とのグラフを考えた時、両式からを消去して
から両グラフはxy平面で交点を持たないことが分かると思うのですが、ではこのはなにか図形的な意味を持つのでしょうか?教えていただきたいです。
ベストアンサー

今まで考えてきたグラフはすべて実数を表すものでした。
このグラフを複素数まで拡張して考える複素数平面(複素平面ともいう)という概念があり、これは数学Ⅲで学びます。
数学ⅠAを学習している高校1年生だと推測し、以下できるだけわかりやすく解説しますが、長くなるのはご容赦ください。
複素数 に対して、実数 を用いて と表すとしましょう。
複素平面の軸は実軸と虚軸であり、その2つの軸はそれぞれ実数平面の 軸と 軸に一致します。
つまり、複素平面上での点 は、実数平面上での点 と一致します。
もう1つ重要な概念である絶対値と偏角についてもお話しします。
に対して、絶対値を と定義します。原点との距離と考えれば実数平面と同じことですね。
そして、偏角は、実軸の正の方向から反時計回りの角度を言います。
の絶対値は 、偏角は ですね。
(ただし、偏角に関しては弧度法で表すのが一般的で、その場合 となります。弧度法についての説明は省略します。)
ようやく本題です。
ここで、複素平面上で と は放物線や直線ではなく、ともに点を表します。
つまり、質問者の仰っていることは次のような問題に言い換えられます。
「複素数 に対して、複素平面上の点 と点 が一致するとき、 を求めよ。」
この問題を解くこと自体は難しくなく、 から となります。
この2つの複素数が題意を満たす複素数であり、複素平面上で点を表すことがご理解いただけたでしょうか。
(ちなみに、 を代入することで、 を得ることもできます。複素数の問題を解くときは、こちらのアプローチを使うことも多いです。)
ではさらに図形的意味について考えていきましょう。
複素平面上の点 は、点 の絶対値を 乗し、偏角を 倍した点を表します。
また、点 は、点 の絶対値を 倍し、さらに実軸方向に だけ平行移動した点を表します。
点 に対して、点 と点 はともに点 を表すので、その2点が一致することが分かります。
同様にして、点 についても、点 と点 はともに点 を表し、一致することが分かります。
以上、長くなりましたが複素平面における点の移動について考えてきました。
「実数平面上で共有点をもたないが、共有点の座標を求める方程式の虚数解がもつ図形的意味」を考えること自体、とても素晴らしいことと思います。
質問者からのお礼コメント
なるほど、ありがとうございました!