英語の同格とは|種類ごとの使い方を、名詞連続やthat・ofなどパターン別に解説

英語では、名詞や名詞に相当する語句を説明するために、その直後に別の名詞や名詞相当語句を置くことがあります。このときの両者の関係を「同格」と呼びます。

この記事では、様々な同格表現について解説していきます。なお、以下の記事では名詞と名詞相当語句を合わせて「名詞」と表現することにします。

同格表現の種類

同格を表現する方法は、以下の5種類に分けることができます。

①〈名詞 + 名詞〉
②〈名詞 + of + 名詞〉
③〈名詞 + 不定詞〉
④〈名詞 + that節〉
⑤ その他

まずは①から順番に見ていきましょう。

①〈名詞 + 名詞〉

2つの名詞を並べて同格関係を表す場合、間にコンマをはさむ方法とはさまない方法があります。

(1) My English teacher Mr. Jones is very kind.
私の英語の先生のジョーンズ先生はとても親切だ。

(2) Mr. Jones, my English teacher, is very kind.
ジョーンズ先生は私の英語の先生だが、とても親切だ。

(3) Platoon, a movie about the Vietnam War, won the Best Picture at the Academy Awards in 1987.
プラトーンはベトナム戦争についての映画だが、1987年にアカデミー作品賞を受賞した。

(1)では、“My English teacher” が直後に置かれた “Mr. Jones” を形容詞的に説明しています。このような場合、コンマは使われません。

一方、(2)の “my English teacher” は前に置かれた “Mr. Jones” を補足的に説明しています。このような場合は、コンマが必要となります。

(3)では、“a movie about the Vietnam War” という名詞が、前に置かれた Platoon を補足的に説明しているので、(2)と同様にコンマが必要になります。

②〈名詞 + of + 名詞〉

ある名詞の内容を、後に続く〈of + 名詞〉が説明することで、2つの名詞が同格の関係になることがあります。この場合の of は「~という」という意味になります。

同格を示す of

① the city of Nagoya
 名古屋という都市(→ 名古屋市)

②the month of June
 6月という月(→ 6月)

③ the act of making a movie
 映画を作るという行為

④ the problem of bullying
 いじめという問題

⑤ the fact of his being a student
 彼が学生であるという事実

③~⑤のように、同格の of はしばしば〈名詞 + of + 動名詞〉という形で使われます。〈of + 動名詞〉を伴う名詞には、他に difficulty, dream, habit, idea などがあります。

③〈名詞 + 不定詞〉

ある名詞の内容を、後に続く不定詞が説明することで、その名詞と不定詞が同格の関係になることがあります。

同格を示す不定詞

① a plan to go fishing
 釣りに行く計画

② a desire to be a teacher
 教師になりたいという願い

③ freedom to choose occupation
 職業を選択する自由

④ a promise to pay within a month
 1か月以内に支払うという約束

⑤ willingness to learn
 進んで学ぼうとする気持ち

同格の不定詞を伴う名詞は、不定詞を目的語にする他動詞や、不定詞を伴う形容詞から派生したものが多く、他に ability, arrangement, decision, offer, wish などがあります。

④〈名詞 + that節〉

ある名詞の内容を、後に続く that節が説明することで、その名詞と that節が同格の関係になることがあります。

同格を示す that

① The news that his son had a car accident is a great shock to him.
息子が交通事故にあったという知らせに彼は大きなショックを受けている。

② The actress hid the fact that she was married.
その女優は結婚しているという事実を隠していた。

③ The chances are very good that he will be promoted.
彼が昇進する見込みは大いにある。

同格の that節は、③のように前の名詞と離れて置かれる場合もあります。

同格の that節を伴う名詞には、上の例の他に次のようなものがあります。

名詞
evidence 証拠
proof 証拠
possibility 可能性
likelihood 可能性
certainty 確かな見込み
rumor うわさ
information 情報
report 報告
record 記録
knowledge 知識
idea 考え
thought 考え
concept 概念
belief 信念
opinion 意見
feeling 印象
proposal 提案
suggestion 提案
condition 条件
decision 決定
conclusion 結論
demand 要求
desire 願望
hope 希望
expectation 期待

なお、that と同じように、接続詞の whether が導く節が同格節となることもあります。

(4) The question whether there is life on other planets may never be answered.
他の惑星に生命が存在するかという問いには答えが出ないかもしれない。

関係代名詞の that (目的格) との違い

同格の that節と紛らわしい表現に、関係代名詞の that (目的格) が導く関係詞節があります。

同格の that と関係代名詞の that (目的格)

(同格)

  • I know the fact that she is trying to find a job.
    私は彼女が仕事を探しているという事実を知っている。

(関係代名詞)

  • I know the fact that she is trying to hide.
    私は彼女が隠そうとしている事実を知っている。

同格の that と関係代名詞の that (目的格) は次のように見分けます。

① 同格の that は「~という」という意味を表し、その後には完全な形をした文が続く。

② 関係代名詞の that (目的格) は日本語には訳されず、その後には目的語が欠けた文が続く。(上の例文で hide の後ろに目的語がないことを確認してください。)

なお、目的格の関係代名詞 that は省略可能ですが、同格の that は省略できません

⑤ その他

コロン (:) やダッシュ (―) を用いる

(5) I have two problems: a lack of money and a lack of time.
私は2つの問題を抱えている。お金の不足と時間の不足である。

(6) Most of his fansthose who listen to his programs regularlyare men.
彼のファン、つまり彼の番組を欠かさず聞いている人たちの大半が男性だ。

(5)ではコロンに続く部分、(6)ではダッシュにはさまれた部分が前の名詞と同格の関係になっています。

or; namely; that is (to say) などを用いる

or”, “namely”, “that is (to say)” などの表現は、名詞を言い換える際に用いられます。これらの語句の前後の名詞は同格の関係になります。

(7) I major in astronomy, or the science of stars.
私は天文学、つまり星の科学を専門にしています。

(8) Three students were absent, namely Tom, Dick, and Harry.
3人の学生が欠席していた。すなわち、トムとディックとハリーだ。

(9) It happened three years later, that is (to say) in 2020.
それは3年後、すなわち2020年に起こった。

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

次の英文を和訳しなさい。

1.I happend to meet Jim, a friend from high school, at the station.

2.He seems to like the idea of using the bus instead of train.

3.Who made the decision to put off the meeting?

4.There is a rumor that Pete is going to resign.

5.She came last Tuesday, that is to say June 5th.

解答

1.私は高校時代の友人のジムに駅で偶然会った。

2.彼は電車の代わりにバスを使うという考えに賛成のようだ。

3.会議を延期する決定をしたのは誰ですか?

4.ピートが辞職するといううわさがある。

5.彼女はこの前の火曜日、すなわち6月5日に来た。

同格表現の例として we Japanese(私たち日本人)という例が紹介されている教材もありますが、この表現は「上から目線」ととられる可能性がありますので、使う際には注意が必要です。