H4CHI

とある京都大学の熱力学の問題で以下の近似式が与えられました。

∣x∣≪1,∣y∣≪1|x| \ll 1 , |y| \ll 1 を満たす任意の微少量 x,yx,y に対して 1+x1+y≒1+x−y\dfrac{1+x}{1+y} \fallingdotseq 1+x-y


なぜこの近似式は成立するのですか?


例えば xxが十分小さいとき sin⁡x≒x\sin x \fallingdotseq x という近似式は、xx が十分小さいときマクローリン展開で3次以上の項は無視できるから成り立つ、といったような数学的背景を教えてください。

回答 2件

ベストアンサー

この近似は、結果を知ってるからできることなんですが、おそらく

1+x1+y=(1+x−y)(1+y)−xy+y21+y\dfrac{1+x}{1+y}=\dfrac{(1+x-y)(1+y)-xy+y^2}{1+y}

上のように変形して、xyとy2xyとy^2は非常に小さく影響が無視できるので、

1+x1+y=(1+x−y)(1+y)−xy+y21+y=(1+x−y)(1+y)1+y\dfrac{1+x}{1+y}=\dfrac{(1+x-y)(1+y)-xy+y^2}{1+y}=\dfrac{(1+x-y)(1+y)}{1+y}

よって1+x−y1+x-y かなと、おもいます

補足

最後のところ=じゃなくて≃でした、近似の式でしたね 

  • atozkoxo

    少々細かい指摘で申し訳ないのですが、

    (1+x−y)(1+y)−xy+y21+y≃(1+x−y)(1+y)1+y\frac{(1+x-y)(1+y)-xy+y^2}{1+y}\simeq \frac{(1+x-y)(1+y)}{1+y}

    とするのが適切かと思います。≃ \simeq\ は\simeqというコマンドで書くことが出来ます。これは普通のTexでも同じはずなので覚えておくといいかもしれません。


    また、質問者の近似は、よりシステマティックな見方では『多変数関数のマクローリン展開を1次まで実行した』と思うこともできます。1変数関数についてマクローリン展開を知っているのでしたら、多変数関数のマクローリン展開も調べてみても良いかもしれません。

  • 多変数関数でもあるんですね……参考になります!  あと≃\simeqは注意します(笑)

    数学ほど厳密な分野は無いですからね

  • atozkoxo

    一応、参考になるサイトを2つほど紹介しておきます。

    https://pictblog.com/taymac-5

    事実とその具体例のみ知りたい人にはお勧めです。

    https://mathlandscape.com/multi-taylor-expansion/

    理論的なところをしっかりと書いてくれています。2変数から出発しているので取っ付きやすいと思いますが、追いかけるのは(少なくとも初見の人は)楽では無いかもしれません。

  • H4CHI

    お二方ともご回答ありがとうございます。

    添付していただいたサイトを確認したのですが、

    未熟故理解に至りませんでした。

    もし可能であれば噛み砕いて説明してくださると助かります。(厳密な議論でなくて大丈夫です。)


    ちなみに1次変数のマクローリン展開については

    f(x)=∑n=0∞f(x)(n)xnk!f(x)=\sum_{n=0}^{\infty} f^{(n)}_{(x)} \dfrac{x^n}{k!}

    が成り立つことぐらいしか理解できていません。(なぜ成り立つのかもよく理解できていません。)

  • atozkoxo

    実は、計算としては1変数のマクローリン展開とあまり変わりません。(ただし、偏微分を理解しておく必要があります。)


    1変数において、1次のマクローリン展開は

    f(x)=f(0)+df(x)dx∣x=0 x+O(x2)f(x)=f(0)+\frac{df(x)}{dx} |_{x=0}\ x+O(x^2)

    となりますね。これを2変数でやっても似たようなもので

    f(x,y)=f(0,0)+∂f(x,y)∂x∣x=0,y=0 x+∂f(x,y)∂y∣x=0,y=0 y+O(x2,y2,xy)f(x,y)=f(0,0)+\frac{\partial f(x,y)}{\partial x} |_{x=0,y=0}\ x+\frac{\partial f(x,y)}{\partial y} |_{x=0,y=0}\ y+O(x^2,y^2,xy)

    となります。なんとなく、ノリは分かってもらえるでしょうか。

  • atozkoxo

    ただ、1次のマクローリン展開だけを見ると

    f(x,y)=f(0,0)+∑k=1∞∂kf(x,y)∂xk∣x=0,y=0xkk!+∑k=1∞∂kf(x,y)∂yk∣x=0,y=0ykk!f(x,y)=f(0,0)+\sum_{k=1}^{\infty}\frac{\partial^k f(x,y)}{\partial x^k}|_{x=0,y=0} \frac{x^k}{k!}+\sum_{k=1}^{\infty}\frac{\partial^k f(x,y)}{\partial y^k} |_{x=0,y=0}\frac{y^k}{k!}

    なのかと勘違いしそうですが、それは誤りです。2次まで展開すると分かるのですが、微分を2回する方法は実は3通りあります。(xxで2回微分、yyで2回微分、両方1回微分)

    したがって、それぞれを展開の結果として取り込む必要があるわけです。

  • atozkoxo

    具体的に書くと

    f(x,y)=f(0,0)+∂f(x,y)∂x∣x=0,y=0 x+∂f(x,y)∂y∣x=0,y=0 y+12{∂2f(x,y)∂x2∣x=0,y=0 x2+∂2f(x,y)∂y2∣x=0,y=0 y2+∂2f(x,y)∂x∂y∣x=0,y=0 xy}+O(3次)f(x,y)=f(0,0)+\frac{\partial f(x,y)}{\partial x} |_{x=0,y=0}\ x+\frac{\partial f(x,y)}{\partial y} |_{x=0,y=0}\ y+\frac{1}{2}\left\{\frac{\partial^2 f(x,y)}{\partial x^2} |_{x=0,y=0}\ x^2+\frac{\partial^2 f(x,y)}{\partial y^2} |_{x=0,y=0}\ y^2+\frac{\partial^2 f(x,y)}{\partial x \partial y} |_{x=0,y=0}\ xy\right\}+O(3次)

    ここまでやれば、なんとなく計算は見えるのかなと思います。

    補足

    長くなりました。申し訳ない。

  • H4CHI

    ご丁寧にありがとうございます。

    2点質問があります。(何度もごめんなさい)


    1)∂f(x,y)∂x\dfrac{\partial f(x,y)}{\partial x} などの後ろについている x=0,y=0x=0,y=0 という添字のようなものは、偏微分して得た関数に x=0,y=0x=0,y=0 を代入するという認識で問題ないでしょうか。


    2)O(x2,y2,xy)O(x^2,y^2,xy) とは何を表すのですか?ランダウの記号ですか?ここでは x2,y2,xyx^2,y^2,xy のように増減し、いずれも二次の微少量だから無視ができるといった具合でしょうか?

  • atozkoxo

    両方ともその認識で問題ないです。

  • H4CHI

    ありがとうございます!

  • H4CHI
    お礼

    @Enigmathematic さん、@atozkoxo さん、ご回答ありがとうございました。

sHlcNRe46

近似の方法には他の回答者のようにする方法もありますが、

(1+x)n≒1+nx(1+x)^n\fallingdotseq 1+nx を用いると、

1+x1+y=(1+x)(1+y)−1≒(1+x)(1−y)≒1+x−y\begin{aligned}\dfrac{1+x}{1+y}&=(1+x)(1+y)^{-1}\fallingdotseq(1+x)(1-y) \\&\fallingdotseq1+x-y\end{aligned}

とする方が理解しやすくてよいと思います。

22 つ目の近似は、微小量の 22 次の項なので −xy-xy を無視しています。

  • H4CHI

    なるほど、そのようにしたら1変数のマクローリン展開で理解ができるのですね。

    ありがとうございます。

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