省略構文|英語の省略を種類別に徹底解説!例文・練習問題付きで定着度を高める
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英語では、文を簡潔にするために特定の語句を省略することがあります。省略の方法は、以下の3種類に分けることができます。
1.重複を避けるための省略
2.慣用的な省略
3.接続詞の後の〈主語 + be動詞〉の省略
この記事では、それぞれの方法について例文とともに解説していきます。なお、各例文では、省略されている語句を ( ) で示すことにします。
重複を避けるための省略
重複を避けるための省略
英語では、同じ語句が続けて現れる場合、2回目以降を省略する傾向があります。
(1) I think she is smart, but she says she isn’t (smart).
私は彼女が賢いと思うが、彼女は自分はそうではないと言っている。
(2) Tom cleaned his room, and Jim (cleaned) the living room.
トムは自分の部屋を、ジムは居間を掃除した。
(3) This car is my mother’s (car).
この車は母のものです。
(4) Mary likes you more than (she likes) Pete.
メアリーはピートよりあなたの方が好きだ。
(5) You can stay if you want to (stay).
もしここにいたければいてもいいよ。
(1)では補語の smart、(2)では述語動詞の cleaned、(3)では所有格の後の car、(4)では接続詞 than の後の she likes、(5)では to に続く動詞の stay が省略されています。いずれも、一度使われた語句の重複を避けるための省略になります。
(5)では、to不定詞の動詞部分が省略されていますが、このように動詞が省略された to不定詞を「代不定詞」といいます。
“Would you like to go to the movies?”
“I’d love to.”
「映画を観に行きませんか?」
「ぜひ行きたいです。」
上の例では、代不定詞の to が、“to go to the movies” の意味を表しています。
なお、(5)の文では、次のように代不定詞の to を省略することもできます。
(5’) You can stay if you want.
もしここにいたければいてもいいよ。
この記事に関連するQ&A
慣用的な省略
慣用的な省略
話し言葉においては、次のような省略が慣用的に行われます。
(6) “(I’m) Sorry.”
「ごめんなさい。」
(7) “(It is) Nice to meet you.”
「お会いできてうれしいです。」
(8) “(I’ll) See you later.”
「じゃあ、また。」
(9)
“How are you?”
“(I’m) Fine, thank you.”
「お元気ですか?」
「ありがとう、元気です。」
(10)
“Are you a student?”
“Yes, I am (a student).”
「あなたは学生ですか?」
「はい、そうです。」
(11)
“Will it rain today?”
“I hope (it will) not (rain).”
「今日は雨が降るかしら?」
「降らなければいいね。」
(12) "How kind (it is) of you to help me!
手伝ってくれてありがとう!
接続詞の後の〈主語 + be動詞〉の省略
接続詞の後の〈主語 + be動詞〉の省略
副詞節を含む文では、when, while, if, unless, though などの接続詞に続く〈主語 + be動詞〉が省略されることがあります。多くの場合、省略される主語は主節の主語と一致します。
(13) When (he was) young, he used to play tennis.
彼は若いころよくテニスをしていた。
(14) I broke my leg while (I was) skiing.
私はスキーをしている時に脚を骨折した。
(15) If (you are) in difficulty, please call me.
もし困ったことがあれば電話してください。
(16) Unless (she is) too busy, she will come to the party.
あまり忙しくなければ、彼女はパーティーに来るだろう。
(17) Though (she was) poor, she lived happily.
彼女は貧しかったが幸せに暮らしていた。
(13)~(17)では、省略されている主語がすべて主節の主語と一致しています。ただし、if節や unless節を含む文では、次の例のように、省略される主語が主節の主語と一致しないことがあります。
(18) I’ll go if (it is) possible.
もし可能なら行きます。
(19) Unless (it is) necessary, please don’t tell him about it.
必要がない限りそのことについては彼に話さないでください。
また、if節では次のような定型的な省略が行われることもあります。
定型的な省略 | 訳 |
---|---|
if any | あるとしても、もしあれば |
if so | もしそうであれば |
if not | もしそうでなければ |
(20) There is little wine in the bottle, if any (= if there is any wine).
ボトルにワインがあるとしても、ごくわずかだ。
(21) Are you free today? If so (= If you are free), how about going to the movies?
今日は暇ですか?もしそうなら、映画を観に行きませんか?
(22) Do you have any questions? If not (= If you don’t have any questions), let’s work on the next task.
何か質問がありますか?もしなければ,次の課題に移りましょう。
練習問題
練習問題
最後に練習問題を解いてみましょう。
次の文の省略できる部分を指摘しなさい。
1.Some went swimming, and others went fishing.
2.It is colder today than it was yesterday.
3.“Do you know her name?” - “I’m afraid I do not know her name.”
4.What beautiful weather it is!
5.While I was studying, I fell asleep.
6.Correct errors if there are any errors.
省略できる部分を ( ) で示します。
1.Some went swimming, and others (went) fishing.
2.It is colder today than (it was) yesterday.
3.“Do you know her name?” - “I’m afraid (I do) not (know her name).”
4.What beautiful weather (it is)!
5.While (I was) studying, I fell asleep.
6.Correct errors if (there are) any (errors).
省略が起こるのは、省略によっても文の意味がはっきり伝わる場合に限られますので、あまり難しく考える必要はありません。