腕時計はあの腕時計と同じくらい値段が高い。

(2) I can run as fast as John (can).
私はジョンと同じくらい速く走れる。

(1)は形容詞の原形、(2)は副詞の原形を用いた as as 構文の例です。文末の is や can は、文の前半で1度使われたため、省略することができます。

as の後が代名詞1語になる場合

文末の動詞・助動詞の省略により、as の後が代名詞1語になる場合は、その語が主語であっても目的格を使うのが普通です。

  • He is as tall as me.
    彼は私と同じくらいの身長だ。

2つの as について

as as 構文では as が2回使われますが、それぞれ品詞が異なります。

前にある as は「同じくらい」という意味を表す副詞で、直後に置かれた形容詞・副詞を修飾します。

後ろにある as は 接続詞です。直後に節を伴って「~と同じくらい」という意味を表します。

つまり、上で紹介した “This watch is as expansiveas that one (is).” という文は、前半の「この時計は同じくらい値段が高い」という部分と、後半の「あの時計と同じくらい」という2つの部分からできていることになります。

as as 構文の作り方

例文の(1)と(2)で as as 構文の基本的な形を紹介しましたが、この構文には様々なバリエーションがあります。この項では、それらを1つずつ紹介していきます。

形容詞が名詞を伴う場合

〈as + 形容詞 + as〉という構文では、形容詞の後に名詞を置くことができます。

(3) She has as beautiful eyes as her sister (does).
彼女は姉と同じくらいきれいな目をしている。

なお、形容詞と名詞の組合せが冠詞の aan を伴う場合、それらの冠詞は名詞の直前に置かれます

(4) He is as good an actor as Tom (is).
彼はトムと同じくらい上手な俳優だ。

× He is as a good actor as Tom.

これは、「形容詞を修飾する as は形容詞の直前に置く」という規則によるものです。

〈数量を表す形容詞 + 名詞〉

名詞を伴う形容詞が manymuch などの「数量を表す形容詞」である場合、形容詞と名詞を離すことはできません。

(5) I have as many books as you (do).
私はあなたと同じくらい多くの本を持っている。

× I have books as many as you.

否定文

as as 構文の否定文は〈 A … not as 原級 as B 〉という形をとり、「A は B ほど~でない」という意味を表します。なお、原級の前には as の代わりに so を使うこともできます。

(6) Mary is not as [so] tall as Jane (is).
メアリーはジェーンほど背が高くない。

(7) I cannot swim as [so] well as Bill (can).
私はビルほどうまく泳げない。

倍数表現〈 X times as ~ as … 〉

as as 構文に「倍数(X倍)」を表す “X times” を加えて〈X times as ~ as …〉とすると、「…のX倍~だ」という意味を表すことができます。

なお、「2倍」の場合は two times の代わりに twice を、「半分」「3分の1」「4分の1」の場合は、それぞれ half, one-third, a [one] quarter を使います。

(8) She has twice [three times] as many jewels as I (do).
彼女は私の2倍 [3倍] の宝石を持っている。

(9) This room is half [a quarter] as large as that one (is).
この部屋はあの部屋の半分 [4分の1] の大きさだ。

名詞を使った倍数表現

一部の倍数表現では、〈as ~ as〉の部分を〈the + 名詞 + of〉の形で表すことができます。

〈as ~ as〉→〈the + 名詞 + of〉
  • as large as → the size of
  • as long as → the length of
  • as high as → the height of
  • as heavy as → the weight of
  • as deep as → the depth of

(例)

  • This room is half as large as that one.
    → This room is half the size of that one.
    この部屋はあの部屋の半分の大きさだ。

  • This movie is twice as long as that one.
    → This movie is twice the length of that one.
    この映画はあの映画の2倍の長さだ。

異なる形容詞の比較

異なる2つの形容詞 A, B を〈S is as A as S is B〉という構文で用いると、「Bであるのと同じ程度にAでもある」という意味になります。

(10) This cabinet is tall as it is wide.
この戸棚は横幅と同じくらいの高さがある。

(11) Ken is as diligent as Ben is lazy.
ベンが怠け者であるのと同じ程度にケンは勤勉だ。

(10)は2つの主語 (S) が同じ場合、(11)は異なる場合の例です。

as ~ as を用いた慣用表現

この項では、as ~ as を用いた慣用表現を紹介していきます。

as far as

as far as は前置詞句として「~まで」、接続詞句として「~である限り」という意味を表します。

(12) We drove as far as Kyoto.
私たちは京都まで車で行った。

(13) As far as I know, he is one of the best singers in the world.
私が知る限り、彼は世界最高の歌手の一人です。

(12)は前置詞句、(13)は接続詞句の例です。

as long as

as long as は前置詞句として「~もの間」、接続詞句として「~である限り」という意味を表します。

(14) This project will last as long as three years.
この事業は3年もの間継続するだろう。

(15) You can stay here as long as you keep quiet.
あなたは静かにしている限り、ここにいて構いません。

(14)は前置詞句、(15)は接続詞句の例です。

as well as

A as well as B〉は「BだけでなくAも」という意味を表します。この表現は〈not only B but (also) A〉で置き換えることができます。

(16) He can speak French as well as English.
= He can speak not only English but (also) French.
彼は英語だけでなくフランス語話せる。

as ~ as possible / as ~ as S can

as ~ as possibleas ~ as S can はともに「できるだけ~」という意味を表します。“as ~ as S can” の S の部分には、直前の動詞の主語にあたる語が入ります。

(17) Please call me as soon as possible.
= Please call me as soon as you can.
できるだけ早く電話をください。

as ~ as can be

as ~ as can be は「この上なく~」という意味を表します。

(18) He is as happy as can be.
彼はこの上なく幸せだ。

文法的には “as happy as he can be” のようにするところですが、can be の主語は省略するのが普通です。

as ~ as ever / as ~ as ever lived

as ~ as ever は「これまでと同じくらい~」「相変わらず~」、as ~ as ever lived は「これまでにないくらい~」「極めて~」という意味を表します。

(19) He seems as busy as ever.
彼は相変わらず忙しそうに見える。

(20) He is as great a musician as ever lived.
彼は極めて偉大な音楽家だ。

as ~ as any …

as ~ as any … は「どの…にも劣らず~」「極めて~」という意味を表します。any の後には単数形の名詞が置かれます。

(21) She is as hard-working as any (other) student in the class.
彼女はクラスの誰にも引けをとらないほど勤勉な学生だ。

なお、この表現には「最も~」という最上級の意味はありません

not so much A as B / not so much as + 動詞の原形

not so much A as B〉は「AというよりはむしろB」、〈not so much as + 動詞の原形〉は「~さえしない」という意味を表します。

not so much A as B〉は〈not A so much as B〉という語順でも使えます。また〈B rather than A〉や〈rather B than A〉で置き換えることができます。

(22) She is not so much an actress as a singer.
= She is not an actress so much as a singer.
= She is a singer rather than an actress.
= She is rather a singer than an actress.
彼女は女優というよりはむしろ歌手だ。

(23) He cannot so much as write his own name.
彼は自分の名前さえ書けない。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次の文を英訳しなさい。

1.彼は父親と同じくらい偉大な芸術家だ。

2.彼は私の半分のお金しか持っていなかった。

3.彼は学者というよりはむしろ医者だ。(4通りに)

解答

1.
He is as great an artist as his father.

2.
He had only half as much money as me.

3.
He is not so much a scholar as a doctor.
He is not a scholar so much as a doctor.
He is a doctor rather than a scholar.
He is rather a doctor than a scholar.

as tall as や as old as は主に「身長が同じくらい」「年齢が同じくらい」という意味で使われますが、文脈によっては「同じくらい背が高い」「同じくらい年をとっている」という文字通りの意味になることがあります。一方、反意語の as short as や as young as は「同じくらい背が低い」「同じくらい若い」という文字通りの意味でしか使われません。