幾何学のことばを借りて問題を言い換えます。
・f(x,y):=nCx⋅n+1Cy,
・xy 平面上の領域 0≦x≦n, x+1≦y≦n+1 内の格子点全体を A
とおけば,求めるべき和は
S1=(x,y)∈A∑f(x,y)。
この S1 を直接計算することは出来そうにないので,別の未知数を導入して連立方程式を立てることを考えます。
【立式 1】
領域 0≦x≦n, 0≦y≦x 内の格子点全体を B として,
S2=(x,y)∈B∑f(x,y)
とおけば,
S1+S2=0≦x≦n∑0≦y≦n+1∑f(x,y)=22n+1。
【立式 2】
f(x,y) がもつ次の性質に注目。
f(x,y)=f(n−x,y),f(x,y)=f(x,n+1−y)
これは f の値が鏡映変換 (x,y)↦(n−x,y) および (x,y)↦(x,n+1−y) の前後で変わらないことを意味する。だから,2 つの鏡映をたて続けにおこなう変換
T(x,y)=(n−x,n+1−y)
の前後でも f の値は変わらない。つまり,f(x,y)=f(T(x,y))。
図を描いて T の振る舞いをイメージしてみると察しがつくように,T は A の点を B の点へ移す。実際,
T(x,y)∈B⟺(n−x,n+1−y)∈B⟺0≦n−x≦n かつ 0≦n+1−y≦n−x⟺0≦x≦n かつ x+1≦y≦n+1⟺(x,y)∈A
だから,x∈A ならば T(x,y)∈B。
鏡映変換は一対一の変換だから,それを立て続けにおこなう T もまた一対一の変換である(※平行でない 2 直線に対する鏡映変換の積だから実は回転変換。)つまり,T は A,B の元を一対一に対応づけるので,
S1=(x,y)∈A∑f(x,y)=(x,y)∈A∑f(T(x,y))=(x,y)∈B∑f(x,y)=S2。
以上で得た 2 式から,
2S1∴ S1=22n+1=4n。
を得ます。
質問者からのお礼コメント
理解できました、ありがとうございます。いかんせん思いつくには難しいですが(笑)。