数学の問題文の記号化について
「論理学で学ぶ数学」を独学しているのですが、少し複雑な問題文を述語論理の言葉に翻訳する段階で詰まることがあり困っています。
①特に、「〇〇に対して」 「〇〇のとき」を翻訳する際
・『〇〇である様な任意のxに対して◇◇なyが存在』
と言う問題文では
・∀x[(xについての数式)⇒∃y(yについての数式)]
・『〇〇である様な適当な/あるxに対して◇◇なyが存在』
では
・∃x[(xについての数式)∧∃y(yについての数式)]
のように書き換えると殆どの問題は解答例と一致するのですが、この様に機械的に翻訳して良いのでしょうか?
②また
「xが任意の実数値をとるとき、xの関数なる全ての値を取り得るkの範囲を求めよ」
と言う問題で『任意のxに対して』と考えて、∀xと書き始めて上手くいかず、、
(解答を見ると
となっていました。)
この様な問題でも正しく述語論理の言葉に翻訳して行くためには、どの様なところを注意していけば良いでしょうか。
ざっくりとした質問で申し訳無いのですが、ご教授頂ければ幸いです。
ベストアンサー
削除済みユーザー
①
述語論理はたった つの構文しかもちません。
(1)
(2)
(1) の方は
「集合 の任意の元 に対して が成り立つ」
などと訳せばよく,(2) の方は
「集合 のある元 に対しては が成り立つ」
などと訳せばよいです。
「」「」
などはそれぞれ
「」「」
の言い換えに過ぎないので,結局 (1), (2) の形に帰着します。
どの文も必ず (1) か (2) か(あるいは全称量化も存在量化もしない原子命題か)の形をとり,例外はありません。そして (1), (2) は上に示したように直訳可能なので,どの文も機械的に翻訳できます。
②
述語論理は つの言葉づかいにすぎないと思います。記号的に表現された命題は,たとえば全称量化と存在量化とが入れ子になった複雑な命題の否定形をとりたいときなどに有用ですが,それ以外の場面ではかえって読みにくく分かりにくいです。
だから述語論理だけでなく別の言葉づかいに慣れるのがよいと思います。何かしらの言葉づかいで問題を言い表わせたなら,それを述語論理へ翻訳するのは機械的な作業です。
例にあがっている問題なら,たとえば,
「関数 の像が区間 を覆うというとき, はどのような値をとるべきか?」
と読み下してから,
「条件 を満たす を求めよ」
と翻訳することができます。
他の人が議論するのを聞いたり,自分でも議論してみたりして,自分なりの分かりやすい言葉づかいを作りあげていくのが近道だと思います。
質問者からのお礼コメント
大変参考になりました!ありがとうございます。即記号化ではなく、一旦適切な日本語文に言い換えるstepを踏む練習を重ねたいと思います。