解決済み

解の公式は複素係数の時にも使えますか?

またその理由も教えてください

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条件付きで使えます。例として2次方程式の複素係数版の解の公式を導出します。

αz2+βz+γ=0(α0)αz^2+βz+γ=0(α \neq 0)

両辺ααで割る

z2+βαz+γα=0z^2+\frac{β}{α}z+\frac{γ}{α}=0

平方完成する

z2+βαz+β24α2β24α2+γα=0z^2+\frac{β}{α}z+\frac{β^2}{4α^2}-\frac{β^2}{4α^2}+\frac{γ}{α}=0

(z+β2α)2=β24αγ4α2(z+\frac{β}{2α})^2=\frac{β^2-4αγ}{4α^2}

両辺12\frac{1}{2}乗する

z+β2α=(β24αγ4α2)12z+\frac{β}{2α}=(\frac{β^2-4αγ}{4α^2})^{\frac{1}{2}}

z=β2α+(β24αγ4α2)12z=-\frac{β}{2α}+(\frac{β^2-4αγ}{4α^2})^{\frac{1}{2}}

ここで、4α24α^2の平方根は±2α\pm 2αであるから、

z=β2α±(β24αγ)122αz=-\frac{β}{2α} \pm \frac{(β^2-4αγ)^{\frac{1}{2}}}{2α}

z=β±(β24αγ)122αz=\frac{-β \pm (β^2-4αγ)^{\frac{1}{2}}}{2α}


複素数β24αγβ^2-4αγの絶対値をΔΔ、偏角をθθとすると、

(β24αγ)12=Δ(cosθ2+isinθ2)(β^2-4αγ)^{\frac{1}{2}}=\sqrt{Δ}(\cos \frac{θ}{2}+i \sin \frac{θ}{2})

よって、複素数係数2次方程式の解の公式は、

z=β±Δ(cosθ2+isinθ2)2αz=\frac{-β \pm \sqrt{Δ}(\cos \frac{θ}{2}+i \sin \frac{θ}{2})}{2α}

となる。


ちなみに、複素数\sqrt{複素数}という書き方はお勧めしません。

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そのほかの回答(1件)

複素係数の 22 次方程式 az2+bz+c=0az^2 + bz + c = 0 を変形すると

az2+bz+c=0z2+baz+ca=0(z+b2a)2=b24ac4a2z+b2a=b24ac4a2z=b2a+b24ac4a2\begin{aligned}az^2 + bz + c &= 0 \\ z^2 + \frac{b}{a}z + \frac{c}{a} &= 0 \\ \left(z + \frac{b}{2a}\right)^2 &= \frac{b^2 - 4ac}{4a^2} \\ z + \frac{b}{2a} &= \sqrt{\frac{b^2 - 4ac}{4a^2}} \\ z &= -\frac{b}{2a} + \sqrt{\frac{b^2 - 4ac}{4a^2}}\end{aligned}

ここで z\sqrt{z}w2=zw^2 = z を満たす複素数 ww をあらわします。

b24ac4a2=b24ac2a \sqrt{\frac{b^2 - 4ac}{4a^2}} = \frac{\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}

は確かに正しい(左辺と右辺のあらわす複素数の集合が一致する)ので,上の最後の式は

z=b+b24ac2a z = \frac{-b + \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}

と書き換えられます。つまり実係数のときとまったく変わらずに解の公式を使えます。


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